柴田元幸
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柴田 元幸人物情報
生誕 (1954-07-11)
1954年7月11日(69歳)
日本東京都大田区
出身校東京大学
イェール大学
学問
研究分野アメリカ文学
影響を与えた人物都甲幸治
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柴田 元幸(しばた もとゆき、1954年昭和29年)7月11日 - )は、日本アメリカ文学研究者翻訳家東京大学名誉教授。

ポール・オースターチャールズ・ブコウスキースティーヴ・エリクソンスティーヴン・ミルハウザーリチャード・パワーズなど現代アメリカ文学、特にポストモダン文学の翻訳を数多く行っている。彼の翻訳した本は注目を集めるため、レベッカ・ブラウンなどは本国アメリカよりも日本での方が人気が高い[1]
略歴

東京都大田区出身。大田区立仲六郷小学校卒業[2]大田区立志茂田中学校卒業[2]東京都立日比谷高等学校卒業。1979年東京大学文学部英文科卒業。1984年同大学院人文科学研究科博士課程単位取得満期退学。1985年イェール大学大学院修士課程修了。

1984年東京学芸大学教育学部専任講師、1987年助教授、1988年東京大学教養学部助教授、1997年東京大学大学院総合文化研究科助教授、1999年東京大学人文社会系研究科英語英米文学専攻助教授、2004年同教授。2007年現代文芸論研究室に異動。2014年同大学を退任し名誉教授。須賀敦子翻訳賞日本翻訳大賞の選考委員を務める。神戸市外国語大学客員教授[3]
業績

1995年、ポール・オースター『ムーン・パレス』でBABEL国際翻訳大賞日本翻訳大賞(主催:「翻訳の世界」(バベル・プレス))を受賞[4]2005年、『アメリカン・ナルシス』(東京大学出版会)で、サントリー学芸賞を受賞。2006年、初の小説集『バレンタイン』を新書館より発行。2007年には東京大学現代文芸論研究室を沼野充義とともに創設。同2007年、『ふつうに学校にいくふつうの日』で第11回日本絵本賞翻訳絵本賞を受賞。2010年、『メイスン&ディクスン』(上・下)で第47回日本翻訳文化賞を受賞。2017年早稲田大学坪内逍遙大賞受賞。

また自身も文学や翻訳を題材にしたエッセイを執筆しており、『生半可な学者』で1992年、講談社エッセイ賞を受賞している。

雑誌の『鳩よ!』(2001年8月号)、『Coyote』(No.26)、『文藝』(2009年春季号)が柴田元幸の特集を組んだこともある。歌手の小沢健二は柴田ゼミ出身。弟子として都甲幸治小山太一らがいる。

自身の責任編集による文芸雑誌『モンキービジネス』(ヴィレッジブックス2008年 - 2011年)、『MONKEY』(スイッチ・パブリッシング2013年 - )を創刊し、現代アメリカ文学の紹介に務めている[注 1]。柴田が責任編集を務める文芸誌『MONKEY』は2020年10月、英語版を創刊した。[5]
村上春樹との関係

小説家の村上春樹が1986年にジョン・アーヴィングの『熊を放つ』を翻訳する際、柴田、畑中佳樹上岡伸雄斎藤英治武藤康史の5人でチームを組んでバックアップをした[6][注 2]。ここから村上との親交が始まる。1987年7月刊行のポール・セローの『ワールズ・エンド(世界の果て)』からは、村上の訳文をひとりでチェックするようになった[8]

村上との共著に『翻訳夜話』、『翻訳夜話2 サリンジャー戦記』、『本当の翻訳の話をしよう』がある。また、CDブック村上春樹ハイブ・リット』(アルク、2008年11月)の総合監修を務めた。
著書
単著

『生半可な学者』(
白水社) 1992、のち白水Uブックス

『愛の見切り発車』(新潮社) 1997、のち新潮文庫

『死んでいるかしら』(新書館) 1997、のち日経文芸文庫

『舶来文学柴田商店』(新書館) 1997

『生半可版英米小説演習』(研究社出版) 1998、のち朝日文庫

『アメリカ文学のレッスン』(講談社現代新書) 2000

『猿を探しに』(新書館) 2000

『アメリカン・ナルシス メルヴィルからミルハウザーまで』(東京大学出版会) 2005

『バレンタイン』(新書館) 2006

翻訳教室』(新書館) 2006、のち朝日文庫 

『つまみぐい文学食堂』(角川書店) 2006、のち角川文庫 

『それは私です』(新書館) 2008

代表質問 16のインタビュー』(新書館) 2009、のち朝日文庫

『ケンブリッジ・サーカス』(スイッチパブリッシング) 2010、のち新潮文庫 2018

『現代語訳でよむ日本の憲法』(木村草太 法律用語監修、アルク) 2015

『柴田元幸ベスト・エッセイ』(ちくま文庫) 2018

『英文精読教室』(研究社)全6巻 2021-2022

共著

『佐藤君と柴田君』(
佐藤良明共著、白水社) 1995、のち新潮文庫

『英語7』(佐藤良明共著、放送大学教材) 1997

翻訳夜話』(村上春樹共著、文春新書) 2000

翻訳夜話2 サリンジャー戦記』(村上春樹共著、文春新書) 2003

ナイン・インタビューズ 柴田元幸と9人の作家たち』(アルク) 2004

『200X年文学の旅』(沼野充義共著、作品社) 2005

『世界は村上春樹をどう読むか』(沼野充義,藤井省三,四方田犬彦共著、文藝春秋) 2006、文春文庫 2009 


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