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カキノキ
柿の実(カキノキの果実)
分類

:植物界 Plantae
階級なし:被子植物 angiosperms
階級なし:真正双子葉類 eudicots
階級なし:コア真正双子葉類 Core eudicots
階級なし:キク類 asterids
:ツツジ目 Ericales
:カキノキ科 Ebenaceae
:カキノキ属 Diospyros
:カキノキ D. kaki

学名
Diospyros kaki
Thunb.
和名
カキノキ
英名
Kaki Persimmon
Persimmon

カキノキ(柿の木、学名:Diospyros kaki Thunb.)は、カキノキ (Ebenaceae) カキノキ属[1] の1種の落葉樹である。東アジア原産[1] の同地域固有種日本韓国中国に多くの在来品種があり[1]、特に中国・長江流域に自生している。

熟した果実(柿)は食用とされ、日本では果樹として、北海道以外で広く栽培されている[1]。果実はビタミン類食物繊維を多く含むことから、現代では東アジア以外の地域でも栽培・消費されている。ヨーロッパ産(2018年時点で54万トン)ではスペインが9割を占め、中国に次ぐ世界第2位の生産国である[2]

幹は家具材として用いられる。葉はの代わり(茶外茶)として加工され飲まれることがある。果実はタンニンを多く含み、柿渋は防腐剤として用いられる。現在では世界中の温暖な地域(渋柿は寒冷地)で栽培されている。
名称[ソースを編集]

学術上の植物名はカキノキ、果実はカキ、あるいは一般的に両方を含めてカキ(柿)と呼んでいる[3]。野生状のカキノキは、「ヤマガキ」とも呼ばれている[4]

和名カキノキの語源は、赤木(あかき)、暁(あかつき)の略語説、あるいは「輝き」の転訛説など諸説あるが、正確にははっきりしない[5]。原産である中国の植物名(漢名)は柿(し)である[6]学名は、ディオスピロス・カキ(Diospyros kaki)といい[7]、日本から1789年ヨーロッパへ、1870年北アメリカへ伝わったことから、学名にも和名の発音と同じ kaki の名が使われている。果実は日本で食用として親しまれた果物で、英語でもカキ・フルーツ(kaki fruit)、ドイツ語フランス語など英語圏外の大抵の地域でもカキ(kaki)の名で通っている[7][3]

英語で柿を表すパーシモン(persimmon)の語源は、アメリカ合衆国東部の先住民インディアン)の言語であるポウハタン語で「干し果物」を意味する名詞「ペッサミン」(putchamin, pasiminan, pessamin) であり、先住民がアメリカガキ Diospyros virginiana の実を干して保存食としていたことに基づく。

近年、欧米ではイスラエル産の柿である「シャロン・フルーツ」(sharon fruit) が流通しており、この名で呼ばれることも多い。これは当地のシャロン平野に因む名である。
分布・生育地[ソースを編集]

東アジア・中国揚子江沿岸の原産といわれている[6][5]。日本特産で、日本で果樹として改良され[6][5]、北海道を除いた青森県以南の本州四国九州までの各地で栽培されている[8][7]。日本国外では、中国、朝鮮半島済州島に分布する[9][10]。暖地には野性があり、ヤマガキとよんでいる[8]。カキノキは、野生種のヤマガキから作出されたという説と、古来から在来種として存在したという説とがある[7]

16世紀にポルトガル人によりヨーロッパに渡り、その後アメリカ大陸にも広まった。現在、世界各地で栽培されているカキノキの品種の多くは甘柿であるが、原産地である東アジア地域では未だに渋柿も栽培されている。日本では昔から人里の民家近くに植えられていることが多く、よく手入れが行き届いて実もよくなることもあって、俗に「柿の木は竈(かまど)の煙の当たるところを好む」「根元を踏むと実がよくなる」などと言われている[11]
形態・生態[ソースを編集]

落葉の小高木で、高さは4 - 10メートルになる[8][4]。一年目の若枝には毛があり、基部には前年の芽鱗が残る[8][12]樹皮は灰褐色で、網目状に裂ける[10][12]。枝は人の手が加えられないまま放って置かれると、自重で折れてしまうこともあり、折れやすい木として認知されている。互生[10]、長さ8 - 15センチメートルの楕円形から卵形をしていて先が尖り、表面にややつやがある[13]葉縁鋸歯はない[8]葉柄は長さ1センチメートル前後で、太くて短い[4]

花期は初夏(5 - 6月)[10]。本年生枝の基部近くの葉腋がつく[8]花弁は白色から淡黄色で4枚ある[3]雌雄同株であり、雌雄雑居性で雌花は点々と離れて1か所に1つ黄白色のものが咲き、柱頭が4つに分かれた雌しべがあり、周辺には痕跡的な雄蕊がある。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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