棒高跳
[Wikipedia|▼Menu]

棒高跳(ぼうたかとび)は、陸上競技跳躍競技に属する種目で、ポールの反発力を使って高く跳ぶ能力を競う競技。使用されるポールは長く、しなやかな材質のものが用いられ、同じような跳躍競技である走高跳よりも格段に高い記録が出る。

なお、棒高跳は跳躍競技に含まれるが、走幅跳 (Long Jump)、走高跳 (High Jump) のような「ジャンプ」とは呼ばず、「手で棒を用いて飛び越える」というスタイルから、英語ではPole Vault(ポウル・ボールト)と表記され、競技者も「ジャンパー」ではなく「ボールター」と呼ばれる。

陸上競技における正しい表記は棒高跳であるが、学校教育や新聞記事など陸上競技関係者以外が多く関わる場面では棒高跳びと表記されることもある。

オリンピックでは、男子は1896年の第1回アテネオリンピックから、女子は2000年シドニーオリンピックから正式種目となった。

女子は1993年以降の記録を日本記録として公認している[1]
ルール

大会ごとに設定されたバーの高さに挑戦していき成功した競技者は次の高さに挑戦できる(20cmや10cmの間隔で上がっていくが大会ごとに異なり事前に説明がある)。3回続けて失敗すると競技終了。最後に成功した高さがその競技者の記録となる。

試技をパスして次の高さに進むことができる。ただし、パスした高さは成功とは認められない。

同一記録で複数の競技者が並んだ場合はその高さをより少ない回数でクリアした競技者が上位となり、それも同じ場合は失敗試技の総数が少ない方が上位となる。失敗試技の総数も同じ場合は同順位となる(1位は除く)。

1位記録で複数の競技者が並んだ場合、サドンデス方式の順位決定戦(ジャンプオフ)を行う。1位記録より1段階高い高さからスタートし、成功者が出るまで高さを下げて続行する。同じ高さの同一試技数で複数の競技者が成功した場合、バーの高さを1段階上げて続行する。これを決着がつくまで繰り返す。

競技者が4人以上残っている場合は試技開始の合図があってから1分以内に試技を開始しなければならない。

競技者が残り2?3人になった場合は試技開始の合図があってから3分以内に試技を開始しなければならない。

競技者が残り1人になった場合はバーの高さを1p単位で設定できる。なお、試技は試技開始の合図があってから5分以内に開始しなければならない。

自分のポールを使って良い。私物のポールは所有者の同意がなければ使用できない。

ポールの材質・長さ・太さは任意だが、表面は滑らかでなければならない。

ポールより高く跳んで構わない。

バーを越えずに、体の部分やポールがボックスの垂直面の前方の地面や着地場所に触れた時に、無効試技となる。

(失敗試技による頭からの落下を想定し)ヘルメットを着用しても良い。ただし、着用義務のルールはない(世界的な大会では、トビー・スティーブンソンが有名)。

用器具
ポールテープが巻かれた様々なポール「ポール (陸上競技)」も参照

ルール上、ポールの長さ、太さ、材質などに制限はない。
ポールの材質

初期の頃は木製ポールが使われていたが、弾力性に乏しく記録の大幅な向上は見られなかった。また、木材の耐久性の問題で競技中にポールが折れることが多発し、それによる怪我もつきなかった。

その後、柔軟性を確保できる竹製が普及した。竹が簡単に手に入る日本では1936年ベルリンオリンピックでメダルを獲得した西田修平大江季雄をはじめとするトップレベルの選手を輩出するなど、棒高跳びが盛んになった。1988年ソウルオリンピックまでは、当時の十種競技のトップレベルの選手であるデイリー・トンプソンも竹製を使用していた。

その後も材質の変遷は進み、金属製を経て、現在はガラス繊維強化プラスチック製や炭素繊維強化プラスチック製のポールが使われ、記録も大幅に伸びるようになった。
その他

バー

ボックス

着地マット

助走路

跳躍.mw-parser-output .tmulti .thumbinner{display:flex;flex-direction:column}.mw-parser-output .tmulti .trow{display:flex;flex-direction:row;clear:left;flex-wrap:wrap;width:100%;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{margin:1px;float:left}.mw-parser-output .tmulti .theader{clear:both;font-weight:bold;text-align:center;align-self:center;background-color:transparent;width:100%}.mw-parser-output .tmulti .thumbcaption{background-color:transparent}.mw-parser-output .tmulti .text-align-left{text-align:left}.mw-parser-output .tmulti .text-align-right{text-align:right}.mw-parser-output .tmulti .text-align-center{text-align:center}@media all and (max-width:720px){.mw-parser-output .tmulti .thumbinner{width:100%!important;box-sizing:border-box;max-width:none!important;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow{justify-content:center}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{float:none!important;max-width:100%!important;box-sizing:border-box;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow>.thumbcaption{text-align:center}}バーを飛び越える際の様子
記録
世界歴代10傑

男子 屋外位記録氏名国籍日付
16m24
アルマンド・デュプランティス スウェーデン2024年4月20日
26m14セルゲイ・ブブカ ウクライナ1994年7月31日
36m07KC・ライトフット アメリカ合衆国2023年6月2日
46m06サム・ケンドリクス アメリカ合衆国2019年7月27日
76m05マクシム・タラソフ ロシア1999年6月16日
ドミトリー・マルコフ(英語版) オーストラリア2001年8月9日
ルノー・ラビレニ フランス2015年5月30日
86m04ブラッド・ウォーカー アメリカ合衆国2008年6月8日
106m03オッカート・ブリッツ(英語版) 南アフリカ共和国1995年8月18日
ジェフ・ハートウィグ(英語版) アメリカ合衆国2000年6月14日
チアゴ・ブラス・ダ・シウヴァ(英語版) ブラジル2016年8月15日

男子 室内位記録氏名国籍日付
16m22アルマンド・デュプランティス スウェーデン2023年2月25日
26m16ルノー・ラビレニ フランス2014年2月15日
36m15セルゲイ・ブブカ ウクライナ1993年2月21日
46m06スティーブン・フッカー オーストラリア2009年2月7日
56m05クリストファー・ニルセン アメリカ合衆国2022年3月5日
66m02ロディオン・ガタウリン ソビエト連邦1989年2月4日
ジェフ・ハートウィグ(英語版) アメリカ合衆国2002年3月10日
86m01サム・ケンドリクス アメリカ合衆国2020年2月8日
96m00マクシム・タラソフ ロシア1999年2月5日
ジャン・ガルフィオン フランス1999年3月6日
ダニー・エッカー(英語版) ドイツ2001年2月11日
ショウナシー・バーバー(英語版) カナダ2016年1月15日
ピョートル・リセク(英語版) ポーランド2017年2月4日
センドレ・グトルムセン ノルウェー2023年3月11日

女子 屋外位記録氏名国籍日付
15m06エレーナ・イシンバエワ ロシア2009年8月28日


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:54 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef