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「クリ」のその他の用法については「クリ (曖昧さ回避)」をご覧ください。

「栗」はこの項目へ転送されています。駆逐艦については「栗 (駆逐艦)」を、字形が似た「粟」については「アワ」をご覧ください。

クリ
受粉に成功した雌花(2008年7月5日、長野県
分類APG III

:植物界 Plantae
階級なし:被子植物 Angiosperms
階級なし:真正双子葉類 Eudicots
階級なし:コア真正双子葉類 Core eudicots
階級なし:バラ類 Rosids
階級なし:真正バラ類I Eurosids I
:ブナ目 Fagales
:ブナ科 Fagaceae
:クリ属 Castanea
:クリ C. crenata

学名
Castanea crenata
Siebold et Zucc. (1846)[1]
シノニム


Castanea crenata Siebold et Zucc. var. kusakuri (Blume) Nakai (1931)[2]

Castanea japonica

Castanea pubinervis

Castanea stricta

英名
Japanese Chestnut
品種


ヤツブサグリ C. c. f. foemina

タンバグリ C. c. f. gigantea

ハゼグリ C. c. f. imperfecta

シダレグリ C. c. f. pendula

ハコグリ C. c. f. pleiocarpa

ハナグリ C. c. f. pulchella

トゲナシグリ C. c. f. sakyacephala

クリ(栗、学名:Castanea crenata)は、ブナ科クリ属落葉高木。クリのうち、各栽培品種原種山野に自生するものは、シバグリ(柴栗)またはヤマグリ(山栗)と呼ばれる、栽培品種はシバグリに比べて果実が大粒である。また、シバグリもごく一部では栽培されている。クリの仲間は日本種、中国種アメリカ種イタリア種があるが、植物分類学上の種としてのクリは、日本種(ニホングリ)のことを指す。
名称

和名「クリ」の語源は諸説あり、食料として古くから栽培され、果実が黒褐色になるので「黒実(くろみ)」になり、これが転訛して「クリ」と呼ばれるようになったという説[3]、樹皮や殻が栗色というところから樹名になったという説[4]、クリとはもともと「小石」という意味の古語で、かたい殻を持つ落ちた実を小石に例えてクリと呼んだという説[4][5]などがある。日本では野生種はヤマグリ(山栗)と呼ばれ、果実が小さいことからシバグリ(柴栗)とも言い[3]、これを改良した園芸種がニホングリ(日本栗)である[6]中国植物名は栗(りつ)[7]。中国のシバグリが、甘栗(天津甘栗)として市販される栗である[3]

英語名のチェストナッツ(Chestnut)は、いがの中の果実がいくつかに分かれている様子から、部屋の意味の Chest から命名されている[4]学名クリ属を表すラテン語のカスタネア(Castanea)は、実の形から樽を意味するカスクに由来する[4]。日本の栗は、学名でカスタネア・クレナータ(Castanea crenata)と呼ばれる種で、クリ属の中でいわゆる日本種の中心をなすものである[4]
分布

日本朝鮮半島南部原産。北海道西南部から本州四国九州屋久島まで、および朝鮮半島に分布する[4][8]暖帯から温帯域に分布し、特に暖帯上部に多産する場合があり、これをクリ帯という。北海道では、石狩低地帯付近まであるが、それより北東部は激減する[4]

日当たりの良い山地丘陵などに自生する[3]。ただし、現在では広く栽培されているため、自然分布との境目が判りにくい場合がある。中華人民共和国東部と台湾でも栽培されている。

世界的には、クリの仲間は北半球の温帯に広く分布しており、日本種(クリ: Castanea crenata)、中国種(シナグリ(中国グリ): Castanea mollissima)、アメリカ種(アメリカグリ: Castanea dentata)、イタリア種(ヨーロッパグリ(西洋グリ): Castanea sativa)などがそれぞれの地方に自生し、栽培されてきている[4]
形態・生態

落葉高木で、高さ15メートル (m) [3]の直径は80センチメートル (cm) 、あるいはそれ以上になる[9]樹皮は暗灰褐色で厚く、老木の樹皮は縦長に深くて長い裂け目を生じる[9][10]。一年枝は赤褐色で、無毛か少し毛が残る[10]

は短い葉柄がついて互生し、葉身の長さ8 - 15 cm、幅3 - 4 cmの長楕円形か長楕円状披針形で、先端は鋭く尖り、基部は円形からハート形をしており[9]、やや薄くてぱりぱりしている。葉の表は濃い緑色でつやがあり、裏はやや色が薄くて細かい毛で覆われ、淡黄色の腺点が多数ある[9][11]。葉縁には鋭く突き出した小さな鋸歯が並ぶ[9]。葉は全体にクヌギによく似ているが、鋸歯の先端部はクヌギほど長く伸びない[11][12]。秋に実が熟すころには、葉も紅葉して色づき始め、黄色や黄褐色に変化して散っていく[5]。地上に落ちた葉は褐色となって、樹下の林床を覆う[5]

雌雄同株、雌雄異花で、6月を前後する頃に開花する[8][9]花序は長さ10 - 20 cmの紐のような状で、斜めに立ち上がりながら先は垂れ、全体にクリーム色を帯びた白色である[9][13]


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