東急デハ150形電車
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この項目では、東京急行電鉄の軌道線で使用されていたデハ150形電車について説明しています。同社の前身企業の鉄道線で使用されていたモハ150形電車については「東急3300系電車」をご覧ください。

東急デハ150形電車
デハ150形151-152編成
宮の坂駅、2001年1月)
基本情報
運用者東京急行電鉄[1]
製造所東急車輛製造[1]
製造年1964年(昭和39年)[2]
製造数4両[2]
運用開始1964年(昭和39年)4月[1]
運用終了2001年平成13年)2月[3]
主要諸元
編成1両 → 2両編成
軌間1,372 mm馬車軌間
電気方式直流600 V架空電車線方式
車両定員100人(座席32人)
自重デハ151・デハ153:18.1 t
デハ152・デハ154:18.0 t
全長13,960 mm
全幅2,423 mm
全高3,870 mm
車体全金属製
台車TS-118
主電動機直流直巻電動機 TDK-540
主電動機出力60.0 kW
搭載数2基 / 両
駆動方式吊り掛け駆動
歯車比4.21 (59:14)
定格速度37.5 km/h
制御方式電空単位スイッチ式間接非自動制御
制御装置TN-HL
制動装置SME非常直通ブレーキ
備考主要諸元は1994年(平成6年)9月現在[4]
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東急デハ150形電車(とうきゅうデハ150がたでんしゃ)は、東京急行電鉄(東急)が同社の軌道路線において運用する目的で、1964年昭和39年)に導入した路面電車車両である。

導入当初は玉川線において、1969年(昭和44年)の同路線廃止後は世田谷線において運用され、最晩年は世田谷線のみならず東急が保有する旅客用鉄軌道車両としては最後の吊り掛け駆動車となり、世田谷線の車両近代化が完了した2001年平成13年)まで在籍した。
導入経緯

玉川線における最後の新形式車両として、1964年(昭和39年)4月にデハ151 - デハ154の4両が東急車輛製造において新製された[2]。同年2月には玉川線を代替する鉄道路線である新玉川線(現・田園都市線渋谷 - 二子玉川間に相当)の建設工事の起工式が執り行われており[5]、近い将来における玉川線の廃止が確定していた時期ではあったものの、朝夕ラッシュ時の全列車2両編成化に際して不足する車両数を充足するため導入されたものである[2]

玉川線においては、当時としては非常に先進的な走行性能と車体設計を兼ね備えた超低床構造の連接車デハ200形1955年(昭和30年)に導入されていたが[6]、デハ150形(以下「本形式」)は保守面などで難が指摘されたデハ200形とは全く異なる、デハ80形以前と同様の2軸ボギー車として設計・製造された[6]。また、主要機器もデハ80形などと同じく吊り掛け駆動の間接非自動制御仕様となり、設計に数多くの新機軸が採用されたデハ200形と比較して保守的な設計思想が取り入れられている[7]
仕様
車体

車体長13,320 mm・車体幅2,308 mmの全金属製車体を備える[2]。車体設計に関しては、本形式と同じく東急車輛製造において設計・製造され、当時増備途上にあった鉄道線7000系(初代)で採用された米国バッド社のオールステンレス構体の製造技法であるショットウェルド法(スポット溶接)を取り入れて製造されたことが特筆される[1][7]。構体は鉄道線7000系とは異なり、鉄道線5000系(初代)やデハ200形と同じく耐候性高抗張力鋼製ながら側面腰板部にはコルゲートを備え、屋根上のベンチレータ(通風器)にバッド社タイプの強化プラスチック (FRP) 製の台形大型通風器を採用するなど、特徴的な外観を呈した[1][7][* 1]。側面の幕板部と屋根部との境界部分には雨樋が設置されている[2]。車内床面高は軌条面から900 mmとし[8]、デハ80形の床面高1010 mmやデハ70形の同960 mmと比較して低床構造化されている[9]

前後妻面はデハ200形の流れを汲む2枚窓構造ながら、後退角のない平面的な2面折妻形状となり、900 mm幅の一段窓構造の開閉可能窓を備える[8]。窓上の幕板中央部には太平洋戦争終戦後に導入された玉川線用車両としては初めて行先表示窓を装備した[7]。また、幕板部の左右にはデハ80形やデハ200形と同様、紫色の方向指示灯(マーカーランプ)が設置されている[10]。これは下高井戸方面と二子玉川園方面の両路線が分岐する三軒茶屋駅において列車の運行系統を識別するために設置されたもので、系統別に左右いずれかの指示灯を点灯させるものである[10][11]。妻面腰板部には鉄道線7000系と同形状のライトケースが左右1基ずつ設置され、ライトケース内には白熱灯式の前照灯と角型の後部標識灯を各1個ずつ備える[10]。また、左右のライトケース間にはステンレス製の細帯(飾り帯)が貼付され、飾り帯直上には車両番号(車番)プレートが設けられている[12]

側面には850 mm幅の片開客用扉を3箇所設け、デハ80形とは異なり全ての客用扉直下に内蔵型の乗降ステップが設置されている[2]。各客用扉間には戸袋窓を含めて計5枚の側窓が配置され、開閉可能窓については720 mm幅の一段下降窓構造として窓下には保護棒を設置し、戸袋窓は若干狭幅の680 mm幅である[8]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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