核磁気共鳴分光法
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HWB-NMR(イギリス、バーミンガム)に設置されている21.1 Tの磁石を備えた900 MHz NMR装置

核磁気共鳴分光法 (かくじききょうめいぶんこうほう、: nuclear magnetic resonance spectroscopy)は、核磁気共鳴(NMR)を用いて分子の構造や運動状態などの性質を調べる分析方法である。NMR関連の文書では水素原子核の意味でプロトンという言葉がよく使われ、本記事でも多用されている。目次

1 概要

2 分光計

2.1 マグネット

2.1.1 永久磁石

2.1.2 超伝導磁石

2.1.3 クエンチ

2.1.4 ロック

2.1.5 シム


2.2 プローブ

2.2.1 2つのコイル

2.2.2 コイルの種類

2.2.3 クライオプローブ

2.2.4 チューニング


2.3 分光計本体

2.4 コンピュータ

2.5 ソフトウェア

2.5.1 フリーウェア

2.5.2 有料ソフト



3 測定方法

3.1 溶液測定

3.2 固体NMR

3.3 連続波法NMR

3.4 フーリエ変換NMR

3.5 二次元NMR

3.6 パルスシークエンス

3.7 低温NMR


4 NMRスペクトルの解釈

4.1 化学シフト

4.2 遮蔽

4.3 積分値

4.4 スピン結合(カップリング)

4.5 溶媒効果

4.6 核オーバーハウザー効果


5 脚注

6 参考文献

7 関連項目

8 外部リンク

概要 1H NMR スペクトルの例。横軸は化学シフトで表している。

原子番号質量数がともに偶数でない原子核は0でない核スピン量子数Iと磁気双極子モーメントを持ち、その原子は小さな磁石と見なすことができる。磁石に対して静磁場をかけると磁石は磁場ベクトルの周りを一定の周波数歳差運動する。原子核も同様に磁気双極子モーメントが歳差運動を行なう。この原子核の磁気双極子モーメントの歳差運動の周波数はラーモア周波数と呼ばれる。この原子核に対してラーモア周波数と同じ周波数で回転する回転磁場(電磁波)をかけると磁場と原子核の間に共鳴が起こる。この共鳴現象が核磁気共鳴と呼ばれる。

磁場中に置かれた原子核はゼーマン効果によって磁場の強度に比例する、一定のエネルギー差を持った 2I+1個のエネルギー状態をとる。このエネルギー差はちょうど周波数がラーモア周波数の光子の持つエネルギーと一致する。そのため、共鳴時において電磁波の共鳴吸収あるいは放出が起こり、これにより共鳴現象を検知することができる。

被観測原子のラーモア周波数は同位体種と外部静磁場の強さでほぼ決まるが、同一同位体種の原子核でも試料中での各原子の磁気的環境によってわずかに異なり、そこから分子構造などについての情報が得られる。


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