梁石日
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梁 石日(ヤン・ソギル[1]、ヤン・ソクイル[2]、???、1936年8月13日 - )は、日本小説家在日朝鮮人。通名:梁川正雄。
略歴

大阪市猪飼野で生まれる。両親は済州島から大阪市に移住してきた。戦後、一家は蒲鉾製造で成功したが、父はほどなく愛人を作り、妻子を棄てて家を出た。

大阪府立高津高等学校定時制在学中に、内灘闘争に参加。詩人金時鐘から詩の手ほどきを受ける。朝鮮総連系の同人誌「ヂンダレ」に詩を投稿した。その後、靴屋や鉄屑屋、洋服店勤めなどの後、実父から300万円を借り印刷会社を経営するも事業に失敗し、仙台に逃げ、喫茶店の雇われマスターになったが更に借金は増え、やがて上京し新宿に寮のあるタクシー運転手の職に就いた。そんな中、病床にあった実父から家業を継ぐ事を求められたが断り、実父はほどなく全財産を寄付して北朝鮮に渡り現地で病死した。

新宿のスナックで酒を飲みながら、タクシー客とのやりとりを面白おかしく語っていたところ、たまたま聞いていた出版編集者に執筆を勧められて書いた『狂躁曲』(単行本出版時の題名は『タクシー狂躁曲』)でデビュー。同作は1993年崔洋一監督により『月はどっちに出ている』として映画化され、大ヒットする。タクシードライバー時代に2度事故を起こし大怪我を負い退職。物品販売業をしながら執筆を行う。1994年大阪砲兵工廠跡を舞台に在日韓国・朝鮮人の鉄屑窃盗団アパッチ族の暗躍を描いた『夜を賭けて』が直木賞候補になる。同作は2002年劇団・新宿梁山泊の座長・金守珍により山本太郎主演で映画化されている。

1998年、実父をモデルに戦中戦後の強欲、好色、妄執に執りつかれた男の栄光と転落を描いた『血と骨』で第11回山本周五郎賞を受賞、馳星周関口苑生原田芳雄などに絶賛され同作品が再び直木賞候補になる。同作も崔洋一監督によりビートたけし主演で映画化、2004年に公開された。2002年タイを舞台とした幼児の売買春人身売買・臓器売買を描いた『闇の子供たち』を発表。同作は阪本順治監督によって映画化され、2008年に公開されたが、バンコク国際映画祭での上映中止などタイで強い反発を呼んだ。日本でも、ネットなどでノンフィクション映画と宣伝されたことについて反発があった[3]。結局宣伝コピーからノンフィクションの文字は削られた。 (『闇の子供たち』の内容は梁による創作である。闇の子供たち#作品内容のフィクション性参照)。また、柳美里芥川賞受賞作『家族シネマ』の映画化の際には、父親役として出演した。

2008年12月 NHK教育テレビ知るを楽しむ 人生の歩き方(全4回)」で、自らの生い立ちと文学的背景、現代が抱える闇を語った。そのなかで、自作『夏の炎』でモティーフにした、朴大統領暗殺を謀り夫人を射殺した在日同胞の文世光に強い共感を覚えたと発言した。@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}このことは、韓国のマスコミからの攻撃を招き、民団系在日韓国人からも強い批判が生じた。[要出典]
主張

日韓基本条約を批判するなど日本政府の北朝鮮政策を厳しく批判しており、北朝鮮の核兵器開発や拉致問題に対して太陽政策を求めている。

植民地時代における日本の責任が明確にされない中で交渉は遅々として進展しなかった[4]

「本来なら日本の植民地政策に対する責任を明確にし、賠償責任の履行を追求すべきだったところを、逼迫していた韓国経済のてこ入れのために朴正煕政権は経済協力という名のもとに有償三億ドル、無償二億ドルの援助を受け入れた[4]

「経済協力という名目は日本の植民地政策の責任を曖昧にし、歴史を闇に葬り去るのではないかという懸念[4]

「日韓条約が成立することで日本政府は韓国政府を朝鮮における唯一の国家であると認知し、北朝鮮の存在を疎外した[5]

「北朝鮮に暮らしている人々は韓国に暮らしている人々と同じように日本の植民地政策の犠牲になっていたのであり、当然のことながら北朝鮮の人々も日本政府に対して賠償請求権を主張できる[5]

「韓国政府にだけ経済協力という名の賠償を行ったのは片手落ち[5]

「(北朝鮮の国連加盟により)北朝鮮政府の存在が国際的に認知され、日本の外交は国際社会の中で、いまだにかつての植民地問題を解決していないという印象を与え、その負荷を引きずる[5]

関東大震災のとき、『朝鮮人が井戸に毒を投げ入れた』『朝鮮人は放火した』『朝鮮人が強姦した』という何の根拠もない流言飛語がひろがり、軍、警察、一般市民で組織された自警団によって六千数百人の朝鮮人が虐殺された。だがいまもって日本政府は謝罪はおろか何のコメントもしていない[5]

「拉致問題は政治的な次元で語られるようになっている。政治の思惑とナショナリズムの高揚が重なり、力の論理を容認する方向へとシフトしようとしている[6]


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