東急2020系電車
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東急2020系電車
(共通事項)
東武日光線を走る2020系電車
(2021年8月 幸手駅 - 南栗橋駅間)
基本情報
運用者東京急行電鉄 →東急電鉄
製造所総合車両製作所(横浜事業所・新津事業所
主要諸元
軌間1,067 mm(狭軌
電気方式直流1500 V
架空電車線方式
最高運転速度110 km/h
設計最高速度120 km/h
起動加速度3.3 km/h/s
減速度(常用)4.0 km/h/s
減速度(非常)4.5 km/h/s
全長先頭車:20,470 mm
中間車:20,000 mm
全幅2,826 mm(側灯幅)
車体幅2,778 mm[3]
全高4,046 mm
車体高3,620 mm
床面高さ1,130 mm
車体軽量ステンレスsustina
台車軸梁式ボルスタレス台車
TS-1041(動台車)
TS-1042・TS-1042A(付随台車)
固定軸距2,100 mm
主電動機かご形三相誘導電動機
全閉外扇形 TKM-18[1]
(東芝形式SEA-446)
主電動機出力140 kW[1]
駆動方式WNドライブ
歯車比99:14(7.07)
制御方式MOSFET-VVVF(フルSiC[2]
制御装置三菱電機
MAP-144-15V317[1]
制動装置回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキ(HRDA-2)
全電気ブレーキ
保安装置ATC-P
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東急2020系電車(とうきゅう2020けいでんしゃ)は、2018年(平成30年)3月28日に営業運転を開始した[4]東急電鉄通勤形電車

本項では、田園都市線用の2020系電車のほか、大井町線用の6020系電車、目黒線東急新横浜線用の3020系電車についても記述する。
概要

2020年東京オリンピックが開催されることや、2022年東急が創立100年を迎えることから、沿線の街や駅と調和する車両とすることを目的に命名・導入された[5][6]

JR東日本E235系電車をベースとしており、製造は総合車両製作所横浜事業所と総合車両製作所新津事業所が担当、新津事業所での製造は東急電鉄の車両としては初となる。

田園都市線向けの2020系のほか、大井町線向けの6020系、目黒線・東急新横浜線向けの3020系の3系列が存在する。
車両概説

デザインは、多摩田園都市などの「街づくり」を起源に持つ東急電鉄らしさを意識したものとしており、監修は東急線沿線の商業施設のデザインなどを手がけている丹青社が担当した[7][8]。沿線の街や駅との親和性を高め、利用者に親しみを持ってもらうとともに、「これまでにない新しさを感じていただけるような外観、車内空間」を目指しており、コンセプトカラーに「INCUBATION WHITE」(美しい時代へ孵化していく色)を使用した。先頭車前面から車体側面上部にかけて、導入線区の路線カラーとともに配置されている。丸みのある先頭形状は、やわからみのある顔をイメージしたものである[8]
車体

車体は、総合車両製作所の軽量ステンレス車体のブランドであるsustina(サスティナ)を採用しており、「sustina S24シリーズ」の、車体長20メートルの4ドアステンレス車として製造された[9]レーザー溶接の積極的な採用、骨組の軽量化などで、アルミ車体と同等の車体軽量化を図ったほか、車両外観の溶接痕を減らし、水密性の向上も図っている。オフセット衝突対策として、隅柱の一部に断面45度で切り取ったような位置に補強を追加しており、これにより、オフセット衝突時において、互いの車両に離反する力を発生させ、外板の剥離を防いで客室の損傷を軽減することができる。また前面衝突対策として、運転台前面に衝撃吸収用のハニカム材を配置して、先頭車と中間車の間に衝撃吸収緩衝器を組込むことにより、衝突エネルギーの吸収と生存区間の確保を図っている。客室扉のドア間隔はホームドアの開口範囲に合うように4,820 mmとしており、窓の構成は固定窓と下降窓の組み合わせとしている。

前頭部は鋼材の骨組みで構成し、これをFRP成形品で覆う構造としている[10]前照灯はLED照明を使用しており、前照灯は前面下部に4灯と、ハイビーム時は加えて前面上部に2灯の計6灯とし、夜間時での視認性の向上を図っている[10]。先頭車の屋根上には、列車無線アンテナ逆L型アンテナ)のほかに、後述するINTEROSによる通信にも使用されるWiMAXアンテナを設置している[11]

床下の側面非常ハシゴも引き続き設置され、本系列では両先頭車と各付随車に設置される。先頭車は運転台側向き、付随車は1号車向きとなっている。
内装

インテリアデザインは、東急沿線の風景をイメージした座席や照明も含めた車内全体のカラーコーディネートにこだわり、親しみやすさと心地よさを感じるデザインとしている。座席表地には龍村美術織物製のものが使用されている[12]

腰掛は、5000系の2015年度増備車で採用されたハイバック仕様のロングシートとなっているが、ヘッドレストは省略された[注 1][13]。座席は基本的に扉間が7人掛け、車端が3人掛けであるが、2020系の2130F以降においては4・5・8号車の扉間の座席が6人掛けとなっている[13]

車椅子スペースは各車両に一か所ずつ(2号車は2か所[11])設置した。先頭車は連結面寄り、2号車は両端、他の中間車は上り方、いずれも向かって右側に配置されており、車内外の壁面には車椅子マークとベビーカーマークを掲出、2020年頃より床面への掲出も始まった。また車椅子でない方も利用しやすいように、側面の窓に2段の手すりと妻面に腰当を設置した。

車端部の3人掛け座席は全て優先席とされ、先頭車は1両あたり3席、2号車は6席、他は9席が用意される。また、各妻面上部に防犯カメラを設置している。

側引戸の鴨居部には17インチの車内案内表示器を2基設置しており、右側は停車駅表示案内の他、行先情報・ドアの開方向情報・乗り換え案内・乗車マナーなどについて表示する(左側は「TOQビジョン」)。客室扉の内側は、混雑時に扉が開く際に戸袋に荷物などが引き込まれるのを防止するため、素材に表面が滑りやすい素材を採用した。妻引戸の戸閉装置は5000系の重力式から、ゼンマイの力でゆっくりと戻る方式に変更している。

枕木方向のつり手棒は側面天井部と接続をすることにより、ロールバーの補強構造を構成して、側面衝突に対する車両変形量の抑制を図っている。

天井の客室灯には40 W相当のLED照明を採用したほか、つり手棒の配置変更に合わせて配置の見直しを行い、従来より数を2灯ほど減少させている(中間車は22灯、先頭車は20灯)が、架線停電時に備えて蓄電池からの電力で点灯する予備灯を、中間車では11灯、先頭車は10灯へと増加させている。

2020系の車内(2130F以降の4・5・8号車以外の車両)

車内案内表示器


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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