森林火災
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アメリカモンタナ州2000年8月に発生した山火事 南カリフォルニアの森林火災を捉えた衛星写真2003年10月 陸上自衛隊による空中消火訓練の様子 ドイツの消防士

ポータル 災害

山火事(やまかじ、英語:wildfire)とは、森林で広範囲にわたり発生する火災。森林火災(しんりんかさい)[1]、山林火災(さんりんかさい)、林野火災(りんやかさい)ともいう。
目次

1 原因

1.1 消火


2 主な被害

2.1 罰金と賠償


3 各地域の概況

3.1 北極圏


4 生育のサイクルに山火事が関与する樹種

5 人工山火事

6 創作物における山火事

7 出典

8 関連項目

9 外部リンク

原因

山火事の原因は主に2つに分かれる。1つが自然発火で、火山噴火などが原因となり発生する。まれにだが、枯れ葉同士がで擦れあい、その摩擦で発生する場合や熱波[2]の影響で発生する場合もある。もう1つは人間によるもので、たき火タバコの不始末、放火[3]焼畑農業などが主因である。前者は火事であり、後者は火災である[4]
消火

航空機ヘリコプター消防車による散水の他に、樹木を帯状に伐採して防火帯を形成して自然鎮火を待つといった方法があるが、近年のアメリカ合衆国オーストラリアなどのように、落雷などにより自然に発生した山火事は自然のサイクルの一現象としてとらえ、人命に影響しない限りむやみに消火しないといった方策をとる場合もある。

ロシアには、森林火災が人家などに危害を及ぼさないなど、消火にかかる費用対効果が見られない場合は、火災を監視するだけで消火しなくてもよいとする政令(2014年-)が存在する[5]

大規模な火災を鎮火させることを目的として、ボーイング747Il-76C130ハーキュリーズなどを改造した大型の空中消火機材も存在する[6]。ただし採算性は低く、エバーグリーン・スーパータンカー(ボーイング747改造)のように親会社(エバーグリーン航空)の倒産から運用中止に追い込まれたケースも存在する。
主な被害

山火事は太古の昔から起こっていた現象で、成長しすぎた森林が焼け落ちることで新しい樹木の誕生を促していたと推測されている。しかし人類が火を使用し始めてから、人為的要因によって発生する山火事が増加し、被害を発生させるようになった。人間への被害としては、短期的には延焼により住居財産、生命を失うこと、煙による健康被害。長期的には、森林の公益的機能や生物多様性が失われることにより、水源涵養機能の喪失や土砂流出による洪水被害の拡大、生態系のバランスが崩れ、特定の動物の大量発生が起こりやすくなることなど。

また、極度の乾燥や強風により火災の範囲が拡大することがある。強風の時には火災旋風が発生し、急速なスピードで移動してまれに住宅地を襲うこともある。
罰金と賠償

日本の場合、過失により山火事を発生した場合、森林法第203条第一項違反により罰金(50万円以下)が科せられる可能性があるほか、立木等の被害に対して賠償を求められる場合がある。高知県内の国有林に小型機が墜落、7-8haのスギ林が燃えた例では、所有者の国が搭乗者の遺族に対して4,500万円の損害賠償を求める訴訟を起こした事例がある[7]

アメリカ合衆国の例では、オレゴン州の森林に花火を投げ入れて約194平方キロ以上の森林を焼失させる原因を作った少年に対し、5年間の保護観察と1,920時間の奉仕活動を求める判決が出た。また、山火事を原因とする被害の賠償について、道路管理者鉄道事業者などから11件の申し立てが行われ、約3,700万ドル規模の損害賠償請求が行われた例がある[8]
各地域の概況
日本


総務省消防庁調べによれば、2008年の林野火災は283件。2009年から2013年に発生した林野火災の原因の上位は、たき火、火入れ、放火であり、自然発火によるものは少なく人為的な原因により発生することが多い[9]

消火は、地上から消防車を用いて行うが、現場周辺の道路(林道)の状況によっては消火ははなはだ困難になる。ヘリコプターの出動による消火剤の散布も行われるが、積載量は限られる上、天候や時間帯、ヘリポートからの距離に左右されるため確実性にかける。このため、水嚢(すいのう)を背負った消防団員ら[10]を投入する人海戦術に頼る消火も行われる。

異常乾燥やフェーン現象が拡大を助長させることがある。瀬戸内海の各島では多かれ少なかれ被災経験を持つ。かつては北海道でも山火事が頻発した時代があり、統計のある1886年から1945年の60年間に1,438,682町歩(約150万ha)が焼失[11]。1892年当時の北海道の森林面積が約390万haである[12]ことから、単純計算で森林面積の4割弱が被害を受けていたこととなる。

優良な木材の生産地域で発生した場合、林業及び加工・流通などの関連産業に及ぶ被害額は甚大なものとなる。

対策として防火帯(防火保安林)の設置が行われるほか、道路の斜面緑化には枯れ草を出しにくい常緑性の牧草が採用されることがある。

1971年(昭和46年)、広島県呉市の灰ヶ峰で発生した山火事は、死者17名を出す大惨事となった。これは戦後の林野火災としては最も犠牲者が多く、かつ17名全員が消防署職員であり、最も殉職者を多く出した火事としても記録に残っている。

北米


落雷などによる自然発火のほか、焼畑農業など人為的な原因により発生する。ヘリコプターや航空機による海水や湖水の汲みあげ散布も行われるものの、規模が極めて大きくなりがちであることから集落や道路などの拠点防御が目的となる場合も多い。基本的に自然鎮火を期待することとなる。

ロッキー山脈周辺の山岳地で時に発生し、数週間にわたって続くこともある。

各地で発生する山火事の消火作業を民間の消防会社にアウトソーシングする自治体も多く、複数の企業が参入したが採算性が低いため撤退も多い。

カリフォルニア州では刑務所の受刑者の中で危険度が低い者に消防教育を施した「受刑者消防隊」が山火事発生時に防火帯を築くなどの補助作業を時給1ドルの刑務作業として行うプログラムにより経費を節減している[13]


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