末期がん
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「がん」はこの項目へ転送されています。

上皮性の悪性腫瘍については「癌腫」をご覧ください。

その他の用法については「がん (曖昧さ回避)」をご覧ください。

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悪性腫瘍

悪性中皮腫の冠状断面CT画像
発音あくせいしゅよう
概要
診療科腫瘍学
分類および外部参照情報
ICD-10C00?C97
ICD-9-CM140? ⇒239
DiseasesDB28843
MedlinePlus001289
MeSHD009369
[ウィキデータで編集]

悪性腫瘍(あくせいしゅよう、Malignant Tumor, Cancer)は、生体の自律制御を外れて自己増殖する細胞集団である。周囲の組織浸潤して転移する腫瘍を指す。がん(ガンまたは癌)や「悪性新生物」とも称し、死亡につながることも多い。国立がん研究センターによると、2007年以降に登録された院内がんデータでは、2018年の時点で10年生存率は59.4%であり、部位や病期(「ステージ」)により差が大きい[1]
概要

ヒトの身体の細胞は、正常な状態では、細胞数をほぼ一定に保つために分裂・増殖を制御する機構が働いている。腫瘍は、生体細胞の遺伝子に発生した異常に起因して、正常な制御を外れて自律的に増殖を開始したものを指す。腫瘍と正常組織の区画が不明瞭で、異物が組織や細胞内に蓄積する浸潤現象 (Infiltration) が発現し、転移現象が認められる状態を「悪性腫瘍」[2][3]と称する。

治療を施さない場合は全身に転移し、死に至る[2][3]
表記・呼称

腫瘍は良性腫瘍と悪性腫瘍とに分類され、後者を「癌」と称する。癌は、上皮組織系由来の癌腫 (Carcinoma) と非上皮組織系細胞由来の肉腫 (Sarcoma) に分類される。癌腫の診断名は「臓器名(組織名)+癌」で表記される[4]ひらがなの「がん」は悪性腫瘍全体を示し、漢字の「癌」は上皮細胞から発生する癌腫と使い分けられることがあるが、区別はされないことも多い[5]

戦後に定めた当用漢字は「癌」を含まず「がん」が広く一般に用いられ、学問では「癌」を用いたが、「がんは悪性腫瘍の総称、癌は癌腫を意味する」との主張が1990年以前から一部で見られるようになった。日本口腔外科学会は「がんは悪性腫瘍の総称、癌は癌腫を意味する」と定義しているが、内科医の藤田浄秀は、当用漢字による漢字制限と必然的に生じた仮名書きの強制の歴史的観点から「不適切だ」と主張している[4]
国際疾病分類

国際疾病分類の日本語訳では「Cancer」の訳語として、「がん」(「癌」)を当てており、悪性腫瘍一般を意味する[6]

「がん」を意味する「Cancer」は、かに座を意味する「Cancer」と同じ単語であり、乳癌の腫瘍がの脚のような広がりを見せた[7] ところから、「医学の父」と呼ばれるヒポクラテスが「蟹」の意味として「καρκ?νο?」(Carcinos)と名づけ、これをアウルス・コルネリウス・ケルススが「Cancer」とラテン語に翻訳した。

広義の「Cancer」は「悪性新生物」(Malignant Neoplasm) の総称であり、ひらがなで「がん」と表記する[8]。ひらがなの「がん」は、「癌腫」や非上皮由来の「肉腫」(sarcoma)、白血病のような血液悪性腫瘍も含めた広義的な意味で悪性腫瘍を表す言葉として使われており、「国立がん研究センター」、各都道府県における「〇〇県がんセンター」と表記している[9]

広義の「Cancer」は、狭義の「Cancer」にあたる「Carcinoma」(癌腫)、「Sarcoma」(肉腫)、その他(白血病、悪性リンパ腫、骨髄腫、悪性中皮腫)に分けられる[8]

漢字の「癌」は、「岩」の異体字である「嵒」と、病垂との会意形声文字であり、本来は「乳がん」の意味である。触診すると岩のようにこりこりしているからで、江戸時代のころには「岩」と書かれた文書も残っている。

社会の機構や組織について「○○は△△のがんだ」「△△のガン細胞」と比喩表現の1つとして使われることがある[10]
腫瘍

「腫瘍」は国際疾病分類の「Tumor」の日本語訳であり、「生体内において、その個体自身に由来する細胞でありながら、その個体全体としての調和を破り、時に他から何らの制御を受けることなく、又自らの規律に従い、過剰の発育をとげる組織をいう」と定義されている[6]

新生物 (Neoplasm) も腫瘍と同義に用いられており、良性と悪性があり、悪性新生物は癌、癌腫及び肉腫を意味する[6]
医学的分類

癌腫と肉腫の比較癌腫肉腫
由来上皮性非上皮性
発育速度速いより速い
年齢高齢者若年者
転移行性
リンパ行性行性
構造胞巣構造混合

悪性腫瘍の用語は病理学において以下のように分類される。

癌腫 (Carcinoma):上皮組織由来の悪性腫瘍、皮膚の上という意味において、皮膚表面からつながる内臓の内側つまり胃の中、腸の中に発生するものが上皮由来となる。カルシノーマ。

肉腫 (Sarcoma):非上皮組織由来の悪性腫瘍、皮膚の上でない部位、平滑筋の中や後腹膜に発生するものを非上皮由来となる。サルコーマ。

その他:白血病 以上を合わせた悪性腫瘍全体を指し示すのがひらがなの「がん」(Cancer) となる。

主な作用

悪性腫瘍は、

無制限に栄養を使って増殖するため、生体は急速に消耗する。
詳細は「
悪液質」を参照

臓器の正常組織を置き換え、もしくは圧迫して機能不全に陥れる。

異常な内分泌により正常な生体機能を妨げる。
詳細は「播種性血管内凝固症候群 (DIC) 」、「傍腫瘍症候群」、および「高カルシウム血症」を参照

全身に転移することにより、多数の臓器を機能不全に陥れる。

これらに伴い、癌性疼痛を惹き起こすことも多い。
がんの代謝

通常の細胞では、酸素が十分に供給されている時は、ATP合成のエネルギー効率が高いが合成速度の遅いミトコンドリアでの酸化的リン酸化でエネルギー生産を行う。酸素が十分に供給されない時は、エネルギー効率が悪いが速度の速い解糖系によって、エネルギーを得ている。がん細胞は酸素が十分に供給されている環境下でもエネルギー効率の悪い解糖系で活動する。これはワールブルク効果(「ウォーバーグ効果」とも)と呼ばれている。この現象は以前から知られていたが、代謝物を一斉に測定・解析を行なうメタボロミクスによって、非がん組織と比較してがん組織で解糖系の代謝中間体のプロファイルが明らかになり、解糖系の活性化が明確に示された[11]。なお、通常の細胞の代謝に関しては解糖系によるATP合成速度は電子伝達系によるATP合成速度の約100倍の速度を有している[12]

癌組織の多くがブドウ糖代謝に活発(言い換えると、「癌細胞はブドウ糖をエサにして増殖する」)な性質を利用したポジトロン断層法(PET)が、がん診断に利用されている。
疫学2004年における10万人毎の悪性腫瘍による死亡者数(年齢標準化済み)[13] .mw-parser-output .legend{page-break-inside:avoid;break-inside:avoid-column}.mw-parser-output .legend-color{display:inline-block;min-width:1.5em;height:1.5em;margin:1px 0;text-align:center;border:1px solid black;background-color:transparent;color:black}.mw-parser-output .legend-text{}  データなし   55人以下   55人から80人   80人から105人   105人から130人   130人から155人   155人から180人   180人から205人   205人から230人   230人から255人   255人から280人   280人から305人   305人以上

世界保健機関 (WHO) によれば、2005年の世界の5800万人の死亡のうち、悪性腫瘍による死亡は13%(760万人)を占める。死亡原因となった悪性腫瘍のうち、最多のものは肺がんが130万人で、胃がんは100万人、肝がん大腸がん乳がんが続く。悪性腫瘍による死亡は増加し続け、2030年には1140万人が悪性腫瘍で死亡すると予測されている。

日本の原因疾患別死亡者数の割合と順位では1951年から1980年まで30年間1位の脳血管疾患に代わり、1981年から2015年まで35年連続で1位で[14][15][16][17][18][19][20]、2015年度は死亡者数129万0428人のうち、がんによる死者数は37万0131人であり[19][20]、死亡者総数に対する割合は28.7%である。

日本のがん統計[21]死亡数 (2017年)罹患数 (2014年)
男女男女男女男女
1位大腸乳房大腸
2位大腸大腸
3位大腸膵臓大腸
4位肝臓膵臓前立腺乳房
5位膵臓乳房肝臓肝臓子宮前立腺


悪性新生物の主な部位別にみた年次別死亡率(男性・人口10万対)、日本[22]

悪性新生物の主な部位別にみた年次別死亡率(女性・人口10万対)、日本[22]

分類詳細は「癌の一覧」および「ICD-10 第2章:新生物」を参照

「がん」は単一の細胞を起源とし、発生母地となった細胞の種類(組織学的分類)と細胞の身体的部位(解剖学的分類)とで分類できる。
組織学的分類

組織型および各腫瘍組織型の記事を参照。

病期分類は、腫瘍学、癌に詳述がある。
成人のがん細胞のがん化する過程発がん抑制のための生体防御機構

成人の「がん」は通常は上皮組織に形成され、遺伝的あるいは内因的特性を持つ人々が外的要因に曝された影響による長期間にわたる生物学的な過程を経て生じる、と大方の場合は考えられている。肉腫は上皮由来ではないが、悪性腫瘍として癌と同様に検査・診断・加療される。

次に例を示す[注釈 1]:

血液(および骨髄) - 造血細胞悪性腫瘍


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