板坂元
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いたさか げん
板坂 元
生誕 (1922-11-21)
1922年11月21日
中華民国南京市
死没 (2004-07-26) 2004年7月26日(81歳没)
アメリカ合衆国マサチューセッツ州エセックス郡ヘイブリル
出身校東京大学
職業日本文学者・評論家
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板坂 元(いたさか げん、1922年11月21日 - 2004年7月26日[1])は、日本の日本文学者。文芸評論・文化評論家

文学研究者としては、近世文学を専攻。
来歴

1922年(大正11年)、中華民国南京市生まれ。父は開業医で南京居留民団長だった板坂瑠一。板坂家は17代続いた医師の家系で、江戸時代は大村家に藩医として代々仕えた。

帰朝し、子供時代を長崎で過ごす[2]。1943年(昭和18年)9月、旧制佐賀高校文科乙類(ドイツ語)を繰り上げ卒業。10月、東京帝国大学文学部国文科に入学[3]。12月、学徒出陣小倉市の野戦重砲連隊に入営。のち第6航空情報連隊に配属。武漢など大陸を転戦し、1946年(昭和21年)復員[4]

1950年(昭和25年)、東京大学を卒業。同大学院修士課程に進み、研究を続けながら武蔵高等学校で教鞭をとる。

1953年(昭和28年)、西鶴芭蕉の当時未知の句を多数含む稀書『詞林金玉集』を宮内庁書陵部で発見し、学界に紹介した。また、この年から時枝誠記編『例解国語辞典』(1956年)の執筆に参加した。

1954年(昭和29年)、修士課程を修了し成城大学に赴任。翌年にかけて『広辞苑』初版(1955年)の執筆に当時の妻・竹内美智子と共に参加した。

1955年(昭和30年)、森銑三の「西鶴の作品で実際に西鶴が書いたものは『好色一代男』のみ」という説をめぐり『文学』誌上で論争となった。

1957年(昭和32年)9月よりイギリス・ケンブリッジ大学で日本語・日本文学を講じた。また、同大学の江戸時代文献の目録作成に従事した。1958年に生まれた長女・幾久子(板坂きっこ、Kiko Itasaka)は、のちのNBCニュース東京支局長。

1960年(昭和35年)ライシャワー教授に招かれてアメリカ合衆国・ハーバード大学へ赴任し、その後24年間にわたり日本語・日本文学を講じた。招聘の目的の一つはライシャワーが戦前著した日本語教本を二人で改訂することだったが、ライシャワーがケネディ政権の駐日大使に任命されたためすれ違いとなり、事実上一人で改訂作業を行った(名義上はハワード・ヒベットと共著)。

在米中に『Kodansha Encyclopedia of Japan(英文日本大百科事典)』の編集長を務めた。当時ハーバードの学生だった小和田雅子(現皇后)は、アルバイトで編集作業に参加したことがある。

1985年(昭和60年)帰国、創価大学客員教授、創価女子短期大学教授、同大副学長を務めた。

近世文学専門だが、50代からはアメリカ事情、日本文化論のほか、知的生活指南、セックス談義、文章入門など雑多な一般書を数多く著した。
著書

『日本人の論理構造』
講談社現代新書 1971

『ああアメリカ 傷だらけの巨像』講談社現代新書 1973

『考える技術・書く技術』正続 講談社現代新書 1973,1977

『日本語横丁』至文堂選書 1974 のち講談社学術文庫 1978、改題「日本語を外から見れば」創拓社 1989

『日本文学三六五日』(上・下) 講談社現代新書 1974

『町人文化の開花』講談社現代新書 1975

『日本語の表情』講談社現代新書 1978

『アメリカ診断』講談社 1978

『何を書くか、どう書くか』光文社(カッパブックス)1980 のちPHP文庫 1997

『遥かなる隣国アメリカ』講談社 1980

『ミーの時代はグルメを生む』ダイヤモンド社 1981

『アメリカン・リポート』読売新聞社 1981

『アメリカを読む』ティビーエス・ブリタニカ 1982 のち旺文社文庫 1985

『ニュー・クラスのアメリカ』文藝春秋 1982

『市民感覚のアメリカ人』福武書店 1982 のち旺文社文庫

『新アメリカン・リポート』読売新聞社 1983

『能率人間のリラックス教本 競争社会に生きる』ベストセラーズ(ワニの本)1983  「能率人間の知的時間のつぶし方」文庫

『猥褻な話大好き 紳士用それとも淑女用ですか』ベストセラーズ(ワニの本)1983 「紳士・淑女のためのこんな性の話もある」文庫

『外から見る日本 内から見る世界 グローバル対談』グリーンアロー出版社 1984

『ハーバード通信』文藝春秋 1984

『板坂元のアメリカンルール』ダイヤモンド社 1984

『英語人種のエチケット教本 ニッポン人の文明開化講座』ベストセラーズ(ワニの本)1984 「エチケットの「なぜ?」教えます」文庫

『アメリカ流男のこもん・せんす』PHP研究所 1984 のち文庫 1990

『“漢字"おもしろ教養読本 あなたの知性は試される』文化創作出版(マイ・ブック)1984

『たっぷりアメリカちょっとずつ』講談社 1985

『板坂元のアメリカうんちく??』講談社 1985

『ちょっとマジメにあの話 男と女の大学問』講談社 1985 「もっと愉しくアノ話」ワニ文庫 1990

Gates to Japan: Its People and Society AOTS chosakai,1986

『アメリカナウ・アンド・ゼン』潮出版社 1986


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