この項目では、1990年10月に開館した公共ホールについて説明しています。1945年久保栄らが結成した劇団については「東京芸術劇場 (劇団)」をご覧ください。
東京芸術劇場
Tokyo Metropolitan Theatre
東京芸術劇場
東京芸術劇場
情報
設計者芦原建築設計事務所(芦原義信)[1]
松田平田設計・香山壽夫建築研究所(リニューアル)[2]
構造設計者織本匠構造設計研究所[1]
織本構造設計(リニューアル)[2]
設備設計者建築設備設計研究所[1]
施工大成・間・安藤・西武・日本国土・地崎・古久根・城北協JV[1]
奥村組・近藤組JV(リニューアル)[2]
建築主東京都
管理運営東京都歴史文化財団
構造形式鉄骨鉄筋コンクリート造、一部鉄骨造[3]
敷地面積13,290.44 m² [3]
延床面積51,394.80 m² [3]
状態完成
階数地下4階、地上10階[3]
着工1987年7月
2011年4月(リニューアル)[2]
竣工1990年8月
2012年6月(リニューアル)[2]
開館開所1990年10月
2012年9月1日(リニューアル)[2]
所在地東京都豊島区西池袋1丁目8番1号
備考音響設計 永田穂建築音響設計事務所[1]
永田音響設計(リニューアル)[2]
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東京芸術劇場(とうきょうげいじゅつげきじょう、英語:Tokyo Metropolitan Theatre)は、東京都豊島区西池袋にある総合芸術文化施設。 昭和40年代の初めに、声楽家の藤原義江が「東京にオペラハウスを」と当時の東京都知事美濃部亮吉に陳情し[4]、相前後して、池袋駅西口の闇市跡地を含む一帯の東京学芸大学豊島小学校跡地を都が国から入手した[4][5]。しかし、都の財政悪化で思うにまかせず、そうこうするうちに初台駅北側に開業する新国立劇場がオペラハウスとなってしまった[4]。一方、都の施設としては上野に、比較的多目的に使える東京文化会館があり、それならば純粋なコンサートホールに公立の芝居小屋をプラスした施設を[4]、ということで基本構想がまとまり、1985年(昭和60年)芦原建築設計事務所に基本設計が委託され、87年から着工、90年10月にオープンした[1]。またこれに併せて、70年に先立って開園した池袋西口公園は劇場の前庭公園として再整備され、同時にバスバースが新たに設けられた[1]。 この建物を特徴付けているのが、ホールを縦に積み重ねた積層型である[1]。その背景には、敷地の北側端を走る地下鉄有楽町線の影響があった[1]。大ホールは各ホールの中でも特に音楽専用ホールとしての機能が求められたため、騒音・振動のシャットアウトは必須条件だった[1]。そこで選ばれたのが、平面配置ではなく積層システムという構造である。また、積層システムにすることで限られた敷地内に大きなアトリウムを実現させることに成功している[1]。 2011年(平成23年)4月から施設の改修工事に入り、翌年9月1日、リニューアルオープンした。開館以来、初となる大改修の改修設計は、都が実施した公募型技術提案プロポーザルで選ばれた松田平田設計が香山壽夫建築研究所などと共同で手掛けた[6]。 外観はほぼ以前のままだが、巨大なガラスアトリウムの内部は一新され、以前は隣接する広場に開放されて半屋外的だった1階部分が、今回に改修ではガラスの壁と風除室によって閉じられた[6]。もう一つの大きな変化は、巨大なアトリウムを横断する形で1階から5階までを一気に上っていたエスカレーターが撤去されたこと[6]。改修を実施した都の担当者は「完成直後から『空中に浮いたようなエスカレーターは怖い』という声があり、付け替えることにした」と説明する[6]。代わりのエスカレーターは、アトリウム西側の壁沿いに場所を移し、1階と5階を直接つなぐのではなく、増床した2階を経由して、2つのエスカレーターを「く」の字に乗り継ぐ形とし[6]、1台当たりの高低差を減らすことで、恐怖感を和らげた[6]。内装は良質な大理石を使った既存の床と壁を残したまま、木や土、鉄などをモチーフにした暖色系の内装を加えている[6]。
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