核抑止力
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出典検索?: "核抑止" ? ニュース ・ 書籍 ・ スカラー ・ CiNii ・ J-STAGE ・ NDL ・ dlib.jp ・ ジャパンサーチ ・ TWL(2017年9月)

核抑止(かくよくし)とは、対立する核保有国間において、核兵器による報復の意思と能力を信憑性をもって相手国に伝達し、それを認識させることが、互いに核兵器の使用を意図的に躊躇する状況を作り出し、結果として重大な核戦争または核戦争につながる全面戦争が回避される、という考え方で、核戦略が依拠する理論の一つである。核抑止論とも呼ばれる。
核抑止

核抑止は2つの意味を持つ。当初の意味としては、核保有国と非核保有国の間において、非核保有国が核保有国からの核攻撃を避けようとするため、非核保有国からの侵攻による戦争が抑止されるというものである。もう一つは1960年代以降に確立した、核保有国間において、双方が核兵器の応酬による収拾し難い壊滅的な結果を避けようとするため、自制的となり核の使用が抑止されるというものである。

前者の戦争抑止については、核保有国と非保有国間で成立すると考えられた。これは冷戦初期の、アメリカのみが核保有国であったころに強い支持を受けた。事実、アメリカは核戦力一辺倒に傾倒し、朝鮮戦争においては兵力に不自由するほどの通常戦力の減勢を行った。

しかし、1949年にソ連原爆実験に成功して以降、米ソ両国は核戦争に打ち勝つ(国家を破滅させうるだけの)核戦力の構築に努めたが、米ソ双方の核戦力が相互の国家を破壊できるだけの質と量を整えた1960年代以降は、いかに国家の破滅に至る核使用を躊躇させる軍事的・経済的状況を維持するかにシフトした。この状況においては必ずしも戦争の抑止は目的とされず、また戦術分野に分類される核兵器の使用を否定することにもならない。

1960年代早期警戒衛星の配備で、米ソ両国は相手の核ミサイル発射をより早く的確に察知できるようになった。これにより敵の核ミサイルが着弾する前に報復核攻撃を決断することが可能になった。

相互確証破壊(Mutual Assured Destruction、MAD、1965年)は最も知られた核抑止理論で、ロバート・マクナマラによって発表された。元は確証破壊戦略(Assured Destruction Strategy、1954年)に遡る。米ソの一方が、他方に先制奇襲第一撃を企図しても、生残核戦力による報復第二撃によって、攻撃国に耐え難い損害が生じるため、双方で先制奇襲核攻撃を控えざるを得なくなり、核戦争を抑止するというドクトリンである。

核戦力も通常戦力も、軍事力による戦争抑止と言う意味では手段に過ぎないため、手持ちの戦力をいかに有効に抑止力に転化させるかという観点から、核抑止理論も大量報復戦略(ニュールック戦略、1954年)、柔軟対応戦略(Flexible Responce Strategy、1961年)、損害限定(Damage Limitation、1964年)、相殺戦略(Countervailing Strategy、1980年)、戦略防衛構想(Strategic Defense Initiative, SDI、1983年)など、時代や技術発展を受け変化した。

ソ連崩壊の直後からロシアの政治的・経済的安定が図られた21世紀までの間に、旧ソ連の核関連技術の流出があり、さらにはアメリカ一極化への対抗から中国が支援した事もあり、イランパキスタン北朝鮮における核拡散が発生した。これらは冷戦期の米ソ二極対立における核抑止とは異なる核保有・核兵器使用の動機となるため、別種の対策が必要となる。核抑止理論を使った政策や核戦略については「核戦略」を参照
抑止論

抑止は大きく分けて2つあり、一つは「懲罰的抑止」、もう一つは「拒否的抑止」である。「抑止力」も参照
懲罰的抑止

懲罰的抑止(英: deterrence by punishment)とは、相手国の第一撃後に報復的な反撃を行える非脆弱な第二撃能力を構築することにより、相手国に利得に見合わない耐え難い損害が生じると認識させ、その挑戦の意思を挫く抑止である。そのため、この抑止では核兵器は存在するだけでよく、対価値報復能力の非脆弱性が重要となる。相互確証破壊や「核の傘」は、この懲罰的抑止に該当する。
拒否的抑止

拒否的抑止(英: deterrence by denial)とは、相手国の攻撃能力を無力化する第一撃能力や攻撃を阻止する防衛能力を構築し、相手国に、自国の受ける損害が限定的で目標達成が拒否されると認識させ、その挑戦の意思を挫く抑止である。そのため、核の使用を前提としない懲罰的抑止とは異なり、拒否的抑止では損害を限定して核戦争を遂行し勝利する態勢の構築により、逆説的に相手国の核使用を抑止する。その態勢は、対兵力攻撃能力やミサイル防衛、核シェルターなどから成り立つ。戦略防衛構想は、この拒否的抑止に該当する。
最小限抑止
相互の脆弱性
戦略的安定性
軍備交渉における安定性
危機における安定性
安定・不安定の逆説詳細は「安定・不安定の逆説」を参照
エスカレーションラダー
核抑止が成立しない場合

非核兵器保有国に対してであっても、核を使用した場合には同盟した核兵器保有国からの報復(核の傘)が機能する状況であるとしても、それでもなお核兵器の使用を抑制できない例として、次のケースが考えられる。
非国家主体の核

国家に支援されたテロリストによる核テロリズムは、2000年代のアメリカで最大の脅威だとされた。国家と異なりテロリストには報復核攻撃される都市がないので、テロリストがアメリカや同盟国の都市で核兵器を爆発させることを核戦力で抑止できないというパラドックスである。冷戦期型の懲罰的な核抑止は社会への受け入れ難い損害の脅迫に基づくので、明確な社会を持たない非対称な非国家主体相手には、そのまま適用できない。そのため非国家主体に対しては、通常戦力による精密攻撃や斬首作戦、ヒト・モノ・カネの移動制限による生活基盤の破壊、監視によるテロの未然阻止の取り組みなど、拒否的抑止も含めた多岐にわたる手段で抑止を試みるテーラード抑止が考えられている[1]
敗亡寸前の国家の核

核保有国同士の通常戦力による軍事衝突において、敗亡寸前となった国家が、自暴自棄にあるいは、局面の打開を目的として合理的に核を使用する可能性がある[2]。これは既に軍事的に劣勢で敗亡寸前であるため、失うものがなく懲罰的な脅迫は意味をなさないためである。なお、敗亡寸前の国家であっても、国家体制そのものが保証されるのであれば核使用の可能性は低く、また軍事的に優勢になった国家も、相手国による核使用を恐れて国家体制を転覆するまでの攻勢を思いとどめる可能性が高い。

なおロシアの核ドクトリンでは核使用の条件の一つを、国家が存立の危機に瀕した時、としている[3]
死活的国益を脅かした場合

ある核保有国の死活的国益を犯すような軍事的行動を他国がとった場合、その国家は比例原則を無視して対応する可能性があり、そこには核使用も含まれる[4][5]。これは中国にとっての台湾が知られ、中国は台湾を「核心的利益」だとする声明を繰り返し発表している[6][7]
核抑止への批判と指摘される問題点

国際司法裁判所が1996年に「核兵器による威嚇とその使用は、武力紛争に関する国際法、とりわけ国際人道法に一般的に違反する」と勧告した[要出典]。
詳細は「核兵器の威嚇または使用の合法性国際司法裁判所勧告的意見」を参照

核抑止による平和は、「相手に核攻撃されるかもしれない」という「相互不信」と「恐怖」が両国間に横たわり、互いの社会を人質として脅迫しあった中で保たれるので、本来の平和とは大きく逸脱しているのではないかという指摘[要出典][誰?]。



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