韓医学(かんいがく、???)とは、中医薬学を基づいて朝鮮半島独自の漢方薬・医術・治療法・食療習慣などの総称。主に大韓民国で使われる用語である。 韓医学はその多くを中医薬学に拠っているが、鍼灸学は中国・日本と比べると相当異なり、「一鍼二灸三薬」と言われるほど鍼灸が重んじられ[1]、現在の韓国は世界唯一の鍼灸専門医制度を持っている[7]。 また、朝鮮半島の医療制度・伝統を持って発展し[7]、動物性生薬を多用する点にも特徴がある[8]。 李朝末に李済馬が提唱した体質を4つの型に分ける「四象医学」も日本で知られている[1]。現在の韓国の医療は、現代医学と東洋医学の二本立て体制で、韓医師(Oriental Korean Medical Doctor : OMD)は、現代医学の医師同様大学で6年間の教育を受け、漢方専門医師資格と共に鍼灸の資格を持ち、鍼灸術と生薬を併用して治療を行う[7]。
名称と定義
李氏朝鮮での呼称:古代の朝鮮語での発音や漢字表記は幾つかがあり、「漢医学(???)」や「漢方医学・韓方医学(????)」などと呼ばれた。また、韓医学の治療を行う医者・医師については「東医」と呼ばれる。朝鮮半島の医学は李氏朝鮮時代で大きな発展を遂げ、中国医学と理論の違い医学書も多く書かれた[1]。
日本での呼称:朝鮮半島の日本統治時代には、この医学の統一的な呼称が無かった。当時の日本政府は中国の中医薬学、日本の漢方医学、朝鮮半島の韓医学を全部同じもの[2]と看做し、どっちを書いても構わない。また、三国の漢方系医学を総じて「東洋医学」と呼ばれることもよくある。
韓国での呼称:韓国政府より1980年代から「漢方医学」の漢字表記を全て「韓方医学」に書き換え、さらに1986年から「韓医学」という公式名称に定め、「医学」は正式な略称とされる。日本統治時代の東洋医学という呼び名も使われなくなったが、最近の韓国では韓医学を「Traditional Korean Medicine」に英訳する以外、東洋医学の全体を意味するはずの「Oriental Medicine」にも韓医学の英訳として使用されている[3]。
北朝鮮での呼称:二次大戦後は「高麗医学(????)」[4][5]という公式名称を定めた。
中国での呼称:中国の延辺朝鮮族自治州では「朝医学(???)」と称される[6][6]。
韓医学と中医薬学・漢方医学の違い