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五畿七道の一つである行政区分および同所を通る古代から近世の街道「東海道」とは異なります。
東海地方のデータ
4県の合計
国 日本
面積29,316.53 km2
推計人口14,628,917人
(直近の統計[注釈 1])
人口密度499人/km2
(直近の統計[注釈 1])
位置
東海地方の位置
東海地方(とうかいちほう)は、中部地方・近畿地方において本州中央部に位置し太平洋に面する地域の名称として扱われる。 一般的には愛知県・岐阜県・三重県・静岡県の4県を指すとされるが、「中部日本南部の太平洋沿岸地方の称」で、通常、静岡・愛知・三重と岐阜の一部を指すとする文献[1]や、五畿七道(南関東から近畿地方まで)の東海道として、内陸の岐阜県(五畿七道の東山道)を除く本州中央部太平洋側の地方である「静岡、愛知、三重の東海3県」とする文献[2]、またはおもに言語面をはじめとした生活・文化面の共通性から三重県を近畿地方あるいは関西圏として扱い[3]中部・東海地方から除外する(その場合は愛知・岐阜・静岡が「東海3県」とされる)ケースもあるなど、特にその範囲は固定しているわけでもない。 現代日本では、愛知県・岐阜県・三重県の3県は、名古屋市を中心とした名古屋都市圏(中京圏)として経済的・人的結びつきが強い。そのため、静岡県を除いた3県のみを東海地方とする場合(東海3県)も多く、愛知県名古屋市に本社を置く広域民放各局(在名テレビ局)もこの東海3県を放送エリアとしている。これは静岡県が中・東部を中心に関東地方との結びつきが強い地域が多いことが影響している(省庁の地方支部局では静岡県は関東に含まれる場合がある)。また愛知県を含まない県同士の交流・文化面での共通性は現在でも小さく、東海3県の中でもたとえば名古屋から地理的に遠い岐阜県北部や三重県西部・南部は、愛知県との結びつきが比較的弱い。 名称は、五畿七道の東海道に由来してこのように呼ばれている[4]。 東海地方は、古代の東海道とは異なる。東海道は広大で、甲斐国(現在の山梨県)をも含み、東は関東東岸まで伸びる。一方、東海地方のうち、岐阜県(美濃国・飛騨国)は東山道、三重県東紀州(紀伊国の一部)は南海道であり、東海道には含まれない。 愛知県、岐阜県、静岡県は中部地方に属し、三重県は近畿地方に属する。 岐阜県の飛騨は中央高地地方、三重県の伊賀は関西地方としてそれぞれ扱われ、東海地方に含まれない場合もある。 地質的には、糸魚川静岡構造線(糸静線)や中央構造線が縦断している。東部から北部にかけて富士山、赤石山脈、木曽山脈、飛騨山脈など火山活動や造山運動により形成された中央高地と接し、南は太平洋に面している。岐阜県北部(主に飛騨地方)は造山活動によって形成された中央高地の一部で、飛騨山脈など日本有数の山岳地帯となっている。 沿岸がプレート境界になっているため、東海地震や東南海地震などの警戒区域になっている。南東端の伊豆半島は火山活動と海面の上昇で形成されたリアス式海岸に山地が迫った地形である。伊豆半島の西側に広がる駿河湾岸は火山活動や造山運動により形成された山岳地帯を狩野川、富士川、安倍川、大井川といった大河川の浸食作用で形成された小規模な平野が分断している。駿河湾の西側の遠州灘沿岸部および三河湾沿岸部は駿河湾岸より火山活動や造山活動の停止が比較的早かったため、海面の下降により形成された台地が広がっている。伊勢湾沿岸は木曽三川などの河川の堆積作用により、濃尾平野や伊勢平野などの大規模な平野が広がっている。志摩半島から熊野灘沿岸はリアス式海岸となっている。
概要
名前の由来
地理
東海の範囲
地形拡大
Clip 東海地方の主要地形(三重県を除く)拡大
Clip 三重県の主要地形
山地
主な山脈
山脈・山地:木曽山脈・飛騨山脈・飛騨高地・両白山地・伊吹山地・鈴鹿山脈・布引山地・紀伊山地・天子山地・身延山地・赤石山脈
主な山
山:茶臼山・鳳来寺山・恵那山・御嶽山・乗鞍岳・焼岳・穂高岳・槍ヶ岳・笠ヶ岳・黒部五郎岳・白山・大日ヶ岳・伊吹山・御在所岳・朝熊山・大台ヶ原山・天城山・富士山・間ノ岳・塩見岳・荒川岳(悪沢岳)・赤石岳・聖岳・光岳・秋葉山
主な高原
高原:美濃三河高原
河川
主な川
川:庄内川・矢作川・豊川・木曽川・長良川・揖斐川・神通川(河口は富山県)・庄川(河口は富山県)・石徹白川(九頭竜川水系)・鈴鹿川・雲出川・櫛田川・宮川・熊野川・木津川(淀川水系)・狩野川・富士川・安倍川・大井川・菊川・天竜川
湖沼
主な湖
湖沼:浜名湖・油ヶ淵
海岸
主な湾
海:三河湾・伊勢湾・駿河湾
灘:熊野灘・相模灘・遠州灘
島嶼
半島:渥美半島・知多半島・紀伊半島・志摩半島・伊豆半島
島:佐久島・日間賀島・篠島・神島・答志島・菅島・賢島・初島
土地
平野:岡崎平野・豊橋平野・濃尾平野・伊勢平野・静岡平野・浜松平野
台地:各務原台地・牧之原台地・磐田原台地
盆地:東濃盆地
景勝地
海岸:伊良湖岬・二見浦・大王崎・英虞湾・鬼ヶ城・城ヶ崎海岸・石廊崎・三保の松原・御前崎・中田島砂丘
山岳・渓谷:鳳来峡・三ヶ根山・香嵐渓・付知峡・恵那峡・中山七里・平湯大滝・宇津江四十八滝・日本ライン・金華山・揖斐峡・養老の滝・宇賀渓・石水渓・岩倉峡
三重県から愛知県の大部分、静岡県の沿岸が太平洋側気候、三重県の伊賀と愛知県山間部の奥三河、岐阜県の大部分が内陸性気候、岐阜県西濃から飛騨地方が日本海側気候である。濃尾平野の夏は高温多湿で、全国でも有数の酷暑地帯である。冬は、濃尾平野で伊吹おろしという乾燥した冷たい風が吹くため、体感温度が北日本並みにまで低下する日がある。強い冬型の気圧配置になると、岐阜県関ケ原町付近で伊吹山地と鈴鹿山脈の間が途切れている為雪雲の通り道になる事もあり、岐阜県西濃や愛知県西部、三重県北部などに大雪を降らせることがある。近年の稀有な記録的大雪例として、1995年(平成7年)12月25日から12月27日にかけての寒波で、三重県四日市市で最深積雪53cm、1996年(平成8年)1月9日から1月10日にかけての寒波で、岐阜県岐阜市で最深積雪48cmの大雪を記録した。他にも2005年と2014年に名古屋市でも最深積雪23cmを記録している。岐阜県と静岡県の一部は豪雪地帯に指定されているところがある。三重県南部は雨の多い地域で、台風が頻繁に通過することから「台風銀座」と呼ばれている。また、静岡県は東日本で最も台風上陸数が多い。 歴史地理学的な東海地方は、木曽三川と富士川の間の東海道沿線のうち、愛知県の全域と静岡県の富士川以西に当たり、畿内政権の領土になった三重県と、関東の諸政権の領土になった静岡県東部とに挟まれた範囲である。次第に、鈴鹿関から箱根関の間へと拡大していった。 平野部は、比較的温暖な気候のため、登呂遺跡に見られるように、古代から人類の定住が見られた。特に濃尾平野においては、弥生人の勢力が強くあらわれている。一宮市にある西上免遺跡
歴史
古代