架空電車線方式
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饋電線とツインシンプルカテナリー式架線
千葉駅ホーム栃木県宇都宮市で進む宇都宮ライトレールの架線工事の様子

架空電車線方式 (かくうでんしゃせんほうしき、がくうでんしゃせんほうしき、英語: Overhead lines)とは、電気鉄道集電方式の1つである。車両が通る空間の上部に架線(かせん[注 1])を張り、ここからパンタグラフなどの集電装置によって集電する方式である。架線集電方式ともいい、架線はトロリー線、電車線などと呼ばれる。

トロリーバスは架空電車線方式、鉄道では架空電車線方式と第三軌条方式が殆どである。
概要架線の構造(展示物)

基本的な構造としては、鉄道車両などの集電装置(パンタグラフ)と接触して電力を供給するためのトロリ線、それを吊し又は支持するためのハンガイヤー・ドロッパ・吊架線・懸垂碍子、トロリ線の横方向の固定を行う振止金具と曲線引き金具、それらを支持する電柱・ビーム・ブラケットなどの支持物で構成されている。直流電化区間では、確実な送電のために、変電所から「饋電線(きでんせん)」が架線に沿って敷設され、標準で250 m ごとに饋電分岐装置(フィードイヤー)によりトロリ線に接続される。トロリ線を吊り下げる方式のため、トロリ線の重量により弛みが生じ、支持間隔が長く、重量が重く、張力が低いほど、その弛みが大きくなる。車両の速度が低い場合には、トロリ線の弛みが多少大きくても、集電装置のトロリ線に対する追随性には問題ないが、車両の速度が高い場合には、集電装置(パンタグラフ)の上下動が激しくなって、トロリ線から離線するなどの障害を起こしやすくなる。そのため、架線には適切な張力を与える必要がある。

集電装置がトロリ線を通過する時には、トロリ線は押上げられ、通過後は自由振動を起こした後に振動は減衰していく。架線には押上げばね定数があり、架線を支持する支持点では大きく、支持点の間の中間付近での径間中央では小さいため、集電装置が通過する際には、支持点では架線の押上がり量が小さく、径間中央では押上がり量が大きい、そのため、集電装置は上下変動を繰り返しながら進んでいくようになる。

材質には、饋電線には硬銅より線・硬アルミより線が使用される。トロリ線には主に硬銅トロリ線が使用されるが、耐熱性を上げた入り銅トロリ線、新幹線の高速区間用として、銅に心を入れたCSトロリ線、耐摩耗性に優れた入り銅・析出強化銅合金 (PHC) トロリ線がある。吊架線には一般には亜鉛メッキ鋼より線が使用されているが、饋電吊架式とCSトロリ線を使用してのシンプルカテナリー方式(後述)では、硬銅より線が使用されている。トロリ線の断面形状には、形円形・溝形円形・異形などがあるが、日本では溝形円形が使用されている。断面積は、在来線本線用が110 mm2、在来線の側線用が85 mm2、新幹線用は170 mm2が使用されており、引っ張り強さに対する安全係数は硬銅トロリ線で2.2、CSトロリ線で2.5としている。また、トロリ線には、流れる負荷電流抵抗損、集電装置の摺板の接触抵抗停車中に列車補機類の使用により流れる補機電流により、温度が上昇するため、許容温度が定められており、トロリ線で90 、ほかの裸電線で100 ℃としている。

架線は集電装置の摺板の磨耗が偏らないよう、摺板に対して横方向に蛇行して張られており[注 2]、それによるレール中心に対する架線の左右の片寄りを偏位と言う。実際には、直線区間では振止金具を、曲線区間では曲線引き金具を使用して、トロリ線とビーム・ブラケットの間に取付けることにより、トロリ線に左右の偏位をつけさせるとともに架線を保持させる。また、集電装置の摺板の摩擦でトロリ線も磨耗するため、トロリ線の使用限度が決められている。電圧が高い交流電化区間では、直流電化区間より架線を支持する懸垂碍子の個数や可動ブラケットと電柱の間に取付けられている長幹碍子の段数が増やされる。

また架線の望ましい条件として次のことが挙げられる。

自重に加え強風による横荷重や積雪結氷の付着による垂直荷重に耐えられる。

一様の同程度のたわみ性があり硬点がない。

パンタグラフによる押上がり量が小さく車両への給電が円滑である。

支持物の構造が簡素で信頼性と耐久性が高い。

建設が軽減できて保守もしやすい。

架線のトロリ線までの高さは、軌道上面から5,100mmを標準として、在来線の場合最低4,400mmから最高5,400mm、新幹線の場合最低4,800mmから最高5,300mmとしているが、狭いトンネル内(狭小建築限界トンネル、剛体架線の区間、ミニ地下鉄)ではこれよりも低くなることがある。また、桜木町事故以降、架線の断線による列車火災を防止するため、折りたたんだ集電装置と架線との距離を直流1500Vの場合は250 mm 以上(ミニ地下鉄では150 mm)とすることや、車両の屋根を絶縁体で覆うことが決められている。また、トロリ線の偏位は、曲線での架線の偏位なども関連して、軌道中心から左右で最大250 mm(新幹線は300 mm)としている。また、集電装置とトロリ線の間の高低差は、少ないのが望ましく、高低差を架線の支持点間隔で割った値において、本線では3/1000以下とし、側線では15/1000以下にとなるようにしている。

架線を支持する電柱には、木柱・コンクリート柱・鉄柱(組合柱、鋼管柱、H鋼柱)などがあり、電柱の設置間隔は50m程度であるが、曲線区間などでは短縮される。

懸垂碍子・吊架線・トロリ線を吊し又は支持するものには、2本以上の柱で固定するビーム式と1本の電柱に直接取付けるブラケット式がある。ビームとして固定ビーム(Vトラス、カゴ型、鋼管、クロス など)・スパン線ビームなどがある。ブラケット式で、柱に付けた金具を中心に自由に回転して、架線の移動に追随できる構造のものが可動ブラケット。追従して動かないものを固定ブラケットという。

柱に付けた金具を中心に自由に回転して、架線の移動に追随できる構造のものが可動ブラケットである。

線路が交差するポイント箇所では、架線も交差させる必要があり、2つのカテナリー吊架式の架線が交差する場合では、2つの交差するトロリ線相互の位置関係を保持するために、トロリ線の交差部に交差金具を取り付けて機械的に接続され吊架線の交差部に巻付グリップなどの保護部材が巻かれるほか、交差する吊架線同士と吊架線とトロリ線の間にコネクタ、交差するトロリ線同士に交差用のフィードイヤーが取付けられて電気的に接続される。これらは交差式わたり線装置と呼ばれており、交差金具はトロリ線で機械的に接続するもので一段式と二段式があり、前者は在来線(普通鉄道)で使用され、後者は新幹線で使用されている。また、交差式わたり線装置は、本線を通過する列車のパンタグラフに対して硬点となるため、本線用のトロリ線と側線用のトロリ線とが交差しない無交差式わたり線装置が開発されており一部の新幹線に使用されている。

架線(電化区間)の終端には架線終端標識が設置される。
分類

電化柱等からの吊架方式により、以下の分類がある。
直接吊架式(直吊架線方式)路面電車用直接吊架式
札幌市電山鼻線・直流600 V鉄道線用直接吊架式
逆Y線吊り85 km/h対応
JR東日本越後線直流1,500 V

吊架線を設けず、トロリ線のみを直接吊したもの。費用が安くて済むが、列車速度は50 km/h程度以下に制限される。「逆Y線」の追加で離線しにくい構造にした場合には、85 km/h 以下に引き上げられる。路面電車トロリーバスといった路面交通で一般的に使用されているほか、鉄道線であってもコストダウンのため、運転密度最高運転速度の低い閑散線区で採用される例がある。日本では、弥彦線越後線和歌山線境線のそれぞれ一部区間、土讃線の電化区間など、日本国有鉄道末期に電化されたローカル線や、銚子電気鉄道線にその例がある。


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