標本_(分類学)
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シアの木 (Vitellaria paradoxa) の乾燥標本

生物の標本(ひょうほん、: specimen)とは、生物体の全部、あるいは一部を保存可能な状態にしたものである。分類学においては、標本はその生物存在を証明し、その特徴を明らかにするための大事な証拠である。分類群によって扱いはやや異なるが、うまく保持するために、さまざまな方法が使われている。
標本を作る時

生物の標本は、生物を採集した場合に、それを保存するために一定の加工をしたものである。分類学においては、採集した生物が新しいものであった場合、その生物の特徴を調べて文章で記述し、スケッチをとることでそれを記録する。しかし、記録の誤りがあるかも知れず、見落としもある可能性があるから、観察した生物をいつまでも変わらぬ形で保存することが望ましい。これを目的としたのが標本作製であり、それによって作られたものが標本である。むしろ、採集したものを生きたまま観察できるとは限らないから、あらかじめそのような標本の形にしたものについて研究が行われるのが通例であり、したがって、生物採集が行われた後、まず行われるのが採集品を標本とする処理であることも多い。

また、新種記載以外にも標本作製の必要はある。そもそも、新種であると判断するためには既知種の知識が必要であるが、種にはそれなりの個体変異があるから、単一の標本ではそれを知ることができない。したがって、既知種についての多くの標本の存在がなければ、新種であるとの判断はできないことである。また、生物について新たに学び始める場合、書物の上の知識では間に合わない部分が多々あり、個人の学習においても標本作製は重要な学習方法であり得る。

生物学のそれ以外の分野でも、標本が作られることは多い。例えば生態学的研究においても、対象とする生物の同定をより確実にするために標本が保存されるほか、対象とする個体の詳細な情報を得るために捕獲し、殺して保存する場合には標本作製の方法を用いる。

動物行動学などでは、種の違いが決定的な問題となる場合があり、同定の精度が重要になる。例えば同一種と考えてデータを取っていたのに、実は複数種が混じっていることが判明すれば、それまでのデータが無意味となり、泣く泣く破棄しなければならない例もある。そういう場合にも、標本があれば同定の再確認ができる。

もう一つ、標本作製が行われるのは、趣味コレクション博物館での展示、あるいは学校における理科学習の際の演示のためである。この場合、形質の保持とともに、あるいはそれ以上に、見栄えのよさが重視される。狩猟の獲物を剥製にするのも、そういった意味では標本である。学習教材としての標本は、常に一定の需要があるから、理科教材店などがそれを扱っている。

標本作製や、それにかかわる操作等は、分類群によってそれぞれに異なる。専門的には、それぞれの群でよい保存法が模索され、それに基づいてある程度決まった方法で標本にすることが求められる。ここではおおよそ全般にかかわる内容について述べる。
標本に求められるもの

分類学的な目的で作られる標本は、その生物を代表するものであるべきである。伝統的には形態的特徴が重視されてきたため、それが十分に表現されるものが求められた。

昆虫採集のように小型の生物であれば、一個体を丸々採集するのは簡単である。大きくても、脊椎動物のように個体性が明確なものは、それを採集する。個体による変異もあるから、できれば複数個体の確保が望ましい。

植物のように個体性が明確でないものは、一部だけを採集するのが珍しくない。特に、樹木のように大きいものは、すべてを取り切ることはまずできない。そのような場合、もっとも特徴が出ている部分を切り取る。一般に種子植物の構造はが並び、その間にや実がつくのを単位として、全体にそれらが繰り返された構造をもつので、それらの特徴を含む構造を切り取る。具体的には複数の葉をつけ、花や実のついた枝をもって標本とするのを理想とする。株立ちになったり、匍匐枝を伸ばすような草本の場合も同様に考える。例外的に、シダ植物門の場合には葉一枚を標本とすることが多い。動物でも群体性のもの、例えばサンゴのようなものは、群体全体を取るか、植物と同様に考え、その一部を採集する。また、一個体から、例えば枝と花と樹皮、という風にあちこちの部分を切り取って、これらをまとめて一つの標本と見なす、というやり方もある。

基本的には成熟した成体を採集するものであるが、生活環のそれぞれの段階も必要に応じて採集する場合もある。いずれにせよ、生殖器官はその生物の重要な特徴である場合が多いから、それを含む標本を作ることが必要であることが多い。

なお、標本はその生物の本来の形態を保存するものでなければならない。標本作成の処理によって妙な構造ができたりするのは避けなければならない。逆に、作成の操作によって生じる特徴が役に立つ場合もある。例えば、高等植物は、普通は乾燥して標本とするが、その際に黒変したり、特殊な色を生じるものがあり、これもその種の特徴として認められる。ただし、特殊な乾燥機を用いるなど、手順が異なると様子が変わることもある。
一部だけを標本とする場合

もっとも特徴が現れる部分のみを標本とする例や、保存しやすい部位だけを標本とする例もある。たとえば貝類は、貝殻のみを標本とする伝統があった。貝類には熱狂的なコレクター層があり、貝殻だけを収集することが普通であったというのもその原因のひとつであろう。いずれにせよ、この場合、それがその生物の一部であるとは認識されていなかった気配がある。とにかく基本的には貝殻の特徴だけに基づく分類体系が組み立てられていた。しかし、他の分野の生物学において生殖器の構造などに着目した分類が進むにつれ、それらにも目が向けられるようになり、さらに近年の分子系統学の進歩により、その方向からも光が当てられるようになったため、その分類体系に大きな見直しが必要となっている。

やむを得ず一部のみを標本とする場合もある。どうしても一部しか入手できなかった場合もある。ヤンバルテナガコガネは長い間、翅一枚のみで知られてきた。化石の場合、むしろこれが常態である。

逆の意味で特殊なのは菌類である。菌類では栄養体はほとんど特徴を示さず、生殖器官のみが注目される傾向がある。例えばキノコの標本は、キノコの部分のみを取り上げて作成される場合が多い。しかし、キノコの栄養体はキノコの基部から下に広がっている菌糸体である。したがって、この採集のやり方は、高等植物でいえば葉や茎を無視して花だけを採集しているのに近い。しかし、菌糸体を採集するのはまず不可能であるし、したとしても大した情報が得られないのも事実である。
模式標本

新種を記載する場合には、その根拠となる生物個体の標本を指定しなければならない。これをタイプ標本という。これについてはタイプ (分類学)の項目を参照のこと。
必要とされる情報

標本とは加工された生物体ではあるが、それだけの存在ではその価値は認められない。標本には、必ず採集の場所、日時、採集者などのデータが必要である。これは科学的再現性(といっても物理化学のような厳密なものではないが)の問題である。付帯すべき情報が欠落した標本は、その価値が著しく損なわれている。東南アジアなどで昆虫標本が販売されている場合、このようなデータがついていない例が多い。そこから珍しいものが発見されても、報告できる情報は多くない。データを付属させていても、処理や保管の間にこれらの情報が紛失したり、混乱したりといったトラブルはよくあることであるが、その結果として後世のその分野に混乱を残した例もある(例えばミヤコショウビンを参照)。

通例では、これらの情報はラベルに書いて標本に添付される。液浸標本では、紙に鉛筆等の薬品に強い筆記具で書き込んだものを標本と共に漬け込んでおく。
前処理

採集された生物試料は、そのまま標本とする場合もあれば、一定の下準備が必要な場合もある。実際に採集する場合にはあれこれゴミがついてくることが当たり前なので、標本作成時にはそれを片付けながら作業を行う。例えば高等植物であれば、根の土を洗い落とし、他の植物の葉を外し、虫を払い落として押し葉にする。

このような処理は早い方がよいから、遠隔地に採集旅行に出掛けた場合、実際の採集と共に標本作製の作業、あるいは前処理は重要な日程である。よくある風景が昼間は採集、夜は標本作りの作業、というもの。

また、とりあえずすべてを固定液に付け込んで、それからじっくりと処理する、というのもある。いずれにせよ、生きた状態では生物は変化し続けるし、勝手に死んでは腐敗するなど構造が変化するから、まずそれらを止めるのも大切な作業である。

その意味で、生きた採集品はできるだけ素早く殺すのが望ましい。しかし、中には一定の飼育を行った後に標本とする場合もある。たとえば花が咲きかけた植物を少し育てて咲いてから標本にする、といった場合である。また、昆虫採集は趣味のコレクションになる場合も多く、その場合、標本に傷が付いていないことを強く求める人がいる。そのため、幼虫から飼育して成虫にして、その後に標本にする、というやり方もある。いずれにせよ、飼育は野外の条件とは異なるので、その影響が標本の上に現れる可能性を忘れてはならない。なお、飼育動物を標本にするのはまた違う話である。

微生物の場合、顕微鏡下で試料を拾って、集めてプレパラートに置くなどの作業を行うものもある。


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