榛名湖
[Wikipedia|▼Menu]

榛名湖


榛名湖と榛名富士
群馬県における榛名湖の位置
所在地 日本
群馬県高崎市榛名湖町吾妻郡東吾妻町
位置.mw-parser-output .geo-default,.mw-parser-output .geo-dms,.mw-parser-output .geo-dec{display:inline}.mw-parser-output .geo-nondefault,.mw-parser-output .geo-multi-punct,.mw-parser-output .geo-inline-hidden{display:none}.mw-parser-output .longitude,.mw-parser-output .latitude{white-space:nowrap}北緯36度28分30秒 東経138度52分00秒 / 北緯36.47500度 東経138.86667度 / 36.47500; 138.86667座標: 北緯36度28分30秒 東経138度52分00秒 / 北緯36.47500度 東経138.86667度 / 36.47500; 138.86667
流出河川沼尾川
面積1.24[1] km2
周囲長4.8[2] km
最大水深12.6[3]-14.0[2] m
平均水深10.2[4] m
貯水量0.0122[3] km3
水面の標高1,084[2] m
成因火口原湖カルデラ湖
淡水・汽水淡水
湖沼型富栄養湖[5]
透明度1.9-4.2[2] m
凍結1-3月
プロジェクト 地形
テンプレートを表示

榛名湖(はるなこ)は、群馬県西部にある榛名山カルデラ内に生じた火口原湖[2]、水系としては利根川に属する[6]。周囲は約4.8キロメートル[7]面積は約1.2平方キロメートル、最深部は約12メートルから15メートル。

万葉集』の時代から上野国を象徴する歌題「伊香保の沼」として知られる。榛名神社とともに、江戸時代以降は関東地方を中心とする雨乞い信仰「榛名講」の目的地となった。明治時代以降は近接する伊香保温泉に集まった文化人によって文芸作品に描かれた。大正時代からは本格的な観光開発が始まり、年間百数十万人(1987年[5])の観光客を集め [注 1]、一年を通じて群馬県を代表する観光地の一つとなっている。
概要

逆さ榛名富士

群馬県(旧上野国)にある赤城山(標高1827メートル)、榛名山(標高1449メートル)、妙義山(標高1103メートル)はいずれも火山で、上毛三山と呼ばれて県のシンボルになっている。なかでも高崎市前橋市渋川市利根川を挟んで東西に対称的に位置する赤城山と榛名山は、同時期に活発な火山活動を行って成層火山へと成長し、後代の噴火でその頂部を失いカルデラを形成した。それぞれ山頂部のカルデラ内に湖沼を有し、赤城山に大沼覚満淵、榛名山には榛名湖がある[9]

榛名湖の湖水は北側の火口瀬から沼尾川として流れ出て吾妻川に注ぎ、さらに利根川へと合流する。湖水は一部で農業用水として利用されている。湖は標高1,084メートルにあり、日本の主要な湖沼では最も高い中禅寺湖の1,269メートル[10]に次ぐ。厳冬期には湖面全体が結氷する。

榛名山は約50万年前から同じ場所で噴火を重ねており、山頂のカルデラは馬蹄形に連なる多重の外輪山に囲まれている。約22万年前の爆発で直径3キロメートルほどのカルデラが生じ、そこに榛名湖の原型ができた。4万年ほど前にカルデラ内で再び噴火があり、東西4キロメートル、南北2キロメートルほどのカルデラをつくった。これが現在の榛名湖の周囲を囲む外輪山で、当時はその内側が全て湖だったと考えられている。その後も、このカルデラ内で何度か噴火があり、榛名富士などが生じた。カルデラ内の湖の一部が火山噴出物で埋め立てられ、いまの榛名湖の姿になった。

奈良時代には『万葉集』にも「伊香保の沼」(※「伊香保」は、現在の高崎から榛名山一帯をさす広域地名)として詠まれるようになり、上野国を代表する景物として都の歌人たちにも知られていた。中世から信仰の対象となり、江戸時代以降は雨乞いに霊験あらたかな地として関東一円の農民を集めるようになった。これを「榛名講」といい、榛名湖の南にある榛名神社に詣でて泉水を竹筒にいれて持ち帰り、田畑にまくと雨が降るとされていた。この信仰の濫觴として、戦国時代の関東の武将の妻が、敗死した夫の後を追って榛名湖に入水し、龍神となって農民の願いをきくようになったと伝えられている。

明治時代になると、榛名湖の北隣にある伊香保温泉に文化人が集まるようになり、竹久夢二与謝野晶子高浜虚子らによって榛名湖は文学、絵画、音楽に描かれるようになった。大正時代には、群馬県内で最初の自然公園に指定され、観光客が急増した。高度成長期には1日3万人の行楽客が押し寄せたといい、夏は水上スポーツやボート遊び、冬はスケートや氷上でのワカサギ釣りなどが行われる観光地となった[11]。湖畔には土産物屋がならび、対岸には温泉が掘られ、湖畔の榛名富士や沼ノ原にはキャンプ場やスキー場がつくられ、榛名山ロープウェイも建設された。近年は湖上の花火大会やイルミネーションイベントも催されている。
地形

湖畔西側の硯岩付近から北湖畔を望む。中央が榛名富士、右後方に相馬山。湖畔の左隅に榛名湖温泉。その背後に小高く蛇ヶ岳、その後方に二ツ岳。
湖畔西側の硯岩付近から南湖畔を望む。中央が天目山、その左後方が三ツ峰山。湖畔の右側に土産物街、その後方に榛名神社へ続く天神峠。
北東の火口瀬から流出する沼尾川
氷結した榛名湖と榛名富士

榛名山のカルデラにできた火口原湖[2][注 2]榛名湖周辺地図

湖面の標高1084メートル[5][13][2]。ただし取水によって水面の高さは2メートルほどの季節変動がある[13]

南北方向の長径は約1.3キロメートル、東西方向の短径は約1キロメートル[3][注 3]、周囲4.8キロメートル[2][5][13]。面積は約1.24平方キロメートル[1][注 4]。湛水量はおおよそ1,220万立方メートル[3]。形状は「勾玉形[3]」、「東側がくびれたひょうたん形[5]」ないし「楕円形に近似[13]」している。


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:220 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef