根岸線
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この項目では、JR東日本の根岸線について説明しています。横浜市営電車の根岸線については「横浜市電」をご覧ください。

根岸線

根岸線を走行するE233系1000番台
(2022年2月 桜木町駅 - 関内駅間)
基本情報
日本
所在地神奈川県横浜市鎌倉市
種類普通鉄道在来線幹線
起点横浜駅
終点大船駅
駅数12駅
電報略号ネキセ[1]
路線記号JK
開業1872年6月12日東海道本線の一部として)
1964年5月19日(桜木町 - 磯子間)
全通1973年4月9日
所有者東日本旅客鉄道(JR東日本)
運営者東日本旅客鉄道(JR東日本)
(全線 第1種鉄道事業者)
日本貨物鉄道(JR貨物)
(桜木町-大船間 第2種鉄道事業者)
車両基地さいたま車両センター鎌倉車両センター、鎌倉車両センター磯子派出所
使用車両車両を参照
路線諸元
路線距離22.1 km
軌間1,067 mm
線路数複線
電化区間全線
電化方式直流1,500 V
架空電車線方式
閉塞方式路線データ参照
保安装置D-ATC(横浜駅 - 桜木町駅間)
D-ATCまたはATS-P(桜木町駅 - 大船駅間)
最高速度95 km/h

路線図


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根岸線(ねぎしせん)は、神奈川県横浜市西区横浜駅から磯子区根岸駅を経て同県鎌倉市大船駅を結ぶ、東日本旅客鉄道(JR東日本)の鉄道路線幹線)である。駅ナンバリングで使われる路線記号はJK。

運行形態は横浜駅 - 東京駅 - 大宮駅間の京浜東北線と一体であり、合わせて京浜東北・根岸線と呼ばれる場合や、根岸線も含めて「京浜東北線」と記載される場合もある。
概要

東海道本線の横浜駅から横浜市中心部と根岸・杉田地区の根岸湾臨海部、さらにベッドタウンとして開発が進められた丘陵地帯の洋光台港南台を結び、再び東海道本線の大船駅に至る横浜市南部の主要鉄道路線として1973年4月に全通した。

旅客輸送に関しては、東京地区の電車特定区間内(E電)の路線のひとつである。それまで沿線区域の公共交通機関として存在した横浜市電を代替し、利便性を大幅に向上させた。横浜駅から大船駅までの所要時間は約30分で、同区間を約15 - 18分で結ぶ東海道線横須賀線のバイパス路線としての役割は小さいが、根岸線は横浜市役所の最寄駅で横浜みなとみらい21の玄関口でもある桜木町駅[注釈 1]神奈川県庁舎の最寄駅である関内駅[注釈 1]を経由しており、横浜市南部や東海道線方面から横浜都心部への通勤・用務客にとっては利便性の高いルートである。

また、根岸線は当初から京浜東北線と一体となっての直通運転が行われ、横浜市南部から東京都心への通勤・通学の主要ルートとして機能している。横浜線との直通電車もあり、同沿線の横浜市北西部や東京都町田市八王子市・神奈川県相模原市等と横浜都心部・南部を結ぶ役割も担っている。現在では全区間がIC乗車カードSuica」の首都圏エリアに含まれている。

横浜駅 - 桜木町駅(初代横浜駅)間が、1872年日本初の鉄道路線として開業したのに対して、磯子駅以西は1970年代の開業で、新杉田駅 - 本郷台駅間は新興住宅地の中を通る。

高架またはトンネルによって曲線の曲率半径は比較的大きめにとられている。全線にわたり踏切は存在しない。
案内・呼称

上記の通り、本路線は京浜東北線と一体した運行を行っているため「京浜東北・根岸線」と案内されることが多く、E233系1000番台(京浜東北線用車両)のLED表示器において、本路線内では下り(南行)電車や根岸線内のみの運行となる電車も含めて「京浜東北・根岸線」と表示され(逆に横浜駅以北の区間は根岸線に直通する南行電車であっても「京浜東北線」単独表示となる)、横浜駅を出発した下り電車の車内自動放送についても京浜東北線区間は終了しているが「この電車は、京浜東北・根岸線 各駅停車 大船行きです。」などと案内される。また、横浜駅発着の定期列車がないため、本路線も含めた大宮 - 大船間で「京浜東北線」とする場合もある[2]

逆に、横浜線直通電車については京浜東北線区間である東神奈川 - 横浜間も含めて「根岸線」の名称が単独で使われ、E233系6000番台(横浜線用車両)のLED表示器においては、東神奈川駅を出発した時点で桜木町駅発着電車も含めて「根岸線」単独表示となる。横浜駅を出発した下り電車の車内自動放送についても磯子駅・大船駅発着電車については「この電車は、根岸線 大船行きです。」などとなる。なお、駅構内の乗場案内は下り大船方面はすべての駅で、上り横浜方面は一部の駅で「■根岸線」と単独で案内され[注釈 2]、東海道線をはじめとする各線における横浜駅到着時の自動放送では京浜東北線と根岸線はそれぞれ案内される。
歴史

横浜駅 - 桜木町駅間は、1872年に開業した日本の鉄道の発祥区間である新橋駅 - 横浜駅(桜木町駅が当時の横浜駅)間の一部で、東海道本線に属していたが、日本鉄道建設公団により仮称桜大線(おうだいせん、ランクは主要幹線〈C線〉[注釈 3])として建設されていた桜木町 - 磯子 - 大船間のうち、桜木町駅 - 磯子駅間が開業した1964年に横浜駅を境に根岸線とされた。その後、1970年洋光台駅1973年大船駅まで全通した。そのため、根岸線のうち桜木町駅 - 大船駅間の鉄道施設は、かつては日本鉄道建設公団およびその業務を承継した鉄道建設・運輸施設整備支援機構(鉄道・運輸機構)が保有しており、国鉄およびJR東日本は貸付料を支払っていた[注釈 4]が、2014年までに貸付料の支払いが終了し、この区間の鉄道施設はJR東日本に有償で譲渡された[3][4]
明治 - 昭和前期

1872年6月12日明治5年5月7日):品川駅 - 横浜駅間が開業。横浜駅(初代、現在の桜木町駅)開業。

1873年(明治6年)9月15日:貨物営業開始。

1887年(明治20年)7月11日:横浜駅 - 程ヶ谷駅(現在の保土ケ谷駅) - 国府津駅間が延伸開業(横浜駅でスイッチバック)。

1898年(明治31年)8月1日神奈川駅 - 程ヶ谷駅間の横浜駅を経由しない短絡線が開業。神奈川駅 - 横浜駅間・程ヶ谷駅 - 横浜駅間が支線となる。

1907年(明治40年)11月1日:区間統合され、神奈川駅 - 横浜駅 - 程ヶ谷駅間に表示変更。

1909年(明治42年)10月12日:線路名称設定により、神奈川駅 - 横浜駅 - 程ヶ谷駅間(4.2M≒6.76km)が東海道本線支線となる。

1914年大正3年)12月20日:神奈川駅 - 横浜駅間に高島町駅が開業。神奈川駅 - 高島町駅間が電化され、京浜線で電車運転開始。

1915年(大正4年)

8月15日:横浜駅(2代目)が開業し、高島町駅は同駅京浜線ホームとなる。支線の起点が神奈川駅から横浜駅に変更(0.7M≒1.13km短縮)。横浜駅(初代)が桜木町駅に改称。桜木町駅 - 程ヶ谷駅間(2.5M≒4.02km)が廃止。

12月30日:横浜駅 - 桜木町駅間が電化され京浜線の運転区間延長。同区間の貨物営業廃止。


1928年昭和3年)10月15日:横浜駅移転(3代目、改キロなし)。この時、横浜駅には京浜線のホームが完成していなかったため、従来線の新・横浜駅東口前に横浜駅に仮ホームを設置し、旧横浜駅京浜線ホームは高島口乗降場として残された。

1930年(昭和5年)

1月26日:新・横浜駅に京浜線ホームを設置、横浜駅 - 桜木町駅間経路変更。高島口乗降場閉鎖。

4月1日:マイル表示からメートル表示に変更(横浜駅 - 桜木町駅間 1.0M→2.0km、このとき横浜駅移転分の営業キロを修正)。


1937年(昭和12年):鉄道敷設法別表に桜木町駅 - 北鎌倉駅間の鉄道路線延長が明記(第52号ノ2)[5]

1951年(昭和26年)4月24日:桜木町駅構内で列車火災事故桜木町事故)が発生。

1956年(昭和31年)10月17日:国鉄根岸線建設並びに磯子・杉田地先埋立に地元漁協が反対、国鉄に陳情[6][7]

1957年(昭和32年)4月3日:桜木町駅 - 大船駅間の「桜大線」が鉄道建設審議会[8]で即時着工線として承認[5][6]

1959年(昭和34年)

1月14日 - 扇町公園[9](横浜市中区)の広場にて根岸線着工修祓式及び祝賀会を挙行[10][11]

5月23日:根岸線の建設工事に着工[6]


昭和後期(根岸線開業)以降
部分開業時

1964年(昭和39年)

5月19日:桜木町駅 - 磯子駅間 (7.5km) が延伸開業[新聞 1][6]。横浜駅 - 桜木町駅 - 磯子駅間が根岸線となる。関内駅・石川町駅・山手駅・根岸駅・磯子駅が開業。

6月1日高島線全通により桜木町駅 - 磯子駅間で貨物営業が開始。


1965年(昭和40年)

2月:根岸湾漁協が、根岸湾埋立記念碑を根岸駅前に建立[6][7]。根岸線建設についても記す。

10月:103系運用開始。


1966年(昭和41年)8月9日:根岸線第2期工事(磯子 - 大船間)が許可[6]

1970年(昭和45年)

3月17日:磯子駅 - 洋光台駅間 (4.6km) 延伸開業[新聞 1][6]。新杉田駅・洋光台駅が開業。

5月20日:新杉田駅 - 洋光台駅間で土砂崩れが発生。103系電車が土砂に乗り上げて脱線、重軽傷者2名、2両が廃車。翌々日に復旧[12]


全通以降

1973年(昭和48年)

4月9日:洋光台駅 - 大船駅間 (8.0km) が延伸開業し全通[新聞 1][13]。港南台駅・本郷台駅が開業。

10月1日:磯子駅 - 大船駅間で貨物営業が開始。


1984年(昭和59年)

1月29日:ATCが導入。

2月1日:磯子駅 - 大船駅間の貨物営業が廃止。


1987年(昭和62年)4月1日:国鉄分割民営化により東日本旅客鉄道が承継。日本貨物鉄道が全線の第二種鉄道事業者となる(磯子駅 - 大船駅間の貨物営業を再開)。


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