東京都立図書館
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東京都立図書館
Tokyo Metropolitan Library
施設情報
専門分野総合
事業主体東京都
所在地港区国分寺市
統計情報
蔵書数2,784,596冊[1](2023年3月31日時点)
来館者数156,598人[2](2022年度)
条例東京都立図書館条例
公式サイト東京都立図書館
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東京都立図書館(とうきょうとりつとしょかん)は、東京都が運営する公共図書館である。

2009年(平成21年)に都立日比谷図書館千代田区に移管されて以降は、中央図書館港区)および多摩図書館国分寺市)の2館によって構成される。

「東京の未来を拓く力となる 知の集積・発信」を使命として掲げ[3]、「首都東京の中核的公立図書館の役割を担い、図書館資料及び図書館内外の情報の整備・充実に努め、都民及び利用者に対し、等しく良質な図書館サービスを提供することにより、東京の社会、経済、産業、教育、文化等の発展に貢献する」ことを運営の方針とする[4]

これを支えるため、中央図書館では約188万冊[5]、多摩図書館では約55万冊[5]と、国内の公立図書館では最大級の蔵書数を有する[注釈 1]一方、個人への資料の館外貸出は行っていない。

これは当図書館の業務が個人利用者に対する閲覧や調査支援などのほかに、都内公立図書館に対するレファレンス支援や資料の貸出などを主とするためであり、当館から利用者へ直接の貸出は行わないが、区市町村立図書館が所蔵していない資料で利用者の貸出要望があるものについては、区市町村立図書館を通じて貸出することが可能である。

中央図書館が中心的な役割を担い、多摩図書館と機能を分担しながら一体的な運営を行うとされており[6]、組織上は中央図書館長の下に置かれた管理部の下に多摩図書館が位置する[7]
歴史

本項では、東京都立図書館の前身となった東京市立図書館についても一体的に記述する。
東京市時代
開館まで「日比谷図書文化館」も参照東京市立日比谷図書館(初代、1908年)

東京都立図書館の淵源は、直接的には1908年(明治41年)に開館した東京市立日比谷図書館にあるとされる[8]

帝国図書館の前身にあたる書籍館(しょじゃくかん)が東京府に移管され、1878年(明治11年)から3年余りの間東京府書籍館として運営された時期もあるが[9]、東京で公立図書館が設置されたのは20世紀に入ってからであり、主導的な役割を果たしたのは東京市(現在のほぼ東京23区に相当)であった。

1898年(明治31年)に市制特例が廃され一般市制が布かれるまで、東京市には独自で図書館を設置する財政力も体制も整っていなかったとされ[10]、東京市に公立図書館を設置すべきであるとする議論が起こるのはそれ以降となるのだが、1899年(明治32年)には東京市により図書館設置調査が着手されており[11]、同年には図書館令も公布されていた。

1902年(明治35年)には私立の大橋図書館が開館して多くの市民に利用されており、市の図書館設置に向けた機運も高まっていて、1904年(明治37年)大橋図書館の理事でもあった東京市会議員坪谷善四郎らによって提出された通俗図書館の設置の建議は議会で満場一致をもって迎えられた[11]

日露戦争の勃発により計画は一時中断されるものの、尾崎行雄市長の主導の下市立図書館設置が推進され、1908年(明治41年)ようやく日比谷図書館が開館するに至った。
初期の展開

日比谷図書館では帝国図書館と異なり、一般市民の利便性が重視され、当時通俗教育と言った社会教育に資することを重視していた。

初代主事(館長)である渡辺又次郎は児童閲覧室運営の確立を図り、「児童の教育に読書が必ずしも有益でなく、むしろ害をもたらす」とする当時の考え方に反論し、自由な読書の効用を説いている[12]

後任の守屋恒三郎の下でもその運営の方針は継承され発展をみており、また市内の簡易図書館に対する参考図書館としての機能の充実を図った[13]。当初東京市では市内15区各区に日比谷図書館に準ずる規模の図書館を整備することを計画しており[14]、この構想に基づいて1909年(明治42年)には深川区市立深川図書館が開館している。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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