「マレー・ポリネシア語派」とは異なります。
ポリネシア諸語
話される地域ポリネシア
言語系統オーストロネシア語族
マレー・ポリネシア語派
中核マレー・ポリネシア語群
ポリネシア諸語(ポリネシアしょご)はポリネシアで話されている、互いによく類似した一群の言語。アウストロネシア語族のマレー・ポリネシア語派大洋州諸語に属する。サモア語、ツバル語、タヒチ語、ハワイ語、マオリ語、トンガ語など、太平洋中部から東部にかけての主要な言語の大半を含む[1]。
マレー・ポリネシア語派はポリネシアを含む太平洋諸島、東南アジア島嶼部からマダガスカルに至る様々な言語(インドネシア語やタガログ語なども含む)からなり、ポリネシア諸語はそのうちのごく一部にすぎない。後述のポリネシア諸語の特徴も、多くのマレー・ポリネシア諸語と異なる点がある。
目次
1 系統分類
1.1 語彙対照例
2 特徴
2.1 音韻
2.2 統辞、文法
3 参考文献
4 脚注
5 外部リンク
系統分類「アウストロネシア語族#分類」も参照
分類系統は必ずしも定説化されているわけではない。やや便宜的な側面もあるが、以下のように大きく3つに分けて扱うのは伝統的な方法のひとつである。
トンガ語群(トンガ語、ニウエ語)
外縁諸語(メラネシア地域に飛び地的に点在するいくつかの小言語)
中核ポリネシア諸語(サモア語も含むその他すべて)
近年の語彙統計学的な研究[2]によれば、トンガ語はニウエ語とさほど近くはなく、却ってサモア語とごく近いとされ(「トンガ・サモア語群」などとも呼ぶ)、また、ツバル語、トケラウ語、ラパヌイ語、マルキーズ語、ツアモツ語、ラロトンガ語、タヒチ語、マオリ語、ハワイ語など「東ポリネシア諸語」と呼ばれる一団も、比較的たがいに近い一系統であるとの結果が出ている。
ポリネシア諸語はまたメラネシアの東フィジー語群(フィジー語を含む)および西フィジー・ロトゥマ語群も近い関係にあり、これらをまとめて中央太平洋諸語(フィジー・ポリネシア諸語)と呼ぶ。歴史的には、メラネシア方面からポリネシアと接する地域(フィジーなど)を通して伝えられたラピタ文化が、トンガ・サモア方面でポリネシア文化に発展し、さらにこの人々が東部の島々に移住したと考えられており、上記のような言語の系統もその証左となっている。
参考に、中央太平洋諸語の系統図を記す。
中央太平洋諸語(英語版)(フィジー・ポリネシア諸語)
東フィジー諸語(英語版)
フィジー語( フィジーの公用語)
西フィジー・ロツマ諸語(英語版)(フィジービティレブ島西部、ロツマ島)
ロツマ語
ポリネシア諸語
トンガ諸語(英語版)
トンガ語( トンガの公用語)
ニウエ語( ニウエ)
中核ポリネシア諸語(英語版)
サモア諸語(英語版)(サモア・域外諸語)
東ウベア・ニウアフォオウ諸語
ウォリス語(英語版)(東ウベア語)( フランス領 ウォリス・フツナ)
ニウアフォオウ語(英語版)( トンガ)
プカプカ語( クック諸島プカプカ島)
サモア語( サモア、 アメリカ領サモア)
トケラウ語( ニュージーランド領 トケラウ)
† ニウアトプタプ語(英語版)( トンガ)
エリス諸語
ツバル語( ツバル)
カピンガマランギ語( ミクロネシア連邦 ポンペイ州カピンガマランギ環礁)
ヌクオロ語( ミクロネシア連邦ポンペイ州ヌクオロ環礁)
ヌクリア語(英語版)( パプアニューギニア ブーゲンビル自治州ヌグリア環礁(英語版))
タクー語(英語版)( パプアニューギニアブーゲンビル自治州タクー環礁)
ヌクマヌ語(英語版)( パプアニューギニアブーゲンビル自治州ヌクマヌ環礁)
オントンジャワ語( ソロモン諸島 マライタ州オントンジャワ環礁)
シカイアナ語(英語版)( ソロモン諸島マライタ州シカイアナ環礁)
フトゥナ諸語
フトゥナ語(英語版)(フランス領ウォリス・フツナ)
レンネル語(英語版)( ソロモン諸島レンネル・ベローナ州)