棄児
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古代ローマの"Ospedale Santo Spirito"病院チェコ共和国の"BabyBox"

捨て子(すてご。英語:foundling、abandoned child)とは、様々な事情によって、病院、路上、他人の家、宗教施設、児童養護施設あるいは乳児院へ、置き去られた子供を指す。棄児(きじ)ともいう。

日本マスコミでは、差別用語に当たるとして「捨て子」という表現を避け、赤ちゃん置き去りと言うことが多い。尚、英語で捨て子を意味する「foundling」は、直訳すると「発見された者」を意味する。
概要.mw-parser-output .ambox{border:1px solid #a2a9b1;border-left:10px solid #36c;background-color:#fbfbfb;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .ambox+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+link+style+.ambox,.mw-parser-output .ambox+link+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+style+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+link+.ambox{margin-top:-1px}html body.mediawiki .mw-parser-output .ambox.mbox-small-left{margin:4px 1em 4px 0;overflow:hidden;width:238px;border-collapse:collapse;font-size:88%;line-height:1.25em}.mw-parser-output .ambox-speedy{border-left:10px solid #b32424;background-color:#fee7e6}.mw-parser-output .ambox-delete{border-left:10px solid #b32424}.mw-parser-output .ambox-content{border-left:10px solid #f28500}.mw-parser-output .ambox-style{border-left:10px solid #fc3}.mw-parser-output .ambox-move{border-left:10px solid #9932cc}.mw-parser-output .ambox-protection{border-left:10px solid #a2a9b1}.mw-parser-output .ambox .mbox-text{border:none;padding:0.25em 0.5em;width:100%;font-size:90%}.mw-parser-output .ambox .mbox-image{border:none;padding:2px 0 2px 0.5em;text-align:center}.mw-parser-output .ambox .mbox-imageright{border:none;padding:2px 0.5em 2px 0;text-align:center}.mw-parser-output .ambox .mbox-empty-cell{border:none;padding:0;width:1px}.mw-parser-output .ambox .mbox-image-div{width:52px}html.client-js body.skin-minerva .mw-parser-output .mbox-text-span{margin-left:23px!important}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .ambox{margin:0 10%}}

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捨てられた子供は嬰児の頃なら、拾った人間が事実を伏せるといった措置をとれば幾分かは子供の苦しみは無いが、1-3歳などの物心が付き始めた子供は捨てられた事実を認識しているために、精神的なトラウマでPTSDなどの疾患を病み、成人しても引き摺る事がある。

原因として、経済的理由、親や子供の病気、若年妊娠などの意図しない妊娠(英語版)、ひとり親(英語版)、戦争、迷信(双子などの多胎児が不吉や恥とされる文化、捨て子はたくましく育つとされる文化)、子の性別が望むものでなかった場合、事件などで親が投獄・国外追放された場合、親から縁を切られる勘当など様々な要因がある[1][2]
対策

捨てられた子供を助ける悲田院/救貧院 (プアハウス)/孤児院/児童相談所などの施設が、歴史的・全世界的に行われてきた。日本においては、児童福祉法によって、乳児院・児童養護施設へ収容する事となっている。
禁止令

多くの国で、子供を捨てることは違法(どの時代、どの場所でも犯罪となる自然犯(英語版))とされる。日本では、子供を捨てた場合は、保護責任者遺棄罪となる。江戸時代では生類憐れみの令は、捨て子禁止令も含んでいた。
包括的な対策

性教育や避妊についての知識教育で捨て子を減らすことができる[2]。また、人工妊娠中絶を行うことで、捨て子や虐待などの件数が低下する[3][4]

貧困の撲滅、病人・片親への支援などによっても減らすことが可能である[2][5][6]。日本においては、片親などの場合は児童扶養手当の支援を受けられる。

匿名出産(英語版)制度により、出産のリスクの低下、母親へのカウンセリング・経済支援などで多くのメリットが確認され、捨て子となるケースを未然に防ぐことが可能となっている。

ドイツオーストリアなどの国々では、こういった捨てられる両親不明の子供を救う為に2001年から病院の玄関に「赤ちゃんポスト」と呼ばれる、養育が困難になって育てきれなくなった子供、または私生児などをこのポストに入れて病院側に養育を委託するという措置がとられるようになった。これにならって、日本でも熊本市に立地するカトリック系の慈恵病院で、赤ちゃんポストが2007年5月10日に設置された。また特別養子縁組里親制度などの仕組みもあり、行政や支援団体が取り組んでいる。この制度を使えば遺棄されることは無く、子供も家庭の中で人生を歩む事ができる。

パキスタンのテレビ局が、2013年ラマダーン月間中に放送したクイズ番組「ラマダーンの祝福」で、クイズに正解した家族に捨て子が賞品として贈呈された。この番組の男性司会者が、イスラム教に関するクイズを出題し、正解した夫婦2組に捨て子を贈呈、そのうちの1組は結婚14年でいまだ子宝に恵まれていないということで「神様からの贈り物」として喜んでいたが、欧米のメディアはこれに批判を示している[7]
戸籍

出生届の提出が未済と認められる乳幼児の捨て子については、発見者または警察官からの棄児発見報告に基づき、市町村長が棄児発見調書を作成し、戸籍を編製する[8]

本籍地は市役所乳児院児童養護施設などの住所になることが多く、生年月日は推定される年に発見された日を誕生日として設定されることが多い。苗字などについては申し立てた人物や保護者、発見地の町名などから取ったりする。赤ちゃんポストの場合は、新生児への命名は熊本市長が行う。

捨て子が発見されたとき、すでに死亡していた場合でも、上記手続きにより戸籍が編製された後、死亡による除籍という扱いとなる。行旅死亡人としてその旨が官報に公告されることもある。

親が現れるなど、なんらかの事情により身元が判明した場合には、本来の戸籍に復帰することになっている。
救護・養育の歴史

日本での捨て子の最も古い記録は『日本書紀』に、「676年(天武天皇5年)に今年は凶作であったため、子供を売る許可が欲しい」との要請を天武天皇の治世下の朝廷は許可しなかったが、[9] 15年後に「黙認する方針に変更した」と記載されている。


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