本記事の死刑囚・林眞須美は、実名で著書を出版しており、削除の方針ケースB-2の「削除されず、伝統的に認められている例」に該当するため、実名を掲載しています。
和歌山毒物カレー事件
和歌山毒物カレー事件(わかやまどくぶつカレーじけん)とは、1998年(平成10年)7月25日に日本の和歌山県和歌山市園部で発生した毒物混入・無差別殺傷事件で、和歌山カレー事件とも呼ばれることがある[8]。事件の被告人として起訴された林 眞須美(はやし ますみ)は2009年(平成21年)5月19日に死刑が確定した[9][10]。一方で冤罪疑惑がしばしば指摘されており(後述)、2024年2月時点で再審請求が和歌山地裁により受理されている[11]。 本事件は、1998年(平成10年)7月25日夕方に和歌山県和歌山市園部地区で開催された夏祭り[注 1]において、提供されたカレーライスに毒物が混入されていたことから、67人が急性ヒ素中毒となり、うち4人が死亡した毒物混入・無差別殺傷事件である[注 2][15]。 現場の近所に住んでいた主婦の眞須美が被疑者として逮捕され、カレー毒物混入事件・保険金殺人未遂事件・保険金詐欺事件の合計9件で起訴された[4]。被告人となった林 眞須美(以下「眞須美」と言う)は刑事裁判で無罪を訴えたが、第一審の和歌山地裁で死刑判決を受け[16]、控訴・上告も棄却されたため[17][18]、2009年(平成21年)5月19日に最高裁判所で死刑が確定[9][10]、林は戦後日本で11人目の女性死刑囚となった[19]。2020年(令和2年)9月27日時点で[20]、林は死刑囚(死刑確定者)として大阪拘置所に収監されている[21]。冤罪の可能性を指摘する声もあり、林は事件から25年となる2023年(令和5年)7月時点で第2次再審請求中である(詳細は後述)[22]。 地域の夏祭りでの毒物混入事件であり、不特定多数の住民らを殺傷するという残忍性、当初の「集団食中毒」から、「青酸化合物混入[注 3]」、「ヒ素混入」と原因の見立てや報道が二転、三転したこと、住民らの疑心暗鬼や犯人に関する密告合戦、さらには住民の数を上回るマスメディア関係者が2か月以上も居座り続けるという異常な報道態勢などが連日伝えられた[23]。
事件の概要