極軸合わせ
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極軸合わせ(きょくじくあわせ、Polar alignment )は、天体望遠鏡赤道儀式架台において極軸を天の極に向けることをいう。
北半球の場合

北半球の場合の極軸合わせを説明する。
簡易な方式

方位磁針などで北を把握し空を見ると、自分のいる土地の緯度と同じ高度に北極星ポラリス)が見える[1]。2等級と明るく、近くに明るい星はないのですぐに分かるはずである[1]

肉眼で北極星を発見できたら、極軸がだいたい北極星の方向を向くように赤道儀式架台を地面に設置する[1]。本格的な長時間観測[1]や、天体写真を撮影する[2]場合でなければ、およその見当で極軸を北極星ポラリス)の方を向ける程度で充分である[1][2]
極軸望遠鏡による方式

移動できる望遠鏡の場合、極軸には小型の極軸望遠鏡が組み込まれている場合があり[3]、短時間で[1]精度良く[1]簡単に[4]極軸合わせができる。詳細は「極軸望遠鏡」を参照
ファインダーによる方式

ファインダーと望遠鏡本体は平行に調整が済んでいることが前提である[5]。精度を高くするためにはファインダーの実視野がわかっている必要がある。

望遠鏡をできるだけ水平に据え付ける[5]

極軸の傾きを示す目盛がある場合には、土地の緯度に合わせる[5]

鏡筒と極軸が平行になるようにして固定し、方向修正微動で望遠鏡を北極星の方向に向け、ファインダーの視野に北極星を入れる[5]。極軸の傾きが合ってないと視野に入らない場合があるので、その場合は極軸の傾きを変えてみる[5]

ファインダーの十字線に、北極星が重なるよう調整して固定する[5]

赤経のクランプを緩め、望遠鏡を極軸の周囲に回転させながらファインダー内の北極星の動きを見、北極星が視野から外れず十字線の交点を中心に円を描くように調整する[5]

ファインダーの実視野が何度あるかと、2000年分点で「ポラリスは天の北極から約44カシオペヤ座ε星の方にある」「天の北極はポラリスから約44おおぐま座η星(北斗七星の柄の先端)の方にある」という事実から、真の天の北極にファインダー十字線の交点が来るよう方向微動と極軸の傾きで調整する[5]。この時赤緯微動、赤経微動は使用しない[5]。またファインダー視野が倒立像であることに注意する[5]

日周運動による方式

かなりの高精度で設置できる[4]。十字線の入った接眼レンズを主望遠鏡に取り付け、何か星を見つけて視野中心に一致させる[1]モータードライブが装着されている場合には一時停止する[1]。星が動いていく方向が視野の西であり、その反対側が東である[1]。赤緯微動だけで望遠鏡を北極の方へ動かして、視野の星がずれていく方向が視野の南、その反対が北である[1]。その後モータードライブなり赤経微動のみで東西を追尾した場合に、南北どちらに星がずれていくかでどちらに修正すればいいのかを探る[1]。ただしこの方法は慣れが必要になる[1]

北東天の星を見て、星が北にずれていく場合、天の極に対して極軸が高すぎるので下げる必要がある[1][4]

北東天の星を見て、星が南にずれていく場合、天の極に対して極軸が低すぎるので上げる必要がある[1][4]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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