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梁軟骨
顎口類における神経頭蓋の発生。図中、trabecula craniiとある一対の棒状軟骨が梁軟骨。
英語trebecula cranii, trabecular cartilage
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梁軟骨(りょうなんこつ:trabecular cartilage、trabecula cranii。もしくは単にtrabecula(複数形trabeculae)、梁柱軟骨とも)は、脊椎動物 顎口類の胚での頭部の形成過程において、骨格の中でももっとも初期に神経堤細胞より発生する棒状の軟骨。発生を経るにつれて伸長し、篩骨や神経頭蓋底など、軟骨頭蓋
の正中部における主要な骨格成分の大部分をつくる。前脳の腹側・下垂体原基の両側方に、左右一対の棒状の、独立した軟骨成分として発生する。発生が進むと左右の梁軟骨の、下垂体よりも前方の部分は伸長して正中で癒合し、交梁軟骨(trabecula communis)を形成。対して後方部は伸長して旁索軟骨(parachordal cartilage)と癒合する。多くのグループではこれが背側に伸長し、眼窩中隔や鼻中隔へと発生する。このようなタイプの頭蓋形成はtropibasicと呼ばれる。対して、背腹軸にほとんど伸長せず横に広がるタイプの頭蓋形成をplatybasicと呼び、哺乳類や両生類はこの形式を採る。
脊椎動物における軟骨形成のほとんどは、脊索からのシグナルに誘導された中胚葉性の体節の分化によるものだが、梁軟骨とそこから発生する頭蓋骨の一部は脊索の前端よりも吻側にあるため[1]こうしたシグナル経路とは無縁であり、しかも中胚葉ではなく神経堤細胞に由来するという点で特殊である。そうした極めて特異な点と脊椎動物の頭部形成に関する重要性から、形態学や比較発生学においてよく注目され、その進化的起源や発生プロセスについてはこれまで様々な説が存在した。現在は頭部神経堤細胞のうち、顎骨弓(第1咽頭弓)のさらに吻側を占める、咽頭弓に寄与しない領域の間葉から発生するとされる。 梁軟骨は1839年、マルティン・ラトケ(Martin Heinrich Rathke 円口類のヤツメウナギでも、胚発生の過程で頭部に一対の棒状の軟骨が観察され、梁軟骨と呼ばれてきた。しかし、1916年には既にゼヴェルツォッフ(Alexej Nikolajevich Sewertzoff)がヤツメウナギの頭蓋底は全て沿軸中胚葉由来であると指摘しており、1948年にはアルフ・ジョネルズ(Alf Johnels
顎前弓仮説
ヤツメウナギの"梁軟骨"