この項目では、オセロ選手の村上健について説明しています。日本の男子リング・アナウンサーである村上☆健については「村上☆健」をご覧ください。
村上健(むらかみ たけし、1964年12月22日 - )は、日本のオセロ選手。オセロ九段。麻布学園英語科教師。 東京都立国立高等学校よりアメリカ、テキサス州へ留学[1]。慶應義塾大学文学部英米文学科卒業[1]。1988年に麻布学園へ赴任、同校でオセロ部を創設して顧問に就任[2]。1996年5月に結婚[3]。 1993年5月、ある海外のコンピュータ雑誌に掲載された「オセロ選手は負けることが分かっているから、コンピュータオセロとの対戦をしない」とする記事を読み、日本人チャンピオンが誰も挑戦の打診を受けていなかったことから、「日本人を人間に含めないあなたの態度を不愉快に思った。私はいつでも誰の挑戦でも受ける用意がある」と皮肉を込めて反論する手紙を送る[2]。その記事を書いた教授の返事には「あなたの勇気に敬意を表する」としつつも、「アフリカのとある部族がハイジャンプで3メートル飛べると主張しているのに似ている。彼がオリンピックに来て、実際にその技を見せない限り、それが不可能だと周りの人が判断しても責められないだろう」とあり、日本人がオセロの世界選手権で圧倒していることを知らない文面であった[2]。その教授が作ったコンピュータオセロと対戦の話が持ち上がったが、結局流れている[2]。 1995年、前述の手紙で反論した件を知ったマイケル・ブロ
経歴
対戦後に帰国してからは、コンピューターに学んでプレーを向上させれば良いと思っていたが、日本では共感されず、批判する者が多かった[6]。当時のオセロ界では、コンピュータが上だと明確に示す機会を避けて、オセロの価値を延命させるという考えが根強かったからである[6]。ただし、村上の挑戦を評価する者も少なくなかった[6]。
一方、オセロ開発者の長谷川五郎は生前、この対戦を正式なものではなく、人間の負けを認めていなかったとされる[6]。村上は、長谷川は人間が負けたと心の中で分かっていても、正式に日本オセロ連盟としては認めたくなかったのではと述懐している[7]。
戦績
オセロ世界チャンピオン(1996年、1998年、2000年)
全日本選手権優勝(1996年、1998年)
名人戦優勝(2001年)
著書
『史上最強カラー図解 強くなるオセロ』ナツメ社 2011年
脚注^ a b “高校留学 卒業生からのメッセージ”. インターナショナル・フェローシップ (n.d.). 2020年3月22日閲覧。
^ a b c d e f “人間VSコンピュータオセロ 衝撃の6戦全敗から20年、元世界チャンピオン村上健さんに聞いた「負けた後に見えてきたもの」 (1/3)”. ITmedia (2017年10月21日). 2020年3月22日閲覧。
^ a b c 「人間VSコンピューター 第二幕オセロ 主役は日本人」『読売新聞』、1997年5月31日、夕刊、1面。
^ “人間VSコンピュータオセロ 衝撃の6戦全敗から20年、元世界チャンピオン村上健さんに聞いた「負けた後に見えてきたもの」”. ねとらぼ. 2021年8月6日閲覧。