東北大学大学院工学研究科(とうほくだいがくだいがくいんこうがくけんきゅうか、英称:Graduate School of Engineering, Tohoku University)は、東北大学に設置される大学院研究科の一つである。また、東北大学工学部(とうほくだいがくこうがくぶ、英称:School of Engineering, Tohoku University)は、東北大学に設置される学部の一つである。同大青葉山キャンパスに所在する。 1919年に東北帝国大学に工学部が設置され、1949年の学制改革時に仙台高等工業学校を吸収。1953年には大学院工学研究科を設置した。それ以外にも時代の要請に応えて随時学科、大学院研究科、研究室を増設し、工学の諸分野を総合的に広く網羅する陣容が敷かれている[1]。 東北大学工学部・工学研究科の特徴として、協力講座を含めて機械系:68、電気・情報系:95、金属材料系:57の研究室を擁しており、他大学の同分野に比べて数多い研究室が組織されていることが挙げられる。これは工学部・工学研究科の外に大学附置研究所として流体科学研究所、電気通信研究所、金属材料研究所が存在し、これらの研究室も合わせて一体的に研究・教育活動が行われていることによる。機械系においては熱・流動現象に関する研究の層が厚く、電気・情報系、金属材料系においてはこの分野で世界最大の体制を有している。大学附置研究所との連携では他に化学・バイオ系、応用物理学専攻で多元物質科学研究所に協力講座がある。他に土木工学専攻の津波研究は津波に関する工学的な研究として世界で唯一で、特徴的である。 工学部・工学研究科を母体として発足した組織として大学院情報科学研究科、環境科学研究科、医工学研究科とも密接な関係がある。工学部から同じ指導教官の研究室でこれらの大学院研究科に進学できる。入試に関しても工学研究科と同条件で受験できる。 (この節の出典[1])
概要
沿革
1912年 - 仙台高等工業学校を東北帝国大学附属工学専門部に改組。
1917年 - 東北帝国大学理科大学に応用化学科を設置。
1919年 - 東北帝国大学に工学部を設置。電気工学科、機械工学科、応用化学科の三学科で発足。
1921年 - 附属工学専門部を分離して仙台高等工業学校に戻す。
1923年 - 金属工学科を設置。
1939年 - 航空学科を設置。
1941年 - 通信工学科を設置。
1944年 - 鉱山学科を設置。
1946年 - 工業力学科を設置。
1949年 - 新制東北大学工学部発足。仙台高等工業学校を吸収。
1950年 - 産業機械学科を精密工学科、鉱山学科を鉱山工学科に改称。
1953年 - 大学院工学研究科を設置。
1957年 - 建築工学科を建築学科に改称。
1958年 - 電子工学科を設置。
1960年 - 金属材料工学科設置。
1961年 - 機械工学第二学科・化学工学科を設置。
1961年 - 原子核工学科を設置。
1963年 - 応用物理学科を設置。
1965年 - 金属加工学科を設置。
1966年 - 鉱山工学科を資源工学科に改称。
1969年 - 片平キャンパスから青葉山キャンパスへ移転を完了する。
1973年 - 大学院情報工学専攻設置。
1984年 - 情報工学科を設置。
1986年 - 金属材料工学科を材料物性工学科に、金属加工学科を材料加工学科に改称。
1988年 - 応用化学科を分子化学工学科に、化学工学科を生物化学工学科に改称。
1991年 - 機械工学科、機械工学第二学科、精密工学科を機械知能工学科、機械電子工学科、機械航空工学科に改称。
1993年 - 大学院重点化により情報工学科が大学院科目制(情報科学研究科)に移行する。以降これに続き他学科も大学院重点化を進め、1997年に完了。
1996年 - 資源工学科を地球工学科、原子核工学科を量子エネルギー工学科に改称。
2004年 - 工学部17学科を5学科に再編する。
大学院工学研究科
機械機能創成専攻
ファインメカニクス専攻
ロボティクス専攻
航空宇宙工学専攻
量子エネルギー工学専攻
電気エネルギーシステム専攻
通信工学専攻
電子工学専攻
応用物理学専攻
応用化学専攻
化学工学専攻
バイオ工学専攻
金属フロンティア工学専攻
知能デバイス材料学専攻
材料システム工学専攻
土木工学専攻
都市・建築学専攻
技術社会システム専攻
工学部
機械知能・航空工学科
電気情報物理工学科
化学・バイオ工学科
材料科学総合学科
建築・社会環境工学科
著名な関係者
本校卒業生
宇田新太郎 - 八木・宇田アンテナ発明者。IEEEマイルストーン受賞。国立科学博物館重要科学技術史資料第00210号登録。
小田和正 - ミュージシャン、元オフコースリーダー。芸術選奨、文部科学大臣賞。
佐川眞人 - 永久磁石で磁力が最強のネオジム磁石発明者。
田中耕一 - ソフトレーザーによる質量分析技術の開発によりノーベル化学賞受賞[2]。
西澤潤一 - 半導体に関する電子工学の多大な業績によりIEEE Jun-ichi Nishizawa Medalが創設される。半導体工学分野の特許取得数世界最多である。
舛岡富士雄 - フラッシュメモリー発明者。