未来警察ウラシマン
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未来警察ウラシマン
ジャンル
SF
アニメ
原案曽田博久
監督真下耕一(チーフディレクター)
シリーズ構成曽田博久
キャラクターデザインなかむらたかし、加藤茂、井口忠一
メカニックデザイン大河原邦男
音楽風戸慎介
アニメーション制作タツノコプロ
製作フジテレビ、タツノコプロ
放送局フジテレビ系列
放送期間1983年1月9日 - 12月24日
話数全50話
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『未来警察ウラシマン』(みらいけいさつウラシマン)は、1983年1月9日から12月24日まで、フジテレビ系列で全50話が放送された、タツノコプロ制作のSFアニメ

放送時間は1983年3月27日放送分(第12話)までは毎週日曜18:00 - 18:30で、同年4月2日放送分(第13話)より毎週土曜18:30 - 19:00(いずれもJST)に変更された。
概要

本作品は当初、タツノコプロの本流であるメカアクション路線の未来警察ものとして企画されていた[1]タイムスリップタイムパラドックスなどのSF設定や、目が小さく頭身の高いリアル系のキャラクターデザインにもそうしたコンセプトが反映されているが、実際の制作段階ではギャグ主体であった前番組『ダッシュ勝平』の流れから、低年齢層を意識してコミカルな作風が志向され、主人公やサブキャラクターの表情が大きく崩れる演出なども盛り込まれた。一方で中盤以降は主人公の秘密をめぐって当初の企画に寄せたハードな展開がなされるなど、バラエティ豊かなストーリーが展開された。また登場人物も敵味方に関わらずサブキャラクターまで丁寧に描かれた。

当初の企画のハード路線に合わせたキャラクターデザインは、アニメ映画『幻魔大戦』にアニメーターとして参加したなかむらたかしによるものである。大友克洋の画風の影響を受けているなかむらにとって、これが初のキャラクターデザイン作品となった。チーフディレクターの真下耕一とともになかむらの『黄金戦士ゴールドライタン』での仕事は注目を浴びており、『ゴールドライタン』で経験を積んだ若手スタッフにより本作品は制作されている。最終回「サヨナラ2050年」では、エンディングのスタッフロールに、制作に関わった全関係者の名が記されると共に、“そしてこの番組を観て下さった、あなたです!”の意味を込めて最後に「……and You!」の一語が添えられた。

ドイツでは『Rock'n Cop』というタイトルで1995年に放送された。

2012年にはTOKYO MXで、「設立50周年記念 見たい番組はあなたが決める!タツノコプロ名作アニメ総選挙」と称した「(再)放送」の要望を主旨として実施された人気投票が実施され、ノミネートされた10作品の中で最多票を獲得するという根強い人気を見せた。これを受け2012年11月9日よりTOKYO MXにて週一回再放送された。また2013年1月10日からはサンテレビで、毎週月 - 金の週5日再放送された。2022年10月25日よりAT-Xで、毎週月 - 金の週5日(リピート放送は翌週)再放送された。
ストーリー

1983年・東京。警察と派手なカーチェイスを繰り広げていた少年は突如、上空に現れた雷鳴と共に姿を消した。次に少年が姿を表したのは遥か未来、西暦2050年の大都会ネオトキオだった!

自らの記憶の一切を失い困惑する少年は、不審者として刑事・クロードに捕まってしまう。しかし自身が未来でいう「ウラシマ・エフェクト」によりタイムスリップしてきたタイムトラベラー=「ウラシマン」であることが判明した。未来でも未だ未知の部分が多い「ウラシマン」の少年は、「ウラシマ・リュウ」という名を与えられ機動メカ分署「マグナポリス38」による監視のもと刑事となる。リュウは自らの正体と謎を追いつつ、分署長の権藤警部達3人と共に、ネオトキオで暗躍する犯罪組織ネクライムとの戦いに身を投じていく。
ウラシマン

タイトルの「ウラシマン」は後述のウラシマ・エフェクトから命名されている。毎回のオープニングナレーションでは、過去から未来に転移することをウラシマ・エフェクトと定義しており、現実のウラシマ効果とは異なっている。このウラシマ・エフェクトによって超能力を身につけた人間を、2050年の世界ではウラシマンと呼んでいた。そのため第1話の時点で主人公は記憶喪失であり名前が一切登場しなかったにもかかわらず、当初からネクライム側は「ウラシマン」の名で呼んでいた。なお「ウラシマ・リュウ」の名は次回予告が初出であり、エンディングのテロップには第1話時点から「リュウ」の名が使われている。

前述の通り、作中において「ウラシマン」と呼ばれるのは日本昔話の『浦島太郎』がその直接の由来ではないが、一方で以下のように作中では浦島太郎を連想させる描写もいくつか存在する。

「ウラシマ・リュウ」の名は、未来世界を龍宮城に喩えた権藤の提案により第2話で名付けられたもの。

主人公リュウのジャケットの左腕には亀のマークがデザインされている。

フューラーの宇宙要塞シーケイドも亀がモチーフになっている。

乾はるかの漫画版に至っては最終回で浦島太郎と同様な結末を迎えており、リュウは自ら玉手箱を開けたように喩えている。

登場キャラクター
マグナポリス側
ウラシマ・リュウ
- 小林通孝 / 横沢啓子(幼少期)本作品の主人公。年齢設定は16歳。身長168cm、体重58kg、趣味は古いものにこだわること、得意なスポーツはゲートボール[2]。前述の通りウラシマ・リュウの名は仮名で、本名は作中では言及されることはなかったが、下の名前はアキラという説もある。明朗快活で人懐こい性格の正義漢で、銃は撃つ、自動車はかっ飛ばすという破天荒な行動力の持ち主だが、一方で記憶を失っているために、自分の存在に悩むこともあった。サイコレーザー発振器の爆発が生み出したエネルギーの影響で、1983年から2050年にタイムスリップしたウラシマンだが、自分の意志で超能力を使うことは出来なかった。ウラシマンであるがゆえに、後々の超能力発動への対策も兼ねてマグナポリス預かりとなり、なし崩しに機動刑事となる。物語終盤近くでウラシマンとしての力に目覚め、コスモ時空間で1983年の直前まで戻るが、フューラーと一緒に戻ることを拒んで2050年に戻ってきた。
クロード(蔵人)・水沢
声 - 神谷明(ナレーションも兼任)機動刑事。「スーパーウェイの稲妻クロード」と自称する美男子。金髪碧眼でスタイル抜群、しかも秀才。女性の扱いにも慣れており、スマートな立ち居振る舞いをするややナルシストであるが、仕事においては冷静で的確な判断で事件に取り組んでいる。敵の持つ銃だけを狙い撃って手から弾いたり、スティンガー・キャットによる近距離射撃を全てかわすなど、射撃能力や運動能力は非常に高い。当初は交通課で、エリート風を吹かせてリュウと対立するが、次第に砕けたギャグキャラになっていった。一度だけ「うる星やつら」の面堂終太郎の声で「わーん、こわいよ。せまいよ。」と叫ぶことがあった。星座は射手座。
ソフィア・ニーナ・ローズ
声 - 横沢啓子(現・よこざわけい子)機動メカ分署マグナポリス38の紅一点。放送当時(1983年頃)に流行っていたぶりっ子言葉(キャイーン)を多用する。星座は双子座。当初は刑事ではなく見習いシスター(修道女)だったが、権藤警部にスカウトされて最初は秘書として採用、その後機動刑事になった。弱いながらも予知能力を持っており、リュウに何らかの影響を与えることを期待されていた。
権藤 透(ごんどう とおる)
声 - 大平透機動メカ分署マグナポリス38の創設者であり、分署長を兼ねる警部。禿頭で肥満体、くわえタバコがトレードマークのオヤジだが、熱意と先見の明はある。数々の専用装備を持つ機動メカ分署は“予算の食い過ぎ”と批判されていたこともあり、リュウやソフィアなどの素性の怪しい人物を雇わざるを得なかったらしい。「おやっさん」とリュウ達に慕われている。メルモという名の娘がいたが、ネクライムにより幼少時に亡くしている。
ミャー
声 - 勝生真沙子リュウとともにタイムスリップしてきた猫。ウラシマ・エフェクトによる超能力があると推測され、ネクライムに拉致されたこともある。タイムスリップ前は若き日のフューラーの飼い猫であり、タイムスリップ後はリュウの飼い猫となる。
ネクライム側
アドルフ・フォン・ルードヴィッヒ
声 -
塩沢兼人27歳。ネオトキオを影で牛耳る犯罪組織・ネクライムの極東支部(通称「クリスタル・ナイツ・ネクライム」)の幹部。「悪の美学」を追求する、才覚にあふれた野心家であり、物語後半ではフューラーを冷凍カプセルに閉じ込め宇宙に追放し、二代目ネクライムの総統の座に就任。犯罪組織ネクライムをクリスタル・ナイツ・ネクライムに改めた。しかし物語終盤にて、フューラーがコスモパワーを身につけて帰還、さらにその際に記憶を取り戻したミレーヌの裏切りに遭い死亡し、クリスタル・ナイツ・ネクライムも壊滅した。もっとも、これはマグナポリス38、フューラー、クリスタル・ナイツ・ネクライムによる三竦み状態を回避し、ウラシマンとフューラーを戦わせるために打った、本人曰く「命を賭けたダブル・トリック」でもあった。そしてフューラーとウラシマンの戦いに決着が付いた後、深手を負いながらも生き延びていたルードヴィッヒは再びリュウたちの前に現れ、「悪の美学」の不滅とゼロからの再起を宣言する。ルードヴィッヒのキャラクターは、ルキノ・ヴィスコンティ監督の映画『ルートヴィヒ(邦題『ルートヴィヒ/神々の黄昏』)』でルートヴィヒ2世役を演じた、ヘルムート・バーガーがモデルとなっている[3]
ミレーヌ・サベリーエワ
声 - 北浜晴子常にルードヴィッヒの側に付き従う妙齢の美女。都会的でスタイリッシュな容姿、セクシーな大人の女という雰囲気を漂わせ、所作や話し方も賢明で落ち着いている。実はフューラーの娘であり、記憶を消されてルードヴィッヒの監視役になっていた。物語終盤にて、フューラーがコスモパワーを身につけて戻ってきた際、フューラーによって記憶を取り戻しルードヴィッヒを裏切るが、彼が復活した後によりを戻している。
ジタンダ・フンダ
声 - 田中真弓ルードヴィッヒの忠実な部下である、運転手兼執事のような人物。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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