コウゾ(楮、栲[4]、学名: Broussonetia × kazinoki)はクワ科コウゾ属(カジノキ属[5])の植物で、ヒメコウゾ(学名: Broussonetia kazinoki)とカジノキ(学名: B. papyrifera)の交雑種である[6]。別名、カゾともよばれる[5]。和紙の原料として栽培されている。
ただし、ヒメコウゾの別名をコウゾとする場合もある。 コウゾは、ヒメコウゾとカジノキの雑種という説が有力視されている[4]。本来、コウゾは繊維を取る目的で栽培されているもので、カジノキは山野に野生するものであるが、野生化したコウゾも多くある[4]。古代においては、コウゾとカジノキは区別していない[4]。 コウゾの標準学名は、Broussonetia × kazinoki で、シノニムは Broussonetia × hanjiana や Broussonetia kazinoki × B. papyrifera とされる。和名と同様に、学名にも混乱が見られ、Broussonetia kazinoki はヒメコウゾの学名であり、命名者がカジノキと間違えて名付けてしまったものである[4]。一方、カジノキの学名は B. papyrifera とされ、紙の原料となる樹木であることに由来して名付けられたものである[4]。 厳密にはコウゾとカジノキは異なるものであり、コウゾに楮の字を用い、カジノキには梶、構、?の字をあてているが、両者の識別は容易ではない。古代では、植物の名前も地方によって呼び名が異なり、混同や混乱が多い。『本草綱目』や『農業全書』でも両者の差は葉に切れ込みがあるものは楮(コウゾ)、ないものは構(=梶、カジノキ)」とするだけで、種別としては「楮」にまとめられている。 「紙麻(かみそ)」と言う語の音便より「こうぞ(かうぞ)」という語が生まれたとする説も存在しているほど、古くから和紙材料として知られており、今日でも和紙の主要原料の楮としている。 コウゾの花言葉は、「過去の思い出」とされる[5]。 落葉広葉樹の低木で[5]、高さ2 - 5メートル (m) で、樹皮は褐色。葉は短柄をもって互生し[5]、葉身は卵形で鋸歯があり、深く2 - 3裂する[6]。葉の裏側は色が薄い[6]。 花期は春から初夏(4 - 6月ごろ)で[5]、葉が出るのと同時に花が咲く[6]。
名称
特徴