「 極小有理曲面 」あるいは「 極小代数曲面 」とは異なります。
数学または物理学において、極小曲面(きょくしょうきょくめん、英: minimal surface
、仏: surface minimale 、独: minimalflache 、中: 極小曲面 )とは局所的にその面積を最小化する曲面である。これは平均曲率(英語: mean curvature)が零をもつことと同じである(以下の定義を見よ)。 「極小曲面」の用語はこれら曲面が本来ある一定の面積を合計として最小にする曲面としてであるから用いられる。極小曲面の面積を最小化する物理的モデルは、石鹸膜
解説
直観的には、或る極小曲面は、最小を充たす摂動の適用における変数のところのその面積または体積が与えられる曲面である。その極小曲面はつまり(十分小さくかつ十分限定された或る摂動の結果からみて長さが増加するしかないところの)測地線より高い次元において相似物として形成される。
定義鞍型塔状(英語版)極小曲面、その面積を増加させる曲面の任意の小さな変形のなかで、最も小さな合計面積をもつ同じ境界である曲面が存在する。
極小曲面は R 3 {\displaystyle \mathbb {R} ^{3}} において、幾つかの同値な方法により定義できる。それらが同値である事実は極小曲面の理論がいかに幾つもの数学上の分野にまたがっているかを示す、とりわけ微分幾何学、変分法、ポテンシャル論、複素解析そして数理物理学[1]。局所最小面積定義(英: local least area definition):おなじ境界をもつすべての曲面のうち最小の面積をもつ、単純閉曲線により境界づけられた、曲面 M ⊂ R 3 {\displaystyle M\subset \mathbb {R} ^{3}} は、任意の点 p ∈ Mが近傍をもてば、そのときに限り極小である。
この性質は局所的である:より小さな面積のおなじ境界をもつその他の曲面とともに、極小曲面では領域が存在しなければならない。この性質は石鹸膜に関連して確立された;境界としての針金枠に、極小の面積になるよう石鹸膜は形作られる。変分的定義(英: variational definition):曲面 M ⊂ R 3 {\displaystyle M\subset \mathbb {R} ^{3}} は、コンパクトに支持されたすべての変分に対する面積関数の臨界点であれば、そのときに限り極小である。
この定義は、長さ関数の臨界点として類似に定義されるものである、測地線に対する2次元の類似として極小曲面を成り立たせる。極小曲面の曲率平面。極小曲面では、主曲率の平面のうちの曲率は同じであり、すべての点で正負が逆である。これは主曲率が零であることを意味する。平均曲率的定義(英: mean curvature definition):曲面 M ⊂ R 3 {\displaystyle M\subset \mathbb {R} ^{3}} は、すべての点でその平均曲率 (英語: mean curvature)が零に等しければそのときに限り極小である。
この定義の直接な意味は、曲面上の任意の点は等しくかつ相対する主曲率の鞍点であるということである。さらに言えば、これは、極小曲面が平均曲率流れ (英語: mean curvature flow)の静的な解を与えることを示す。ヤング・ラプラスの式により、石鹸膜の平均曲率はその側面の圧力差に比例する。もしある領域で石鹸膜が囲まれていなければ、そのときこれはその平均曲率が零になることを成り立たせる。微分方程式による定義(英: Differential equation definition):曲面 M ⊂ R 3 {\displaystyle M\subset \mathbb {R} ^{3}} はもしそれが次式の解のグラフとして局所的に表されるならばそのときに限り極小である: ( 1 + u x 2 ) u y y − 2 u x u y u x y + ( 1 + u y 2 ) u x x = 0 {\displaystyle (1+u_{x}^{2})u_{yy}-2u_{x}u_{y}u_{xy}+(1+u_{y}^{2})u_{xx}=0}
この定義のその偏微分方程式はもともと1762年にラグランジュにより見つけられた[2]、そしてジャン=バティスト・ムーニエは1776年に平均曲率が消えることを意味していることを見出した[3]。エネルギーによる定義(英: energy definition):ある等角なはめ込み X : M → R 3 {\displaystyle X:M\rightarrow \mathbb {R} ^{3}} は、もしすべての支持するコンパクトな多様体についてのディリクレエネルギーの臨界点であるならばそのときに限り極小である。または同値として、もし任意の点 p ∈ M {\displaystyle p\in M} が、その境界に比例した最小のエネルギーをもつ近傍をもてば極小である。
この定義は極小曲面を調和関数とポテンシャル論とに結び付ける。調和的定義(英: harmonic definition):もし X = ( x 1 , x 2 , x 3 ) : M → R 3 {\displaystyle X=(x_{1},x_{2},x_{3}):M\rightarrow \mathbb {R} ^{3}} が、あるリーマン面の3次元空間への等長的はめこみならば、 x i {\displaystyle x_{i}} が各 i {\displaystyle i} の M {\displaystyle M} における調和関数であるときはいつでも、 X {\displaystyle X} は極小であるという。