未来のミライ
Mirai
監督細田守
脚本細田守
原作細田守
製作齋藤優一郎
伊藤卓哉
足立雄一
川村元気
製作総指揮高橋望
出演者上白石萌歌
黒木華
星野源
麻生久美子
吉原光夫
宮崎美子
役所広司
福山雅治
神田松之丞
音楽高木正勝
主題歌山下達郎
オープニングテーマ「ミライのテーマ」
主題歌「うたのきしゃ」
編集西山茂
制作会社スタジオ地図
配給東宝
公開 2018年5月16日(監督週間)
2018年7月20日
上映時間98分
製作国 日本
言語日本語
興行収入28.8億円[1][2]
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『未来のミライ』(みらいのミライ)は、細田守が監督・脚本を務めた[3]、2018年の日本のアニメーション映画[4]。声の出演は主人公のくんちゃん役を上白石萌歌が務めたほか、黒木華、星野源、麻生久美子、吉原光夫、宮崎美子、役所広司、福山雅治ら[5]。主人公は甘えん坊の4歳の男の子。妹が生まれて両親の愛を奪われたように感じて寂しい思いをしていたところに、未来から中学生の姿の妹がやって来た。そこから始まる家族と時空の旅の物語[6][7][8]。
東宝配給により2018年7月20日に劇場公開された。アカデミー賞長編アニメ映画賞、ゴールデングローブ賞アニメ映画賞にノミネートされ、アニー賞長編インディペンデント作品賞、日本アカデミー賞最優秀アニメーション作品賞を受賞した。 兄妹をモチーフとして血のつながった親子の中での家族の再編をテーマに描いている[7][9]。アイデアのベースは細田自身の2人の子供。彼らのリアクションを見ていると、この世の中は何か豊潤な良いものがたくさんあふれているのではないか気づかされ、そういう世界の広がりを映画を見る人と共有できれば、との思いで作っているという[6]。また細田は本作で、大人や「キャラ」を描くことが役割となってしまった日本のアニメーション界では難しくなった「子供を描く」ということに挑戦している[10]。 映画の舞台は横浜市で、中でも中心部から少し外れた磯子区や金沢区近辺になる[11]。 出産のため、しばらく入院していたおかあさんが帰ってきた。主人公のくんちゃんは初めて見る妹に興味を示し、おかあさんに「仲良くしてね」「守ってあげてね」と言われ、約束する。しかし、おとうさんとおかあさんは「未来(みらい)」と名付けられた赤ちゃんの育児に追われるため、どうしてもくんちゃんのことを後回しにしてしまいがち。 そんな日々が続いたことで、ミライに嫉妬感を覚えたくんちゃんは、動物の形をしたクッキーをミライちゃんの顔に並べたり、ほっぺたを引っ張ったり、指で鼻を押したりとミライの顔で遊び、おかあさんに止められる。その腹いせにオモチャの新幹線で頭を敲くなどの癇癪を起こしてまた止められる。疎外感を感じて、家に自分の居場所が無いように感じたくんちゃんは、庭に逃げる。すると、一人の男がくんちゃんに話しかけてきた。それは人間の姿になった飼い犬のゆっこだった。ゆっこはくんちゃんの感じている感情を嫉妬だと言う。色々やっている内にくんちゃんは尻の辺りに犬のしっぽらしきものが生えていることに気付いた。思わずそれを毟り取って、試しに同じとこに付けてみると全身が犬のようになり、そのままひと暴れしたことで気は収まり、くんちゃんが伝えたことでゆっこの待遇も向上した。くんちゃんはその後も、未来からやってきたセーラー服姿のミライが嫁に行き遅れないためゆっこと共にひな人形を片づけ、母親の子供時代に行って一緒に騒ぎまくったり、曽祖父の馬やバイクに乗ったりといった不思議な体験をしつつ成長していく。 ある日、キャンプに行こうと思っていた太田家だが、くんちゃんはお気に入りのスボンが洗濯中で履けないことから、だだをこねてしまう。家出をしたくんちゃんは寂れた駅で1人の高校生に会う。しばらく話している内に不思議な電車が来たのを見かけるが、それには乗るなと言われた。しかしその言い方が癪に触ったのか乗ってしまった。その行き先は巨大な東京駅で切符もなく、迷子になってしまう。迷子センターは見つからず、遺失物センターへ向かった。その遺失物係に肉親の名を問われるも何も答えられず、「ひとりぼっちの国」送りとなる。くんちゃんは禍々しい装飾をした新幹線に引きずりこまれ、その乗客の骸骨達と共に強制移送されそうになる。しかし、自分がミライの兄であることを自覚し、その新幹線から妹を守って決意を固めたことで、遺失物係は未来のミライを呼び出して、くんちゃんとミライは再会する。ミライはくんちゃんを連れて飛び立ち、時空の道しるべからそれらの時代を探り当て、くんちゃんも元の時代へと帰っていく。 劇中では、登場人物は未来(ミライ)と飼い犬のゆっこを除き、主人公のくんちゃんを筆頭に全員が愛称・渾名・俗称で呼ばれている。
概要
ストーリー
登場人物
くんちゃん〈4〉
声 - 上白石萌歌本作の主人公。本名は太田 訓(おおた くん)。生まれてきた妹に両親の愛情を奪われ、戸惑う。ある日、飼い犬のゆっこが人間の姿になった謎の男に出逢い、続いて「ミライ」と言う少女とも出逢い、時空を超えた冒険の旅に出る。電車が大好きで電車の名前を覚えている。お父さんに妹の名前は何が良いと聞かれた際は「のぞみ」、「つばめ」等新幹線の列車名を挙げている。いつも電車のおもちゃで遊んでいて、度々このおもちゃに関するトラブルも発生する。オレンジ色の201系をデフォルメしたイラストが描かれた服を持っている。なお、原作小説にはくんちゃん誕生の際に「命名 訓」という漢字が当てられている。また、幼稚園の名札には「おおた くん(太田訓)」と書かれている。
ミライちゃん〈14〉
声 - 黒木華、本渡楓(幼少期)本作のヒロインでくんちゃんの妹。未来から来た中学3年生[12]の少女がくんちゃんを「お兄ちゃん」と呼ぶ。右手の手首側近くから親指の付け根の下にかけてアザがある。
おとうさん
声 - 星野源育児のために在宅にて建築設計の業務を行う設計士。仕事と育児の両立を目指し日々、取り組んでいる。抱っこが苦手。
おかあさん
声 - 麻生久美子仕事や育児で大忙しだが、ベストを尽くそうとする。片付けが苦手。劇中には写真でのみ登場する「よういち」[注 1]という弟がいる。
ゆっこ
声 - 吉原光夫太田家のペットでクリーム色のイギリス系ミニチュアダックスフント。オス。くんちゃんが産まれるより前から夫婦と一緒にいる。おかあさんがペットショップで一目惚れし、おとうさんは渋々承諾した。
謎の男
声 - 吉原光夫くんちゃんが庭先で出逢った、奇妙な出で立ちをした男。愛情に飢えているらしく、「自分はかつてこの家の王子だった」と話す。実は飼い犬のゆっこが人間体になった姿である。
ばあば
声 - 宮崎美子くんちゃんの祖母。二人目を出産するおかあさんの代わりにくんちゃんとゆっこの面倒をみる。おとうさんの設計した自宅のデザインが好きではない。幼少期の母に会った際に、姿は見ていないが大きな怒鳴り声を聞いている。
じいじ
声 - 役所広司くんちゃんの祖父。ひなまつりの日に孫に会いに来る。未来の写真を撮ろうとするも、くんちゃんに邪魔された。
ひいばあば
声 - 真田アサミ
青年
声 - 福山雅治くんちゃんが時空の旅先で出逢った若者。足を引きずって歩く。くんちゃんに大きな影響を与える。実はくんちゃんの曽祖父の若き姿である。足を引きずる理由は戦傷によるもの。曾祖母との馴れ初めは、太田家ではかけっこに勝ったら結婚するという約束をして勝ったと伝えられているが、足が悪い曽祖父が勝つわけがないと信じられていなかった。実際には、曾祖母がかけっこの途中で足を止め、プロポーズを承諾していたということが明らかになった。
少女[注 2]
声 - 雑賀サクラ[13]くんちゃんが時空の旅先で出逢う少女。2人で部屋中をしこたま荒らしたことで相当激しく怒られた(その際、こっそり裏口から逃がしている)。実はくんちゃんの母の幼き頃である。
男子高校生[注 2][注 3]
声 - 畠中祐くんちゃんが時空の旅先であるJR根岸線磯子駅の待合室で出会った、ぶっきらぼうな話し方をする男子高校生。実は高校生になったくんちゃんである。
東京駅の遺失物受付センターのロボット[注 2]
声 - 神田松之丞(現:6代目神田伯山)くんちゃんが時空の旅先である東京駅で出逢うロボット。
東京駅のアナウンス
声 - 田中一永[14]
新幹線
声 - 中村正
男の子たち
声 - 盛永晶月、小山春朋、斎藤來奏
その他声の出演
声 - 山像かおり、玉川砂記子、井上肇、加藤虎ノ介、ラルフ鈴木、森圭介、岩本乃蒼、尾崎里紗、原舞歌、横山歩夢、内田珠鈴、吉川正洋、ビアンカ・アレン