来るべき世界_(漫画)
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来るべき世界
漫画:来るべき世界
作者
手塚治虫
出版社不二書房
発表期間1951年(単行本書き下ろし作品)
巻数全2巻
アニメ:フウムーン
原作手塚治虫
監督坂口尚
キャラクターデザイン西村緋祿司
音楽大野雄二
製作日本テレビ手塚プロダクション
放送局日本テレビ系列
放送期間1980年8月31日 -
話数全1話
テンプレート - ノート
プロジェクト漫画アニメ
ポータル漫画アニメ

『来るべき世界』(きたるべきせかい)は、手塚治虫SF漫画
概要

1951年、大阪の不二書房より上下2巻の作品として刊行された単行本書き下ろし作品で、このときの版では、上下巻に「THE WORLD OF THE FUTURE」「NEXTWORLD」[注 1]の英題の記載と、上巻には「前編」、下巻には「宇宙大暗黒篇」という副題があった。『ロストワールド』『メトロポリス』と並んで、手塚治虫の「初期SF3部作」と呼ばれる作品の一つである[注 2]。当時の東西冷戦を背景に、人類の存亡をめぐる大河ドラマが展開された。

3部作の他の2作と比較した場合、本作は分量の点では最長で、多くの立場の異なるキャラクターを同時並行で描く群像劇であることが大きな特徴である。また、人類を超える「超人類」と呼べる登場人物により人類を相対化するという手法は、その後『0マン』など複数の手塚作品でも用いられることになる[1]

題名は、H・G・ウェルズ原作のSF映画『来るべき世界(英語版)』(1936年、ウィリアム・キャメロン・メンジーズ(英語版)監督)の日本公開時の題名を借用したもの。ただし、『手塚治虫漫画全集』版の「あとがき」によれば、手塚は執筆当時はこの映画を見たことがなかったという[注 3]。なお、映画の原題は Things to Come 、また原作小説(1933年)[注 4] の原題は The Shape of Things to Come である。
ストーリー

日本の科学者・山田野博士は核実験場の島で未知の高等生物を発見し、捕獲する。山田野は、これは人類の危機に対する警告であると国際原子力会議で報告するが、鋭く対立するスター国・ウラン連邦という2つの超大国はメンツを張り合うばかりでそれに耳を傾けようとはしなかった。やがて、この両国は些細なことから全面戦争に突入し、両国と日本の少年少女はそれぞれ数奇な運命に巻き込まれていく。一方、山田野の連れ帰った高等生物はフウムーンと呼ばれる知的生命体であり、彼らはまったく別の地球の危機を理由としてある計画を立てていた。
登場人物
ケン一(敷島健一)
本編の主人公で日本人。行方不明になった叔父のヒゲオヤジをフウムーンのロココとともに探索する。
ヒゲオヤジ
私立探偵。本名「伴俊作」。フウムーンのロココによってウラン連邦に飛ばされ、強制労働をさせられる。
山田野加賀士(やまだのかがし)(演 - 花丸先生
原子科学者。馬蹄島(ばていじま)でフウムーンを発見する。
ロココ
山田野博士が捕獲したフウムーン。手違いでヒゲオヤジをウラン連邦に飛ばしてしまう。その贖罪からケン一と行動を共にするようになる。
ノタアリン
スター国の原子力委員長、特殊警察局長。
ニコライ・レドノフ(演 - レッド公
ウラン連邦の原子力委員。ノタアリンとの不和がきっかけで全面戦争に。
サントリー・ウイスキー
ウラン連邦の科学省長官。「鉄心臓」の異名を持つ独裁者。
ココア
ノタアリンの娘。戦争中にもかかわらずスキーに出かけて行方不明になってしまう。
ロック・クロック
スター国の少年。新聞記者をしていたが情報部員の教育を受け、ウラン連邦に潜入するも捕らえられる。強制労働、さらに精神的な拷問を受けて性格が歪んでしまう。
ウント・モウケル
ロックの父親。ウント・モーケル[注 5]新聞の社長。
ポポーニャ
ウイスキー長官の娘。美貌の科学者という才媛。性格は父親似で、強制労働の地下工場長。イワンの許婚。不思議と容姿がココアとよく似ている。
イワン・レドノフ
ニコライ・レドノフの息子。ポポーニャとは婚約者という関係。
アセチレン・ランプ
元はルンペン。後に成り上がるが、悲惨な最期を遂げる。
ヒック(演 - ハム・エッグ
ニコライ・レドノフの手下。
フランケンシュタイン
天文学者。牢にとらわれた山田野を引き取る。
ボローキン
ウイスキーの部下。大佐。
ユモレンスクの人々
ウラン連邦の寒村に住む信心深い人々。フウムーンの空飛ぶ円盤を「ノアの箱舟」と信じる。主な村民に村長(演 - ブタモ・マケル)、ラムネンコとブタノフ(演 - チックとタック)など。
伴俊作探偵事ム所近所の人々
(ベレー帽の)海野(演 - ムッシュー・アンペア)、和尚(演 - タコ)、床屋の大将、(学生帽に眼鏡の)六角、和田(ピアノの先生)など。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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