東海テレビ制作昼ドラマ
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東海テレビ制作昼の帯ドラマ(とうかいテレビせいさくひるのおびドラマ)は、1964年5月4日から2016年3月31日まで、東海テレビを制作局として、フジテレビ系列28局で、月曜日から金曜日の13時台後半に放送されていた昼の帯ドラマ昼ドラ)放送枠である。前途の通り1964年5月4日から2016年3月31日にかけて、累計作品全214作品・52年・累計話数全13,319話が放送された[1]
概要

本枠の名称について、東海テレビの公式資料・公式会見・公式サイトでは『昼の帯ドラマ』[2][3][4]や通称である『昼ドラ』[2][4]、または『昼の連続ドラマ』[4][5][6]が用いられていた。

ワンセグ地上デジタルテレビ放送などの番組名表記において、東海テレビと一部の局[注釈 1]では『THKドラマ○○○○』と表記され[注釈 2]、番組名の後に#○○と話数やサブタイトルが表記される局もあった。
制作方針とフォーマット

1964年5月、フジテレビの制作要請を受けて開始された。要請の理由としては、フジテレビのスタッフの多くが東京オリンピックの取材などに回され、人材が不足していたためと言われている[注釈 3]。番組開始当初はスタジオの関係上、名古屋での収録だったが、1969年の『どっこいショ』から東京での収録になった[7]。このことから、東海テレビのサービスエリアとなる東海3県を舞台に描くドラマは「嵐がくれたもの」(1959年伊勢湾台風が題材。この時は愛知県を中心としたロケが行われた)などごく限られ、稀に地方ロケが敢行された。

1970年代の『あかんたれ』などの作品から社会現象的ヒットを生み出し、『愛の嵐』『華の嵐』などの『嵐』シリーズで人気を集め、さらには『真珠夫人』・『牡丹と薔薇』・『冬の輪舞』といったドロドロ愛憎劇(Love and Hatred Opera、LHO)をテーマとした作品群が大ヒットを博し、社会現象にまでなった。『真珠夫人』・『牡丹と薔薇』・『冬の輪舞』の3作品は、何れも番組放送終了から数ヶ月後に『金曜エンタテイメント』でスペシャル版が放送された。夏・冬・春の長期休暇でこの時間帯にも在宅することが多くなる小学生や中学生などに配慮し、夏季(7月 - 9月)と冬季(1月 - 3月)には『はるちゃん』シリーズや『貫太ですッ!』・『女医・優?青空クリニック?』といった比較的ライトな内容の作品を編成することもあったが、「東海テレビの昼ドラと言えばドロドロ愛憎劇」という印象が強かった2000年代後半はファミリー向けの編成はしなかった。しかし長期的に視聴率低迷傾向が続いたため、2009年春改編以降は枠改革を行い、内容によって期間を変えて季節を問わず様々なタイプのドラマを放送する方針に変更した[8]

本枠の作品が好評を博したことに刺激を受け、1971年に中部日本放送(CBC)、1975年に毎日放送(MBS)も昼ドラの制作に参入。1976年3月までは東海テレビが13:30 - 13:45、CBCが13:45 - 14:00の時間帯に編成していたため、時間帯が競合していなかったが、13:45からのドラマ枠(フジテレビ制作)の廃止に伴って放送時間の延長が行われてからは重複するようになり、例が少ない「在名テレビ局制作全国ネット番組同士での競合」という事態が生じていた。CBCのドラマ枠が「ドラマ30」に変わってからも、CBCが制作を担当した期間は同様の現象が生じた。しかし、2009年3月27日をもって毎日放送・中部日本放送制作の昼ドラが終了[注釈 4]し、その後テレビ東京系列で放送していたLドラが終了[注釈 5]したことに伴い、2010年4月5日からは地上波民放の昼の時間帯で唯一新作を放送する全国ネットの昼ドラマかつ帯ドラマとなった。

実質的な制作には東宝テレビ部、泉放送制作テレパック国際放映ビデオフォーカスなどのテレビ制作プロダクション[注釈 6]が携わっており、東海テレビは制作局東京制作部が企画・人員選定・制作・宣伝を担当し[6][注釈 7]名古屋本社側は営業・宣伝・CM送り・提供クレジット、視聴者プレゼントの宛先を担当するのみだった。このため、2010年10月以後、一部の作品では「制作著作:○○(制作会社名)、制作:東海テレビ放送」とするクレジット字幕を出したこともあったが、大抵は「制作:東海テレビ放送、○○(制作会社名)」とすることが基本的だった[注釈 8]2010年1月期に放送された『インディゴの夜』はフジテレビを傘下に置くフジ・メディア・ホールディングスの子会社である共同テレビジョンが当枠で初めて制作に関わった。この理由から著作権は基本的に制作会社が有しており、東海テレビの権利が切れるのを待ってローカル局での遅れ放送(系列外を含む。当該地区では実質的な再放送)が実施されている。また、一部作品はCS放送で放映されている[注釈 9]

作品の放送開始前・放送期間中・放送後に番宣番組や特別編が放送されることがあった。また、一部作品は派生した展開が行われ、『はるちゃん』と『インディゴの夜』は舞台化された。

番組の送出はフジテレビから行われていた。これは、東海テレビから全国に直接番組を送出できるマスターが備わっていないためであり、他の東海テレビ製作の全国ネット番組でも同様に、東海テレビから放送用の素材を送った上でフジテレビから全国へ送出している。
シリーズの終焉

2015年10月28日スポーツニッポンにおいて、およそ52年間続いたこの枠の放送が2016年3月を以って終了すると報道された[9]。これは、フジテレビが視聴率回復を目指すための月-金曜昼帯の番組改編の一環であり、前枠の『ライオンのごきげんよう』も終了し[10]、本番組および『ごきげんよう』、続く14時 - 15時台『直撃LIVE グッディ!』の後番組として、月曜 - 金曜13時ごろからの3時間枠で加藤綾子(当時フジテレビアナウンサー)MCによる新情報番組が2016年4月より開始されると報じられた(後述のように実際は異なる)[11][12]。フジテレビ社長の亀山千広(当時)は、11月27日の社長定例会見で本枠を2016年3月で終了することを正式に発表した際、「本来は制作局である東海テレビが発表することである」「失言でした」と謝罪する異例の事態となった[13]。その後、2016年1月20日に東海テレビから終了の正式発表がなされた[14]。全214作だった。これにより、民放の帯ドラマは一旦全部姿を消すことになったが、本枠終了後の2017年4月3日から2020年3月27日までテレビ朝日で、毎週月曜 - 金曜12:30 - 12:50に帯ドラマの新枠『帯ドラマ劇場』が途中の中断を挟みながら放送され、民放の帯ドラマが(制作局・系列を変えて)約1年のブランクを経て一時的に復活した[15]。なお、フジテレビ系列としては5年8か月ぶりに『めざましテレビ』のコーナー「めざドラ」として2週間の期間限定ではあるが、復活している。

本枠および『ライオンのごきげんよう』の後枠として、『バイキング』を11:55 - 13:45に50分後拡大とし、『直撃LIVE グッディ!・第1部』は13:45開始となるよう拡大(終了時刻も14:50に繰り上げられ、『同・第2部』は5分前拡大に変更)とすることが報道された[16]。本枠終了後、東海テレビのドラマ枠は土曜23:40 - 翌0:35での新枠『オトナの土ドラ』に移行した。なおこの番組を提供した協賛スポンサーの大半は「オトナの土ドラ」にもそのまま引き継がれている[14][17][18][19]。なお、2016年4月1日の本番組と『ライオンのごきげんよう』の穴埋め代替として、『バイキング』の1時間拡大SPを放送[20]

本枠の全放送回は13,319回であり、最終作品となる『嵐の涙?私たちに明日はある?』の最終話(第44話)の平均視聴率は2.1%(ビデオリサーチ、関東地区・世帯・リアルタイム)であった[21]
沿革

放送開始から数年は著名作家の
円地文子井上靖などの原作を基にした文芸ドラマが人気であり[8]、1970年代後半以降では『あかんたれ』や『ぬかるみの女』など花登筺脚本の浪花根性ドラマがヒットしたり[注釈 10]、1960年代から1980年代前半頃までNHK連続テレビ小説読売テレビ制作朝の連続ドラマのように、ある人物の一代記や成功記を描いた作品を数多く制作してきた[8]。なお、当枠のカラー化はフジテレビ系列の番組でも比較的遅かったが、1972年1月10日開始の『むらさき心中』でようやく達成された[22]

番組開始から1976年3月の『満天の星』までは13:30 - 13:45までの15分間番組だったが、1976年4月の『三日月情話』から、フジテレビ平日昼1時45分の連続ドラマ枠を事実上吸収して15分拡大した。

放送期間は番組開始当初は2か月から最長で9か月(『あかんたれ』と『ぬかるみの女』のそれぞれ第1作が9か月=3クールであった)と作品によって幅があったが、1983年10月から2009年4月3日までは1作品3か月固定だった。なお『あかんたれ』の9か月放送に伴い、1978年に本枠で放送予定だった『愛人』と『赤とんぼ』の2作品を、1時間前の月曜 - 金曜12:30に編成されていた『お昼のテレビ小説』枠(通常はフジ制作枠)で放送した事があった。

2009年4月6日開始の『エゴイスト ?egoist?』から従来の1作品3か月の作品に加え、1作品2か月の作品もほぼ交互に放送されるようになり、2010年以後ここ数年は1月 - 6月が3か月シリーズ2本、7月 - 12月が2か月シリーズ3本のペースでほぼ固定になっていた(2009年度は3か月ものが6月 - 8月と2010年1月 - 3月の2本、2か月ものが4月 - 5月、9月 - 12月の3本だった。夏休みシーズンについては下述を参照)[8]2015年度は放送される6作品すべてが2か月1シリーズとするようになった(事実上の後継枠にあたる『オトナの土ドラ』→『土ドラ』でも継承[注釈 11])。


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