機体記号
[Wikipedia|▼Menu]
欧州諸国の国籍記号一覧地図イギリス籍”G"を表す機体記号を付けたセスナ機

機体記号(きたいきごう、英語:aircraft registration)とは、航空機に付けられる個別の記号。国籍記号と登録記号により構成される[1]

俗に英語のレジストレーション(registration)を利用して単にレジ、レジスタ、レジ番、レジナンバーと呼ぶ場合もある。国土交通省航空局では識別記号と表記している[2]

航空機認識の表示方法が数字のみの場合もあるが、こちらはアメリカ空軍テールコード)、ロイヤルエアフォース(イギリス)や航空自衛隊(日本)などの軍用機に対し用いられる。そのため民間機に「機体数字」といった呼び方はしない。

なお船舶にも個別認識番号があるが、本稿では民間航空機に対してつけられる機体記号について記載する。
概要機体記号N540PBのジブコ エッジ540。型番の540と操縦者であるPeter Besenyeiの頭文字を合わせている。機体記号は熱気球にも適用される

国際民間航空機関(ICAO)に加盟する世界各国の国家および地域の民間航空機を認識するためにつけられるのが機体記号である。

アルファベットもしくはアルファベットと数字を組み合わせた「国籍記号」で所属の国籍を表し、ダッシュ(ハイフン)に続けて数字もしくはアルファベットによって登録された順に交付される番号で「登録記号」を表す。アメリカや日本のようにダッシュを使わない国もある。日本では航空法施行規則に定められており、133条は「航空機の国籍は、装飾体でないローマ字大文字JA(以下「国籍記号」という。)で表示しなければならない」、134条は「登録記号は、装飾体でない4個のアラビア数字又はローマ字の大文字で表示しなければならない」としている。

イギリスのような数字が入らないアルファベットのみの表記される場合は、無線連絡などの際に後ろの二文字に因んだフォネティックコードで呼ばれることがある。例えば、英国海外航空781便墜落事故の事故機であるデ・ハビランド DH.106 コメット"G-ALYPはYankee Papa(ヤンキー・パパ[3])と呼ばれていた。

また、コールサインを所有しない航空会社や個人所有機などでは日本でも無線連絡などの際にフォネティックコードで呼ばれている。例えば警視庁航空隊のシコルスキー S-92 "JA02MP"は、無線連絡の際、"ジュリエット・アルファ・ゼロ・ツー・マイク・パパ"と呼ぶ。

アメリカの民間航空会社の機材では、機体記号の最後の2文字が航空会社IATA航空会社コードになっていることが多い。例えば、アメリカン航空なら"AA"、旧パンアメリカン航空なら"PA"といった具合である。日本貨物航空もこの法則に当てはまる(JA02KZなど)。また、最近の「JA+3桁数字+1つのアルファベット」のスタイルになってからは、日本航空が末尾にJ [4]、全日空が末尾にAを用いている。フジドリームエアラインズは「JA+2桁の導入番号+FJ」で統一している。

また、消防や警察の所有機では110119といった緊急通報用電話番号を含む組み合わせ[5]、国の機関では自国に関する記号[6][1]、社有のビジネス機では会社に関する組み合わせ[7]など所属先にちなんだ記号を申請する例もある。

機種名にちなんだ番号を使用することもあり、例えばボーイング747の生産初号機には"N7470"、ブリティッシュ・カレドニアン航空で導入されたDC-10には" ⇒G-DCIO"(IOを10に見立てている)という番号が使用されたことがあった。

個人所有の機体は、所有者の名前や誕生日、機体の登録年月日などを含む並びを申請していることがある。ジョン・トラボルタ(John Travolta)が所有していたボーイング707は型番と名前の頭文字を組み合わせた『N707JT』としている。


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:77 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef