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「こけら」と読む「?」とは異なります。
カキノキ
柿の実(カキノキの果実)
分類
カキノキ(柿の木[2]、学名:Diospyros kaki)は、カキノキ科 (Ebenaceae) カキノキ属[3] の1種の落葉小高木である。東アジア原産[3] の同地域固有種。日本や韓国、中国に多くの在来品種があり[3]、特に中国・長江流域に自生している。
熟した果実(柿)は食用とされ、日本では果樹として、北海道以外で広く栽培されている[3]。果実はビタミン類や食物繊維を多く含むことから、現代では東アジア以外の地域でも栽培・消費されている。ヨーロッパ産(2018年時点で54万トン)ではスペインが9割を占め、中国に次ぐ世界第2位の生産国である[4]。
幹は家具材として用いられる。葉は茶の代わり(茶外茶)として加工され飲まれることがある。果実はタンニンを多く含み、柿渋は防腐剤として用いられる。現在では世界中の温暖な地域(渋柿は寒冷地)で栽培されている。 学術上の植物名はカキノキ、果実はカキ、あるいは一般的に両方を含めてカキ(柿)と呼んでいる[5]。野生状のカキノキは、「ヤマガキ」(学名: Diospyros kaki var. sylvestris[6])ともよばれている[7]。 和名カキノキの語源は、赤木(あかき)、暁(あかつき)の略語説、あるいは「輝き」の転訛説など諸説あるが、正確にははっきりしない[8]。一説には、赤色に熟した実から「赤き実がなる木」が転訛したものともいわれている[9]。原産である中国の植物名(漢名)は柿(し)である[10]。学名は、ディオスピロス・カキ(Diospyros kaki)といい[11]、日本から1789年にヨーロッパへ、1870年に北アメリカへ伝わったことから、学名にも和名の発音と同じ kaki の名が使われている。果実は日本で食用として親しまれた果物で、英語でもカキ・フルーツ(kaki fruit)、ドイツ語やフランス語など英語圏外の大抵の地域でもカキ(kaki)の名で通っている[11][5][12]。 英語で柿を表すパーシモン(persimmon)の語源は、アメリカ合衆国東部の先住民(インディアン)の言語であるポウハタン語
名称
近年、欧米ではイスラエル産の柿である「シャロン・フルーツ」(sharon fruit) が流通しており、この名で呼ばれることも多い。これは当地のシャロン平野に因む名である。
学名の属名 Diospyros は、ギリシャ語で「神の食べ物」を意味する[要出典]。 東アジアの日本・中国の揚子江沿岸の原産といわれている[10][8][12]。日本特産で、日本で果樹として改良され[10][8]、営農作物としては北海道を除いた青森県以南の本州・四国・九州までの各地で栽培されている[13][11]。北海道では伊達市に柿並木があって、札幌市でも育つことが確認されている
分布・生育地
16世紀にポルトガル人によりヨーロッパに渡り、その後アメリカ大陸にも広まった。現在、世界各地で栽培されているカキノキの品種の多くは甘柿であるが、原産地である東アジア地域では未だに渋柿も栽培されている。日本では昔から人里の民家近くに植えられていることが多く、よく手入れが行き届いて実もよくなることもあって、俗に「柿の木は竈(かまど)の煙の当たるところを好む」「根元を踏むと実がよくなる」などと言われている[16]。 落葉の小高木で、高さは4 - 10メートルになる[13][7]。一年目の若枝には毛があり、基部には前年の芽鱗が残る[13][17]。樹皮は灰褐色で、網目状に裂ける[15][17]。枝は人の手が加えられないまま放って置かれると、自重で折れてしまうこともあり、折れやすい木として認知されている。葉は互生し[15]、長さ8 - 15センチメートルの楕円形から卵形をしていて先が尖り、表面にややつやがある[18]。葉縁に鋸歯はない[13]。
形態・生態