機根
[Wikipedia|▼Menu]

機根(きこん)とは、仏の教えを聞いて修行しえる能力のこと。また仏の教えを理解する度量・器のことで、さらには衆生の各人の性格をいう。一般にいう根性は、この機根に由来する言葉である。
概要

「機」とは、人の心の機縁、はたらきを意味し、「根中国語: 善根)」とは、その人の根本的な性質や性格を意味する。

釈迦仏は、インドで生まれ菩提樹の下で成道してから、さまざまな人に応じて説法をした。しかしそれら衆生の性格や気質はそれぞれ異なる。そのために各人に合わせて教えを種種雑多に説いた。これを対機説法(たいきせっぽう)・臨機応変(りんきおうへん)という。

大乗小乗、頓教・漸教(頓=すみやか、漸=ようやく、すぐに悟れる教えを頓教、次第してようやく悟れる教えを漸教)などの差も、この機根に応じて説かれたものである。

仏が入滅した後、この「機根」に様々な等級がつけられるようになった。

正定聚機(しょうじょうじゅき) - 教えを聞いて必ず悟ることができる機根

邪定聚機(じゃじょうじゅき) - どうしても悟りえない機根

不定聚機(ふじょうじゅき) - 前の二つの中間にあって、どちらに進むか定かでない機根

という三定聚に分かつ。

仏教においては、弟子や衆生のこの機根を見極めて説法することが肝要で、非常に大事であるとされる。

また各種経典においては、

利根(りこん) - 素直に仏の教えを受け入れ理解する人

鈍根(どんこん) - 素直に仏の教えを受け入れず理解しにくい人

などという用語も説かれている。たとえば涅槃経四依品第8にも「是の無上なる大涅槃微妙の経典も、鈍根薄福の者、二乗の者は業報を受けるが故に聴聞を楽(ねが)わず、むしろ憎悪誹謗す。それは粟、稗を食す人が、稲米、石蜜を知らず、我れ食すもの第一なりというが如くなり」などとある。
根性

冒頭説明文にある通り、一般にいう根性はこの「機根」を由来とする言葉である。この場合、根性の根とは能力、あるいはそれを生み出す力・能生(のうしょう)のこと、性とは、その人の生まれついた性質のことを意味する。これが一般用語として転用されて使われるようになった。
関連項目

教相判釈

根性論










仏教
基本教義

四諦

八正道

中道

三相

無常



無我


解脱涅槃

人物

釈迦

十大弟子(舎利弗/目連/大迦葉/須菩提/富楼那/迦旃延/阿那律/優波離/羅?羅/阿難)

龍樹

無著

世親

玄奘

達磨

世界観

輪廻(サンサーラ)

三千大千世界

六道(天界/人間道/修羅道/畜生道/餓鬼道/地獄道)

三界

重要な概念

無明

十結

五蘊

渇愛

煩悩

三毒//

五蓋




三業


唯識

仏性

三法印四法印

諸行無常

諸法無我

涅槃寂静

一切皆苦


心所

解脱への道

菩提

菩薩

四向四果 (預流/一来/不還/阿羅漢)

成仏

三十七道品

三学 (/禅定/般若)

四無量心 (///)

瞑想 (サマタ/ヴィパッサナー)

布施

信仰対象

三宝//)

日本の仏尊如来/菩薩/明王/天部/垂迹神/高僧

分類/宗派

原始仏教

部派仏教


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:13 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef