橘樹郡
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神奈川県橘樹郡の範囲

橘樹郡(たちばなぐん)は、神奈川県武蔵国)にあった目次

1 郡域

1.1 隣接していた郡


2 概要

3 原始

4 古代

5 中世

6 江戸時代

7 明治以降

7.1 近代以降の沿革

7.2 町村制以降の沿革

7.3 変遷表


8 行政

9 脚注

10 参考文献

11 関連文献

12 外部リンク

13 関連項目

郡域

1878年明治11年)に行政区画として発足した当時の郡域は、概ね下記の区域にあたる。

横浜市

鶴見区神奈川区の全域

西区の一部(同年に設置された横浜区に属した区域[1]を除く)

保土ケ谷区の一部(上星川、川島町以北および今井町を除く)

港北区の一部(新羽町、北新横浜、新吉田東、高田東、高田町以西を除く)


川崎市

川崎区幸区中原区高津区宮前区多摩区の全域

麻生区の一部(金程、高石、百合丘、東百合丘以東)


隣接していた郡

行政区画として発足した当時に隣接していた郡は以下の通り。

東京府荏原郡

神奈川県南多摩郡北多摩郡荏原郡都筑郡久良岐郡鎌倉郡

概要 かつて郡衙が置かれたと推定される地域に建つ影向寺は、仏教伝来間近の7世紀頃まで遡る遺跡が見つかっている (2005年4月9日撮影)

郡名は、かつて橘樹郡内であった現在の川崎市高津区子母口富士見台に弟橘媛御陵とされる富士見台古墳があることによると伝えられる。その近くの高津区子母口には日本武尊・弟橘媛を祀る橘樹神社がある。
原始
縄文時代


子母口貝塚が形成される。

弥生時代


梶ヶ谷神明社上遺跡が形成される。

影向寺・野川神明社周辺の遺跡が形成される。

古代
古墳時代


多摩川周辺各所に古墳が築造される。

前期は南部周辺に方墳や円墳が、中後期は北部周辺に横穴墓の築造が増える傾向にある。

534年武蔵国造の乱後に献上された4つの屯倉のうちの1つ橘花屯倉は当郡付近の中でも現在の神奈川県川崎市から同県の横浜市港北区日吉にかけての地域にあったと推測され、さらにその中でも当郡の御宅郷付近(現在の神奈川県川崎市幸区北加瀬から同県の横浜市港北区日吉付近)にあった。

飛鳥奈良時代7世紀以降)
橘樹郡衙跡碑(橘樹官衙遺跡)

大和政権の統治下、律令制の下で(評)・の行政区画が整備される。この地域は武蔵国橘樹郡となり、郡衙影向寺宮前区野川、橘樹郡の郡寺であった可能性が高い[2])もしくは高津区千年の付近に置かれたと推定されている。影向寺の東方400mには橘樹郡の正倉であることから郡衙の跡と見られる千年伊勢山台北遺跡(高津区千年)があり、この地域が古代橘樹郡の中心地であった[2]

当初は4つの郷(橘樹(たちばな)郷:影向寺一帯、高田郷:横浜市港北区の高田町一帯、御宅(みやけ)郷:加瀬白山古墳のある北加瀬南加瀬一帯、県守(あがたもり)郷:津田山周辺)が置かれ、後に駅家郷(高津区末長周辺)が加わった[3](現在の地名への比定は高橋a2000, p.94-95)。

7世紀頃に成立した武蔵国府(現在の府中市)へ繋がる府中街道が整備され、橘樹郡はそれに沿った最も近い穀倉地帯として、いち早く農業地帯として開発された[4]

影向寺が創建され、馬絹古墳が築造される。

奈良時代には都に通じる官道の東海道があり、郡内には小高駅が置かれた。小高駅から荏原郡の大井駅に向かう人々は丸子の渡しを使った[5]

足柄道(後の矢倉沢往還・大山街道)が官道として利用されはじめる。

中原街道が形成されはじめる。

中世
鎌倉時代


秩父平氏の流れをくみ源頼朝御家人となった稲毛三郎重成(いなげさぶろうしげなり、- 1205(元久 2)年)が、桝形城に拠点を構え、北部一帯を治めるようになる。なお、現在の川崎市北部地域は摂関家荘園であり、その荘官として治めたともいわれる。この頃より江戸時代まで、橘樹郡北部は稲毛領(いなげりょう、または「稲毛荘」)と呼ばれるようになる。

現在の川崎市南部地域は河崎領(かわさきりょう)などと呼ばれており、秩父党および横山党の諸勢力が拠点を置く。

現在の鶴見区周辺は鶴岡八幡宮の社領であり、「鶴見郷」または「大山郷」と呼ばれる。

室町時代


後北条氏による所領の記録「小田原衆所領役帳」に、星川(橘樹郡・都筑郡、かつては久良岐郡に属したとも言われる)、仏向、程ヶ谷(保土ヶ谷)など当郡内の地名が記載されており、当時の当郡内は後北条氏の家臣により分割統治されていたと推定されている。

江戸時代

東海道が整備され、川崎宿神奈川宿程ヶ谷(保土ヶ谷)宿が置かれる。

中原街道が東海道の脇往還として再整備される。


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