模擬銃器
[Wikipedia|▼Menu]
.mw-parser-output .pathnavbox{clear:both;border:1px outset #eef;padding:0.3em 0.6em;margin:0 0 0.5em 0;background-color:#eef;font-size:90%}.mw-parser-output .pathnavbox ul{list-style:none none;margin-top:0;margin-bottom:0}.mw-parser-output .pathnavbox>ul{margin:0}.mw-parser-output .pathnavbox ul li{margin:0}銃砲刀剣類所持等取締法 > 模擬銃器

模擬銃器(もぎじゅうき)とは、金属モデルガンのうち、法令に定める改造防止基準に適合しないものをいう。暴力団武装化(改造銃)対策として1977年銃砲刀剣類所持等取締法(銃刀法)改正によって規制対象に加えられたものであり、模擬銃器に該当する金属製モデルガンは販売目的の所持が禁止されている。
概要

1970年代初頭、暴力団の対立抗争の増加にともない、金属製モデルガンを改造した違法銃器が大量に出回り始めた。増加する改造事犯に対し、玩具銃業界は自主規制団体を設立して改造防止策を講じた製品を販売し始めたが、自主規制には限界があり、改造対策として十分な効果を発揮できなかった。発砲事件の続発や改造銃の押収数が減少しない状況に対応するため、1977年に銃刀法が改正され、金属製モデルガンに対する法規制が行われた[注 1]

法令改正により、金属製モデルガンに改造防止基準が設定され、基準に適合しないものは模擬銃器として販売目的の所持が禁止された。金属製の拳銃模造品のみが対象となる模造拳銃規制(外観規制)と異なり、拳銃、小銃機関銃猟銃などの形態を問わず、撃発装置に相当する装置を有する金属製モデルガン全般を規制対象としている。法令に定める改造防止基準に適合する金属製モデルガン(模擬銃器に該当しないもの)には、業界団体が定める安全マーク(SMGマーク)が付されている[注 2]ため、規制前のものと区別することができる。

販売目的の所持を禁止した理由は、改造が容易な模擬銃器が販売により大量に供給され、違法改造を企図する者の手に渡ることを防止するためである。したがって、個人が所持している模擬銃器については販売を目的としない限り、取締りの対象にはならず、そのまま所持が認められる。ここでいう「販売」とは、「不特定または多数の者に対する有償譲渡」と解され、不特定または多数の者を対象にする意思があれば一人に対する有償譲渡でも販売に当たり、反復の意思があれば一回の有償譲渡でも販売に当たる[1]。なお、友人・知人間での交換や譲渡、販売を目的としない製造や購入は禁止されていない[2]

規制の例外として、輸出のための模擬銃器の製造もしくは輸出を業とする者またはその使用人が業務上所持する場合は、事業場の所在地を管轄する都道府県公安委員会に届け出ることにより、販売目的の所持が認められる[注 3]
該当要件

銃刀法 第22条の3 第1項の定めにより、金属で作られ、かつ拳銃、小銃、機関銃または猟銃に類似する形態および撃発装置に相当する装置を有する物は模擬銃器の該当要件を備える。
1. 金属で作られている

ここでいう金属とは亜鉛アルミニウムなどやその合金の総称である。したがって、プラスチック製モデルガンは模擬銃器には該当しないが、主要部分が金属で作られ、表面のみがプラスチックで覆われているものは金属で作られていると解される[4]
2. 拳銃、小銃、機関銃または猟銃に類似する形態を有する

拳銃、小銃、機関銃または猟銃に類似する形態を有する物を対象としたのは、市販されているモデルガンの種類および改造事例を考慮したものである。模擬銃器規制はモデルガンの改造可能性に着目したものであり、真正拳銃との外観類似性の悪用を防止する模造拳銃規制のように「著しく類似する」ものを対象にする必要は無く、単に「類似する」という表現がされている[4]
3. 撃発装置に相当する装置を有する

撃発装置とは、真正銃において引き金と連動して撃鉄や撃針を作動させ実包を撃発させる一連の機構を指し、違法改造にはこの装置に相当する部分が利用されるため、撃発装置に相当する装置を有すること[注 4]が該当要件の一つにされている[6]。したがって、これらの装置を有しないエアソフトガン[7]射撃競技用光線銃スターターピストル電着銃、銃型ライターなど[8]は金属製であっても模擬銃器には該当しない。古式銃を模した金属製モデルガンのうち、管打(パーカッション)式のものは撃発装置に相当する装置を有するため、模擬銃器の規制対象になるが、火縄式およびフリントロック式のものは撃発装置に相当する装置を有しないため、模擬銃器の規制対象にはならない[8]

上記の三要件を全て備える物として、主に金属製モデルガンが規制対象になる。
除外規定

上記の三要件を全て備える物であっても、銃砲に改造することが著しく困難なものとして内閣府令(銃刀法施行規則 第103条[注 5]第1項)に定めるものは模擬銃器には該当せず、規制対象から除外される。内閣府令に定めるものとは、「銃身」、「機関部体[注 6]」、「引き金」、「撃鉄」、「撃針(回転弾倉式拳銃の撃針に限る)」、「回転弾倉」、「尾筒[注 7]」、「スライド」および「遊底」に相当する部分が、ブリネル硬さ試験方法(日本産業規格Z2243)により測定した硬さがHB (10/500) 91[注 8]以下の金属で作られているもので、表の左欄に掲げる区分に応じ、同表の右欄に掲げる構造等のいずれかに該当するものをいう[注 9]


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:57 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef