極め出し(きめだし)とは、相撲の決まり手の一つである。相手の差手や首、肩の関節を腕で挟み込み(極めるという)、相手を土俵の外へ出す技[1]。大型で懐の深い力士が小型やそっぷ型力士に対して使うことが多い。この技をかけられた場合、肘の関節等を故障する可能性がある。明治の大関・鳳凰馬五郎や、昭和では大関清國勝雄、関脇・若見山幸平、関脇・高見山大五郎、平成では大関・貴ノ浪貞博、大関・魁皇博之、大関・把瑠都凱斗、令和では横綱・照ノ富士春雄などが得意とした。
相手の差手の肘関節を極めることは閂といい、もろ差しの相手を両腋で挟んで極めることが多い。相手の片方の差手を両腕で極める片閂を使う場合、江戸時代のその技を得意とした力士にちなんで泉川と呼び、その形で勝負をつけることを撓め出し(ためだし)と呼んだ時期もあった。こちらは明治の横綱初代西ノ海嘉治郎や常陸山谷右エ門が名手として知られた。
1987年11月場所13日目、横綱千代の富士貢がこの場所新大関の旭富士正也にこの技で勝利した時には、両差しの旭富士の両肘を千代の富士が閂で極め、極める力の強烈さからか旭富士の体が宙に浮いてしまい、その状態のまま千代の富士が前に出て旭富士を土俵の外に出すという豪快な相撲となった[2]。2018年5月場所初日に十両の水戸龍聖之が千代ノ皇王代仁に勝っている。
相撲の格言の中に「極めたら相手の顔を見ろ」という格言がある[3]。
関連項目
大相撲の決まり手一覧
極め倒し
撓め出し - 現在の公式の決まり手では極め出しに含まれる
出典^ 『大相撲ジャーナル』2017年7月号 p77
^ 本動画の開始4分20秒頃に当該取組のVTRあり。
表
話
編
歴
大相撲の決まり手
基本技
突き出し
突き倒し
押し出し
押し倒し
寄り切り
寄り倒し
浴びせ倒し
投げ手
上手投げ
下手投げ
小手投げ
掬い投げ
上手出し投げ
下手出し投げ
腰投げ
首投げ
一本背負い
二丁投げ
櫓投げ
掛け投げ
掴み投げ
掛け手
内掛け
外掛け
ちょん掛け
切り返し
河津掛け
蹴返し
蹴手繰り
三所攻め
渡し込み
二枚蹴り
小股掬い
外小股
大股
褄取り
小褄取り
足取り
裾取り
裾払い
反り手
居反り
撞木反り
掛け反り
襷反り
外襷反り
伝え反り
捻り手
突き落とし
巻き落とし
とったり
逆とったり