林芙美子
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実業家、政治家の「林文子」とは別人です。

林 芙美子
(はやし ふみこ)
『花のいのち 小説・林芙美子』(1958年)より
誕生林フミ子
1903年12月31日
日本山口県下関市福岡県門司市
死没 (1951-06-28) 1951年6月28日(47歳没)
日本東京都新宿区下落合
墓地萬昌院功運寺
職業小説家
言語日本語
国籍 日本
最終学歴尾道市立高等女学校
活動期間1928年 - 1951年
ジャンル小説随筆
代表作『蒼馬を見たり』(1929年、詩集)
放浪記』(1928年 - 1930年)
『風琴と魚の町』(1931年)
『清貧の書』(1933年)
『晩菊』(1948年)
浮雲』(1951年)
めし』(1951年)
主な受賞歴女流文学者賞(1948年)
デビュー作『放浪記
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林 芙美子(はやし ふみこ、1903年明治36年〉12月31日 - 1951年昭和26年〉6月28日)は、日本小説家[1][2][3][4]。本名フミコ[5]。身長140cm少々[6]

幼少期からの不遇の半生を綴った自伝的小説『放浪記』(1928年)で一躍人気作家となる[1][2][5][7][8]。詩情豊かな文体で、暗い現実をリアルに描写する作風[5][9]。一貫して庶民の生活を共感をこめて描き[1][2]、流行作家として明治大正昭和を駆け抜けた[3]。作品に『風琴と魚の町』(1931年)、『晩菊』(1948年)、『浮雲』(1951年)などがある[1][5]
人物

著書『放浪記1 林芙美子文庫』のあとがきでは山口県下関市生まれ[4]。尾道市立高等女学校(現・広島県立尾道東高等学校)卒[5][6]。複雑な生い立ち、様々な職業を経験した後[6]、『放浪記』がベストセラーとなり、詩集『蒼馬を見たり』や、『風琴と魚の町』『清貧の書』などの自伝的作品で文名を高めた[9]。その後、『牡蠣』などの客観小説に転じ、戦中は大陸や南方に従軍して短編を書き継いだ。戦後、新聞小説で成功を収め、短編『晩菊』や長編『浮雲』『めし』(絶筆)などを旺盛に発表[9]。貧しい現実を描写しながらも、夢や明るさを失わない独特の作風で人気を得たが、心臓麻痺により急逝[2]

その生涯は、「文壇に登場したころは『貧乏を売り物にする素人小説家』、その次は『たった半年間のパリ滞在を売り物にする成り上がり小説家』、そして、日中戦争から太平洋戦争にかけては『軍国主義を太鼓と笛で囃し立てた政府お抱え小説家』など、いつも批判の的になってきました。しかし、戦後の六年間はちがいました。それは、戦さに打ちのめされた、わたしたち普通の日本人の悲しみを、ただひたすらに書きつづけた六年間でした」[10]と言われるように波瀾万丈だった[6]
生涯
生誕地

当人は、生まれは下関と言い、生年は明治37年、誕生日は5月5日などとも書いて語っていたが、没後20年余り経って、誕生の地は門司市小森江(現、北九州市門司区)との説が発表された[3][4][11][12][13]。(ただし出生届は叔父の家の現・鹿児島市に明治36年12月31日誕生として翌1月に出ている[4][14])。

実父は宮田麻太郎、母はキク。麻太郎が認知しなかったので、娘は『林フミ子』として、母方の叔父の戸籍に入った。
九州各地を行商

麻太郎は下関で競り売りやテキ屋をやって当て、1907年若松市(現・北九州市若松区)へ移って繁盛したが、浮気して、母子は1910年、番頭の沢井喜三郎と家を出た[5][15]。養父と母は北九州の炭坑町を行商して回り、芙美子の小学校は長崎佐世保・下関と変わった[5][4]。喜三郎は下関で古着屋を営んで小康を得たが1914年倒産し、11歳の芙美子は本籍地の鹿児島に預けられたのち、旅商いの両親に付いて山陽地方木賃宿を転々した[6]

1914(大正3年)年10月(11歳)、石炭産業で栄えていた現在の福岡県直方市に移り住む[6]。『放浪記』の冒頭で、直方での日々を赤裸々に記している。<砂で漉した鉄分の多い水で舌がよれるような町であった><門司のように活気あふれる街でもない。><長崎のように美しい街でもない。><佐世保のように女のひとが美しい町でもなかった>
尾道へ

1916年(大正5年)(13歳)、3人は広島県尾道駅に降り立ち、海運の要衝として栄えた活気ある尾道に落ち着く[2][3][11]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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