村田銃
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村田銃
十三年式村田銃(上)と二十二年式村田連発銃(下)。
種類ボルトアクション方式歩兵銃
原開発国 日本
運用史
配備先日本
(鹵獲 ・ 売却)
カティプナン (売却)
フィリピン第一共和国 (売却)
関連戦争・紛争日本軍
日清戦争
乙未戦争
義和団の乱
日露戦争
第一次世界大戦
フィリピン革命軍
フィリピン独立革命
米西戦争
米比戦争
霧社事件
開発史
製造期間1880年?1905年
派生型十三年式村田銃
十六年式村田騎銃
十八年式村田銃
十八年式村田騎銃
二十二年式村田連発銃
二十二年式村田連発騎銃
猟銃
諸元
重量4.09kg
全長1294mm
銃身長840mm

弾丸11mm村田弾(11×60mmR Murata)
8mm村田(8x53Rmm Japanese Murata)
口径11mm
8mm
作動方式ボルトアクション
初速435m/s
装填方式単発
(十三年式, 十六年式,十八年式, 村田式散弾銃)
管状弾倉5発・8発
(二十二年式村田連発銃, 二十二年式村田連発騎銃)
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村田銃(むらたじゅう)は、薩摩藩日本陸軍の火器専門家だった村田経芳がフランスのグラース銃の国産化を図る過程で開発し、1880年(明治13年)に日本軍が採用した最初の国産小銃。1880年3月30日、陸軍省は少将村田経芳作製の単発銃を軍用に指定した[1]
概要村田銃の設計者、村田経芳

明治維新前後の頃には国内で様々な輸入小銃が使用されており[2]、建軍直後の日本軍でも、陸軍イギリス製のスナイドル銃海軍が同マルティニ・ヘンリー銃を主に使用していたが、村田経芳が十三年式村田銃の製造に成功したことで、初めて「軍銃一定」(主力小銃の統一・一本化)が成し遂げられた。このことが後の日清戦争において、雑多な小銃を用いる清軍に対し、日本軍の優位につながる一因となった。

村田銃の出現は火縄銃以来の300年の欧米とのギャップを埋め、国産銃を欧州の水準へ引き上げた。また、旧式化した後に民間に払い下げられ、戦前戦後を通じ日本における代表的猟銃となった。
開発・運用
村田銃の出現まで

江戸時代後期に入り、阿片戦争など欧米列強アジア侵略が露骨化し、日本国内でも西欧軍事技術の研究が盛んになり、各種の銃砲が積極的に輸入されるようになった。これらの銃砲を国産化しようと努力した諸藩のうち、集成館事業によって大規模な殖産興業政策を採った薩摩藩の家臣だった村田経芳は、豊富な火器知識と卓越した射撃の技量により、薩摩藩兵から新生日本陸軍の将校に転じ、薩摩閥の大久保グループに属して日本陸軍の火器購入・運用・修理の統括責任者となった。

明治維新期は火器が飛躍的に発達しはじめた時期にあたり、新しい火器が出現しては数年で旧式化するというサイクルが繰り返されており、各藩から集められた火器は新旧各種が混在した状態だった。

発足したばかりの新生日本陸軍での歩兵教練は、輸入されたテキストを日本語に翻訳したマニュアル[3]お雇い外国人による指導[4]に頼っており、1872年(明治5年)兵部省によって1870年版フランス陸軍歩兵操典[5]が、次いで1874年(明治7年)に陸軍省によって1872年版同操典が採用[6]された事から、その主力小銃は全て後装式[7]に統一された。

当時の日本陸軍が保有していた後装式火器は、主力小銃がスナイドル銃(金属薬莢式[8][9][10])、ドライゼ銃紙製薬莢[11])が後方装備とされ、この他に七連発の米国製スペンサー騎兵銃(リムファイア金属薬莢式[12])が騎兵銃として使用され、前装式で旧式化していたエンフィールド銃がスナイドル銃への改造母体および射撃訓練用などに多数が保有されているなど、多種の銃器・弾薬が混在する状況であった。そのため、日本陸軍は補給や訓練の面で大きな困難を抱えていた。

これらの銃器のうち、最も先進的な構造と優れた性能(射程・弾道特性)を有していたのはシャスポー銃[13]であり、村田経芳は新生日本陸軍が幕府陸軍から引き継いだシャスポー銃用の紙製薬莢の製造[14]や、消耗品であるガス漏れ防止用ゴムリングの調達に腐心[15]するなど、そのメンテナンスに努めており構造も熟知していた。

普仏戦争後の1874年(明治7年)に、フランス本国でシャスポー銃のグラース銃への改造が行われ、シャスポー銃最大の弱点だった紙製薬莢が金属薬莢式に変更されたことを知った村田経芳は、日本陸軍のシャスポー銃を金属薬莢式に改造することと、その国産化を企図し始めた[16]


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