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東京ふんどし芸者
監督野田幸男
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掛札昌裕
『東京ふんどし芸者』(とうきょうふんどしげいしゃ)は、1975年公開の日本映画。堀めぐみ主演・野田幸男監督[1][2]。製作:東映東京撮影所、配給:東映[1]。R-18(成人映画)指定[1]。
映連のサイトでは含まれないが[3]、東映の温泉芸者シリーズの一本とされ[4][5][6][7]、シリーズ7作目にして最終作[5][8]。"東映温泉芸者シリーズ"は、第1作から5作目まで東映京都撮影所(以下、東映京都)の製作[8]。第6作目の『温泉おさな芸者』と本作が東映東京撮影所(以下、東映東京)の製作[8]。 当時の東映東京は不振続きで、さらに組合運動も京都に比べて活発で、このままでは岡田茂東映社長が、当時構想していると噂された東西のどちらかの撮影所を閉鎖する側になりかねないと東映東京の活動屋は危機感を抱き[7]、起死回生の企画として立案された[7]。これを例によって「タイトル作りの天才」こと[7]、岡田茂が『東京ふんどし芸者』と題名つけた[7][8]。岡田は温泉芸者シリーズが好きだったとされ[9]、岡田好みのエロサービス狙いの映画である[10]。岡田は「温泉芸者シリーズはタイトルだけでお客を呼ぶ力があった」[11]「半分笑いになるからいい」[12]など述べていた。1968年に岡田が温泉芸者シリーズを始める際、その第一作に『温泉ふんどし芸者』と命名したが[11]、映倫からのクレームで[11]、『温泉あんま芸者』に変更した[13]。なぜこの年になって似たようなタイトル『東京ふんどし芸者』がOKになったかといえば、岡田は1971年9月に映倫維持委員会常任委員長に就任しており[14]、1968年当時は映倫から審査される側だったが、この年は審査する側になったからである[14]。 1975年9月19日、東京東大泉の東映東京でクランクイン[15]。宣伝を兼ね、マスメディアを集めて連日満員御礼の大相撲秋場所に対抗し、オープンセット内に畳20畳を敷いて上半身裸、下半身に赤いチリメンふんどしを締めた美女10人による女相撲+騎馬戦のデモンストレーションが行われた[15]。行司も同じ格好をした女性が務め「ハッケヨイ、ノコッタ、ノコッタ」などと声をかけ、ふんどしが擦り落ちそうになった[15]。新人で主演を務める堀めぐみは『下刈り半次郎(秘)観音を探せ』と『まむしと青大将』にチラッとだけ出演した後、本作の主役に大抜擢された[7][8][15]。堀は本名:内堀文恵。奈良文化女子短大を卒業したばかりの20歳で、保母の資格を持つインテリ[15]。身長160cm、B86cm、W60cm、H89cmで[15]、小股が切れ上がりふんどしがよく似合うと主役に抜擢された[15]。堀は家宝の"昇り昇天"を武器に男どもを軒並み幸せにしていく役。マスメディアの取材に「ふんどしよりはヌードがいいわね。あなたが女性のパンティーを履いた時と、そりゃあ同じ気持ちよ」などと話した[15]。 ライバル芸者花蝶には、ピンク映画で多くの主演を務めた茜ゆう子 起死回生とは号令ばかりで、予算も少なく、許容尺数も撮影スケジュールも最低に近い規模を与えられた[7]。ここへ「残業の帝王」こと野田幸男が監督に抜擢された[7]。野田は滅多やたら撮りまくり[18]、カットを切り刻み[18][19]、脚本にもしつこく口出しし[7]、現場も音を上げ[7]、岡田社長からも嫌われた[19][20]。本作でも野田は頑なに自身のポリシーを貫き、連日、撮影所首脳に呼び出され、説教され続けた[7]。それでも聞かず、遂に「あれほど忠告したのに予算も日数もオーバーだ。客の入りがよかったとしても、野田くん、君はもう、この撮影所で二度と仕事が出来ないと思ってくれ」と最後通告を受けるに至った[7]。 クライマックスの見せ場であるふんどし一丁になった芸者たちによる騎馬戦と花電車三番勝負の撮影の前日、主演級女優がトンズラ(遁走)した[7]。ポルノ映画の撮影ではよくあることで[7]、プロデューサーも慣れっこでさほど慌てず、東映京都から脱げる大部屋女優を調達し、東映本社を通して調整し、翌日上京した[7]。
キャスト
橋本和世:堀めぐみ
橋本いく:三原葉子
橋本文造:北村英三
亀田千吉:南城竜也
野毛力夫:由利徹
行司:山城新伍
花蝶:茜ゆう子
豆奴:三井マリア
菊千代:内藤杏子
とんぼ:叶優子
すずめ:渡引玲子
美代春:港まゆみ
鶴丸:佳園
ます代:松井康子
大牟田善平:小松方正
実方:大泉滉
銭村:天津敏
小森:関山耕司
岡持:佐藤晟也
八木坂:土山登士幸
角井:南利明
スタッフ
監督:野田幸男
脚本:掛札昌裕・中島信昭
企画:天尾完次・高村賢治
撮影:中島芳男
音楽:津島利章
美粧:中村修一郎
録音:長井修堂
照明:小杉芳雄
編集:西東清明
助監督:岡本明久
製作
企画
キャスティング
撮影