機械時計
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「時計」のその他の用法については「時計 (曖昧さ回避)」をご覧ください。
時計の一例。針式(アナログ式)の掛時計腕時計の一例。(CITIZEN製)懐中時計和時計江戸中期。博物館に展示された時計の数々

時計(とけい、: clock、携帯型のみwatch)とは、時刻を示す装置、あるいは時間を測定する装置[1][2]
概説

時計は時刻を指示する機器で、タイムカウンター(時間を測定するだけで時刻は指示しない機器)と合わせて計時装置 (time measuring instrument) と呼ばれる[3]。時刻の指示だけでなく時間の測定もできる時計にクロノグラフ (chronograph) がある[3]

古くは日常生活の中で時刻を知る方法は太陽の動きなどであった[4]紀元前1500年ごろには日時計が発明された[5]

11世紀以降、機械によって駆動される時計が実用化されたが、近世に至るまでは極めて大型の装置であり、庶民にとっては値段が高く一般的なものではなかった[4]。また、初期の機械時計はそれほど正確ではなく定期的に時刻の調整をしなければならなかった[5]。近代以後、より正確な機械時計が普及しても無線やラジオ放送などが普及するまで正確な時刻をもとに機械時計の時刻を合わせることも容易でなく、機械時計の時刻の調整には南中を知るのに特化した正午計(日時計の一種)なども用いられた[4][5]。なお日本ではかつて和語大和言葉では、時を測る装置は「ときはかり」と呼んだ[6]

機械時計には、動くための力、一定の速度で動かすための調速機、計った時を外部に伝える部分の3つの要素がある。動力としては、錘を引く重力がもっとも古くから存在したが、その後、近世に実用化された鋼製のぜんまいばね(ゼンマイ)が時計に適した蓄力装置として20世紀後期まで広く用いられた。また20世紀以降は電気が用いられ、動力のみならず調速のエネルギーとしても主流となっていった。調速機としては、17世紀に実用化された振り子が定置式時計に広く用いられ、振り子の役割を小型部品のひげゼンマイに置き換えたテンプも追って実用化、携行可能な時計(懐中時計)が作られるようになった。以後の電気駆動時代の調速には、音叉、電力線、水晶、原子などが利用されている。外部に時刻を伝える手段としては、一般的には針(アナログ)や文字(デジタル)による視覚が基本で、これと併用する形で鐘や鈴、アラームなどの音が用いられる。

1970年代ごろまでは、腕時計や置時計では動力にぜんまいを使った機械式、掛時計では電気(トランジスタ)式がほとんどであったが、1980年代以降、動力に電気、調速機に水晶振動子を使ったクォーツ時計が主流となった。市販のクォーツ時計の多くは 1 秒間に32768(2の15)回振動する(32.768 kHz水晶振動子を用いて時を刻む。必ずこの数値でなければならないわけではないが、時計に組み込むのに適切な大きさの振動子で発生しやすい周波数であり、また、簡易な回路で分周を行い周波数を半分にする操作を繰り返して1秒を得るために、2のべき乗の値であると都合が良いことからこの周波数がよく用いられる。他の周波数の水晶振動子が用いられることもある。

#歴史

また、近年はセシウム原子の振動(9192631770 Hz=9.19263177 GHz)を用いた原子時計の時刻を基に発信された電波標準電波JJY)を受信し、クォーツ時計の時刻を自動修正する電波時計も利用されている。[注 1] 更に進んで、地球上どこでも受信できるGPSの電波により時刻修正を行う衛星電波時計も出現している。一方、動力については、電池交換の手間を省くため、腕時計の分野では手の動きから力を取り出して発電機を駆動して電気を得る方法 (Automatic Generating System, AGS) や、文字盤や盤面以外の部分に組み込まれた太陽電池などにより発生した電気を、二次電池もしくはキャパシタに充電しながら作動するタイプが出てきている。

時計は趣味的な収集の対象ともなっており、クォーツ式や電波時計が全盛の時代であっても、あえて日時計を集めて庭に置いて眺める愛好家や、あえて機械式時計を収集したり日々それを身につけることを愛好する人々もいる。

また時計は電子機器の多くにも内蔵されている。これは、ビデオの録画予約や、電子レンジの加熱時間など、タイマーとして使われる。

またパーソナル・コンピュータなどにも時計はいくつかの方式で組み込まれており、プログラミング言語ソースコード内でもそうした時計から時刻の値を取得し利用できるようになっている。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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