この記事には複数の問題があります。改善
やノートページでの議論にご協力ください。不確かさ(ふたしかさ、英: Uncertainty)とは、計測値のばらつきの程度を数値で定量的に表した尺度である。不確かさは通常、0 以上の非負の有効数字で表現され、不確かさの絶対値が大きいほど、測定結果として予想されるばらつきの程度も大きい。測定に不確かさを添付する場合には、それぞれの測定量または測定器などに、その測定の不確かさが添付される。「不確かさ」のかわりに、「相対不確かさ」という、不確かさを測定した値で割った量が用いられる場合もある。すべての測定は、不確かさの対象となる。 不確かさの概念は、真値(英: true value)を用いない測定値の評価方法を確立する必要性や、ガウス分布を前提としない評価方法を確立する必要性[1]などの理由から生じたとされる。測定には必ず測定誤差があり、真値を知ることは実際には不可能であるため、精度や誤差を用いた測定の解析方法はその意味が曖昧であった。そこで、ガウス分布などの分布形状を前提とせずに、測定値など実験的に得られる量と、その実験的に得られる量から厳密に計算できる量のみ(たとえば測定値の平均値や標準偏差など)に立脚した概念として、従来の精度や誤差に代わり、新たに不確かさが定義された。測定の不確かさは、「絶対的な真値は知ることが出来ない」という測定量の知識についての不完全さを反映している。 また、1960年ごろには、精密測定の分野ではガウス分布を前提とした各種の統計解析で測定評価をすることに疑問が高まり、そのこともあって、従来の誤差解析に代わる新しい理論が模索されることになり、標準偏差はガウス分布を前提とせずとも使用できる統計量でもあるので、これら精密測定の分野などでは標準偏差を中心に評価をすることになっていった[1]。 そもそも誤差(英: error)とは、測定値から真値を引いた値である。また、真値を基準とした測定値の評価基準として、誤差の他に精度(英: precision)などがある。 なお現在では、実は「誤差」「真値」「精度」などの用語の定義も、計算手順にもとづく以下の定義へと更新されている。測定誤差は「測定値から参考値を引いたもの 」として定義され[2]、測定精度は「測定値と測定量の真値の近さ 」と定義されている[3]。ここで言う「真値」とは「定義に矛盾しない観測量の値 」のことである[4]。精度に似た概念として真度(英: measurement trueness)があり、真度は「同一条件下における有限の回数の測定に対する平均値と参考値の近さ 」と定義される[5]。 しかし本項では説明を簡単化するため、断りの無い限り、記事中での「誤差」「精度」「真値」などの用語の意味を、伝統的に使われて来た意味とし、つまり実験的には知ることのできない観念的な概念として「誤差」「精度」「真値」の用語を扱う。 真値の概念を用いない測定の解析方法を不確かさ解析(英: uncertainty approach, uncertainty analysis)と呼ぶ。いっぽう、真値と誤差を中心とした解析方法を誤差解析(英: error approach, error analysis)と呼ぶ。測定分野では不確かさ解析が好んで用いられる。 不確かさは国際規格として定義された統計指標である。従って、不確かさは統計指標としての性格の他に、国際標準としての性格も持つ。 不確かさは従来の誤差や精度などに代わる量として用いることができる。誤差は真値に対する測定値の標準偏差を用いて評価されるが、不確かさは測定値の期待値や参照値に対する標準偏差によって評価される。前者は真値に対するばらつきを与えるが、後者は測定そのもののばらつきを与える。 不確かさが小さいほど、同じ条件下で同じ測定器と同じ測定方法によって測定値を得たとき、その測定値がそれ以前の測定値の平均値に対して近い値を取り易いことが予想できる。
由来
「不確かさ解析」とは
性質
統計手法としての位置づけ
Size:47 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
担当:undef