この記事には独自研究が含まれているおそれがあります。問題箇所を検証し出典を追加して、記事の改善にご協力ください。議論はノートを参照してください。(2013年4月)
東京の地下鉄路線港区の夜間の超高層ビル群
東京一極集中(とうきょういっきょくしゅうちゅう)とは、日本において、政治・経済・文化・人口など、社会における資本・資源・活動が東京都区部、あるいは南関東(狭義の首都圏(1都3県)に当たる東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、なかでも国道16号の内側地域)に集中している状況を言う。
明治維新以後に始まり、東京府が事実上の首都となった後に政府が進めた"首都の機能強化"の要請に応える形で、大阪で設立された三菱、住友、野村の巨大財閥企業の東京移転が一因であるとされる。その後、各地方に本社機能を置いていた大企業の東京移転が続いた。
国勢調査によると、日本の人口に占める1都3県の割合は、第二次大戦終結直後の1945年は13.0%だったが、調査の度にその割合が高くなり、2020年は29.3%になっている[1]。2020年の国勢調査を基に国立社会保障・人口問題研究所が2023年12月に発表した「日本の地域別将来推計人口(2023年推計)」によると、2050年は33.7%になると予測されている[2]。
人口の集中「東京都の人口統計」も参照
首都圏(以下こだわらない場合は南関東1都3県)への人口流入を見ると、1955年から1970年頃までは毎年30万 - 40万人の転入超過があった。しかし、1980年頃から再び首都圏への流入超過が始まり、バブル景気直前の1987年にピークに至り、この時の純流入は20万人に迫った。このように、急速に膨張する東京圏の一方、名古屋圏はわずかながら人口流入となった反面、その後は、バブル崩壊と共に東京圏への流入も再び沈静化に向かい、1993年にはほとんど均衡した。しかしながら、1990年代後半以降は都心での住宅開発などによる「都心回帰」により、1987年のピーク時に匹敵するほどの顕著な、東京圏への人口流入となった。南関東1都3県の人口推移。東京、神奈川、埼玉、千葉の首都圏
21世紀に入り首都圏1都3県、特に東京特別区への人口集中は一層進んでいる[3]。2000年の国勢調査結果と2005年の国勢調査結果を比較すると、東京都が約50万人、神奈川県が約30万、埼玉県・千葉県が約10万人と、1都3県で約100万人増加した。同じ首都圏内においても、はっきりと明暗が分かれており、東京都心部への人口流入が続く反面、多摩地域、神奈川県・千葉県・埼玉県の都心から離れた地域(主に80年代に人口が急増した東京都心から遠い郊外地域。概ね国道16号の外側)の人口が減少に転じつつある。
一方、地方では、トヨタ自動車などの製造業の求人が好調だった愛知県が約20万人増加、滋賀県も東京と愛知に次ぐ人口増加率を記録するも[注釈 1]、ほとんどの道県で減少した。かつては人口の増加傾向が続いていた宮城県でさえ、2000年代以降は減少に転じている。2016年および2017年の人口増加数は東京23区が全国1位、大阪市が全国2位、札幌市が全国3位、福岡市が全国4位、さいたま市が全国5位である。
世界の都市圏人口の順位順位都市圏人口
1 東京37,750,000
2 ジャカルタ31,320,000
3 デリー25,735,000
4 ソウル23,575,000
5 マニラ22,930,000
出典:Demographia (2016年4月更新)[4]
アメリカ最大の都市であるニューヨーク市と比較すると、ニューヨーク市への郊外からの流入人口は56万人であるが[5]、東京特別区部(23区)への流入人口は333万人と[6]、ニューヨーク市のほぼ6倍の流入規模がある。また、東京都市圏(1都3県)の人口が約3,700万人で、ニューヨーク都市圏の人口が2,136万人であり、首都圏の人口規模が世界的に見ても巨大である。
2014年10月18日、内閣府が公表した「人口、経済社会等の日本の将来像に関する世論調査」によると、東京一極集中を「望ましくない」と考えている人は48.3%となっており、全体の半数近くであった[7]。
2010年国勢調査1960年から2010年までの首都圏北部(人口集中地区・DIDsとは、人口密度が4,000人/km2 、もしくは10,355人/mi2の地域のこと)。鉄道路線とその駅を中心とした沿線開発によって急速に人口が増加していることがわかる。
2010年(平成22年)に行われた国勢調査の結果[8]でも、より首都圏1都3県への一極集中が進んでいる。
2005年(平成17年)から5年間で、人口が増加した都道府県は順に、東京都(+585,140)、神奈川県(+257,913)、千葉県(+160,657)、愛知県(+153,795)、埼玉県(+140,575)、大阪府(+45,730)、沖縄県(+30,909)、滋賀県(+29,911)、福岡県(+22,896)のみとなっている。南関東1都3県の人口増加数は1,144,285人となっており、首都圏にはわずか5年で広島市に匹敵する大都市が誕生したことになる。
首都圏1都3県以外の日本全国各道府県の人口増加分を合わせても、283,241人しかならず(その多くは、愛知県の増加分で占められている)、首都圏への一極集中傾向は、全く歯止めがかかる気配がないどころか、首都圏以外の人口減少との対比で、より加速している。さらに、自治体ごとの人口増加率を見ると、同じ首都圏1都3県でも、東京圏の外縁部(概ね国道16号の外側)では人口が減少しており、より東京圏内への人口集中が起きている。
2000年度(平成12年度)の国勢調査と比較すると、10年間での首都圏1都3県の人口増加数は2,204,961人となっている一方、その他の地域では1,074,773人の減少となっていることがわかる。
1990年(平成2年)の国勢調査と比較すると、この20年間の首都圏1都3県の人口増加数が3,826,625人であったのに対し、それ以外の地域では618,234人の増加にとどまっており、首都圏1都3県への一極集中が極端であることを表している。 住民基本台帳人口移動報告[9]の都道府県別人口転入超過数をみると、大半の道府県で首都圏1都3県への転入超過となっており、首都圏への一極集中の様相がうかがえる。 首都圏1都3県(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県)の他地方に対する転入・転出超過数 (?は転出超過) [10]道府県2015年度
東京圏への流入地域