森林
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日本・上高地の森林アメリカカリフォルニア州レッドウッド国立公園の森林

森林(しんりん)は、広範囲にわたって樹木が密集している場所である。集団としての樹木だけでなく、そこに存在するそれ以外の生物および土壌を含めた総体を指す。
定義

森林法による定義では、「森林」とは、1.木竹が集団して生育している土地及びその土地の上にある立木竹、2.前号の土地の外、木竹の集団的な生育に供される土地のことをいう。但し、主として農地又は住宅地若しくはこれに準ずる土地として使用される土地及びこれらの上にある立木竹を除くとしている[1]

樹木が密生している植物群落を樹林(じゅりん)という。高木からなる樹林を森林、高木林(こうぼくりん)、低木からなるものを低木林(ていぼくりん)という。

森林、高木林のうち、比較的小規模・低密度のものを林(はやし)、そうでないものを森(もり、杜)とも呼ぶが、明確な区別はない。なお日本語の「林(はやし)」は「生やし」を語源とし[2][3]、「森(もり)」は「盛り」と同語源[4][5] であるという。日本農林水産省は、人工的なもの(人工林)を林、自然にできたもの(自然林)を森と定めているのは語源に沿ったものといえる。

なお、林業分野ではむしろ人工林を指して森林と言うことが多い。また、これも科学的な用語ではないが、の比較的まばらなものを疎林(そりん)、密集したものを密林(みつりん)[注釈 1] という。広域にわたって樹木が繁茂し、高所から見ると海のように見える大きな森林を樹海(じゅかい)という。

国際連合食糧農業機関(FAO)は、森林を「樹冠投影面積が10%以上であり、0.5ヘクタール以上の広さがあり、成木となると5m以上となる樹種の樹林であり、農地等森林以外の目的に使用されていない土地」と定義している[6]。ただしこの定義の場合、低木林は森林に含まれないこととなる[7]
森林の形成

木が並んで生えていても、それを「森」とは言わない。見かけ上、木が並んでいるのが見えず、木のが一面に並んでいるのが見えるのが森である。これは定義としては成立し難いが、ある意味で森の性質を示している。森では外見上、多数の木が一つのまとまりを呈する。外から見えるのは木の葉ばかりである。つまり、表面に木の葉の層ができるので、森の中は暗くなる。したがって、枝葉は森の中では少なくなる。そして、枝葉の層で包まれることによって、森の中は、森の外とは異なった微気候の場となる。おおよそ、最高気温は低く、最低気温は高く、湿度は一定の範囲内に保持された、穏やかな条件を維持する。

森林は、一定の構造をもっている。それを構成する種組成、構造などに関する研究は、森林生態学が担当する。森林の構成の基本は、植物にあると言ってよい。森林を植物が構成するものと見た場合、この植物群落の構成を植生と呼ぶが、それを研究するのは、植物の群集生態学、いわゆる植物社会学、あるいは植生学である。

森林は、それぞれの地域、環境によって一定の形をもつ遷移によって形成され、それなりのいくつかの類型に分けられる。それによって種組成もある程度の決まった組み合わせとなる。

森林のとぎれるところを外から見ると、高い木の側面は見えず、低木蔓草の層によって森の中が見えなくなっているのが普通である。また、その根本には、が生えている範囲がある。前者をマント群落、後者をそで群落と呼ぶ。これらは森への風の出入りをふせぎ、森林の内部を保護するように働いている。
森林の構造

森林には、その型や発達程度にもよるが、ある程度の似かよった構造がある。これを階層構造と言う。森林を外から見たときに目につくのは、一番高いところの、枝葉の折り重なった層である。この層は、森林でもっとも多くの同化組織が集中する場であり、林冠とよばれる。この層を造る木をまとめて、高木層とよぶ。高木層の少し下には、その高さに達しない木が造る層があり、これを亜高木層と言う。この層の木は、高木層に空きができたときに、そこを埋めるように待機しているものを含む。

本州中南部の平地に見られる照葉樹林では、高木層は25m程度、亜高木層は15m程度。その下の、数m程度の高さには低木層があり、高木ののほかに、背が高くならない木が出現する。さらにその下には、シダ植物などがあり、草本層として区別する。さらに、地表に這うようにして存在するものを、コケ層という。

なお、森林の地表面を林床(りんしょう)という。林床に生える植物は、森林に独特のものもあるが、その森の林冠を構成する樹木の苗が出るのが普通である。これがない場合、その森林の樹木構成は、次第に変化するものと考えられる。

日本の照葉樹林の場合、以上のように5層くらいを区別するのが普通であるが、森林の型によっては、さらにそれ以下、あるいはそれ以上を区別する。東南アジア熱帯雨林では、高木層は50mにも達し、さらにそれを超えて伸びる超高木層の木が点々と現れる[8]

また、つる植物や、樹木の上に根を生やしてくっついている着生植物は、亜熱帯熱帯に近いほどよく出現し、熱帯林では、地表の植物をしのぐほどとなる。

森林は単独の樹種のみで形成されることはごく少ない。一般に南北の寒冷な地域では構成樹種が少ないが、一般には複数の樹木から森林は構成される。ほぼ1種の樹木しか見られない場合や、中の1種のみが極めて多い場合もあり、そのような森は純林といわれる。

植生調査はこれらの森林の特徴をもとに行われる。一般にはまず層の構造を見つけ、それぞれの層ごとに、構成樹種やその数、被っている程度などを記録する。
森林の動物

森林には、様々な動物が住み、その種類数は、草原など、他の植物群落の形態よりはるかに多いのが普通である。地上生の動物のあらゆる型のものが、木々の枝の間から土壌にいたる空間に生息する。

大型動物の場合、森林の内部は、樹木の枝や幹、下栄えなどがあって見通しが利かず、また隠れるところが多いから、よほど大きな動物でも姿を隠す場所があり、ほとんどの動物は隠れながら行動する。そのため草原のような大きな群れを作るものは少ない。

森林の土壌は、樹木の落葉を集めて、熱帯以外の地域では厚い層をなす。ここには、落ち葉を分解する菌類細菌と共に、それらを分解する働きをになうもの、それらを喰うものなど、様々な土壌動物が生息し、それらはまとめて分解者と呼ばれる。

また、最近では、林冠部に生息する動物相にも関心がもたれている。特に、熱帯雨林の樹上には、地上から離れたところで豊かな動物相があり、様々な動物が活動していることが知られるようになってきた。
森林と降雨

森林に水源を涵養する機能が存在することはよく知られている。これは、雨水が樹冠や森林下部の下草や落ち葉などに滞留し、その後土壌へと浸透し地下水を形成したり直接地表水として河川に流入するため、河川の流量をある程度一定に保つためである。こうした機能に着目し、特に河川の源流部において水源林として森林が保全・整備されることがある。この考えを推し進め、緑のダムと呼ばれる大規模な水源涵養林によって治水の一端を担わせる構想があるが、森林は流水を遮るものではないので豪雨などには対応できない欠点がある。また、森林の浸透能は自然林・人工林ともに大きな差は見られないものの、人間が適切な管理を怠った人工林においては土壌が荒廃し、浸透能が大幅に落ちるとされる[9]。また、森林は降雨を貯蔵する機能だけでなく、葉の上に落ちた降雨を蒸発によって再び空気に戻したり、葉からの蒸散によって再び大気中に水分を戻すなど、降雨を地上に落ちるのを遮断する役割も持っている[10]。特に樹木の生命活動による蒸散の量は大きく、裸地よりも蒸散の量が大きいために、森林がある場合は地面に流れ込む総水量は裸地よりもむしろ少なくなる。森林の水源涵養機能とは、あくまでも水量の平準化の機能のことである。このため、乾燥地においては森林を伐採して蒸発量を抑え、降雨をすべてダムにため込むことが行われることがある[11]
森林と人類

森林は人類にとって非常に有用な空間である。その利用は、安定した自然環境という間接的な利用と、資源産出地としての直接的な利用とに大別される。森林を扱うための学問分野は林学と呼ばれる。
林業伐採した木をハーベスターで処理する様子

資源産出地として、森林は非常に重要である。森林において樹木を伐採することを産業的には林業と呼び、古来より重要な産業の一つとなっている。

森林で得られる資源で最も重要なものは木材である。木材の利用は、建材パルプをはじめとする工業製品の原料としての用材と、木そのものを燃料として燃やす薪炭材としての利用の2つに大別される。

かつては全世界において、薪炭材としての利用は普遍的であり、森林は最も重要なエネルギー供給源であったが、化石燃料の使用と電力の普及によって、特に先進諸国においては、薪炭材の利用は急速にすたれ、使用は限定的なものになっている。21世紀においていまだ薪炭材としての利用が多いのは、熱帯を中心とする発展途上国である。この利用割合は大きく、2005年時点においても薪炭利用は世界の木材消費のうち47%を占め、途上国での割合はさらに大きい。これは、電力の普及の遅れによって薪炭を燃料とせざるを得ないためである。しかし近年の急速な人口爆発によって薪炭用の需要が急増し、森林破壊の原因の一つとなっている[12]

工業用材の需要も多く、現代においても製材業・木材工業製紙業といった木材を原料とする工業の多くは、原料供給地たる森林地帯、または森林の近くの港湾都市などに工場を建設し生産を行うことが多い。こうした用材の搬出は、古くは河川を利用した筏流しが多用されていた。19世紀以降は搬出用の小規模な森林鉄道が各地に敷設され、より奥地までの開発が可能になったが、20世紀後半に入ると森林鉄道は全廃され、かわりにさらに奥地まで自動車の走行可能な林道が整備されることにより、大型トラックによる搬出が主流となった[13]。また、木材生産を目的として伐採後に再び植林が行われ人工林が育成されることは珍しくなく、とくに先進国においては一般的に行われている。

日本においては、特に第二次世界大戦後に木材需要が爆発的に増加。1950年の段階では、自然育成量を加味しても国内の用材林、薪炭林は、向こう26年間で伐りつくされるといった推計も行われていた[14]。このため生産を目的として大規模な単一樹種の植林が行われたが、輸入材の増大と国内林業の不振によって除草間伐除伐などの十分な手入れの行われていない人工林も多い。

熱帯林は樹種が多種多様であるため用材としての利用は遅れ、商業的な林業はコクタンシタンチークラワンマホガニーといった硬木の高級材を選抜的に伐採するものに限られ、薪炭材としての利用が主であったが、近年では冷帯や温帯における森林資源の減少によって熱帯林の用材としての利用も増加しつつある。これに対し、市場に近い温帯林は最も早く開発が進み、植林によって森林資源を再生させた人工林も大きな割合を占める。冷帯林は冷涼な気候の関係で生育できる樹種が少なく、樹種が揃っている傾向があって伐採や輸送が容易であるうえに軟木が多く工業原料に使用しやすいため、大規模な林業開発がしやすく、用材としての利用が大半を占める[15]

近代化以前は、森林の産業における役割は現代よりさらに大きかった。製鉄業やガラス工業といった、燃料を大量に消費する産業はかならず燃料供給地である大森林地帯に立地していた[16]の生産は日本においてもヨーロッパにおいても森林における最大の産業であり、の生産も地域によっては重要な産業となっていた。さらに、さまざまな木材製品、とくに船舶用の木材は他に代えのきかない素材であり、造船用の木材の確保は初期の森林保護政策の重要な目的のひとつだった。16世紀以降、ヨーロッパでは産業の発展に伴い木材不足が深刻化し、これが森林保護や植林の発展をもたらした。また18世紀イギリスにおいては不足する木材に代わり徐々に石炭が燃料に用いられるようになった。
森林と農村里山の風景。東京都稲城市坂浜

木材・薪炭のほかにも、キノコ山菜果物といった植物食糧、などの工業原料や薬用植物など、森林からとれる林産品は多岐にわたる[17]。植物食糧の採集や、森に生きる動物を狩猟によって獲得するなど、食糧供給源としての役割も小さなものではないが、単一的な食料生産地域として整備されたいわゆるに比べると食料生産効率は落ち、このため農業地域においては森林を伐採して開墾し新しく田畑を開くことが古くからおこなわれており、特に農業地域において森林の面積は狭まる傾向にある。こうした地域においては平地の森林は希少なものとなり、森林の多くは山岳丘陵といった農業に不適な地域にのみ広がっていることが多い。

ただし、熱帯地方においては荒廃した土地に樹木を植栽し、その陰で食用植物などを栽培する混栽が行われることがある。こうした混栽農法が最も用いられているものとしてはカカオがある。カカオは陰樹であり、空閑地にそのまま植栽してもうまく育たないため、まず空閑地にバナナヤムイモまたはキャッサバを植え、急速に成長するバナナによって日陰を作り、ヤムイモやキャッサバによって地面の被覆を行い、そのうえでカカオを植栽することで成長しやすくさせる。10年ほど経過してカカオの木が十分大きくなるとバナナを伐採し、カカオ農園が完成するというこの農法は20世紀前半においてガーナで広く用いられ、同国が世界最大のカカオ生産国となる原動力となった。こうした樹木との混栽農法はアグロフォレストリーと呼ばれ、自然破壊を軽減する農法として注目されている。

また、森林内の下草や落ち葉なども、近代化以前の社会においては肥料として重要なものであり、飼い葉として家畜を養うための飼料ともなった。


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