未成年_(テレビドラマ)
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未成年
ジャンル
テレビドラマ
脚本野島伸司
演出吉田健
加藤浩丈
金子与志一
出演者いしだ壱成
香取慎吾
反町隆史
河相我聞
北原雅樹
桜井幸子
遠野凪子
朝岡実嶺
浜崎あゆみ
谷原章介
宇梶剛士
西岡徳馬
音楽千住明
エンディング#主題歌を参照
製作
プロデューサー伊藤一尋
制作TBS

放送
放送国・地域 日本
放送期間1995年10月13日 - 12月22日
放送時間金曜 22:00 - 22:54
放送枠金曜ドラマ
放送分54分
回数11
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『未成年』(みせいねん)は、TBS系列の「金曜ドラマ」枠(毎週金曜日22:00 - 22:54、JST)で1995年10月13日から12月22日まで放送された日本テレビドラマ。主演はいしだ壱成

同年代の若者5人を中心に、青春の過程で起こる様々な苦悩と葛藤を生々しく描いたこの作品は、出演芸能人の出世作としても知られている。後年歌手として大ブレイクした浜崎あゆみの数少ない女優出演作のひとつでもある。全11回。
概要

野島伸司が脚本を手がけた1993年の『高校教師』、1994年の『人間・失格?たとえばぼくが死んだら』と、このドラマを合わせて、一般的に『TBS野島三部作』という[1]。後年の『聖者の行進』(1998年)などを含む場合は、『TBS野島伸司シリーズ』という。

若者の青春群像劇として人気を獲得。平均視聴率は20.0%、第8回は最高視聴率23.2%(関東地区 ビデオリサーチ調べ)を記録した。

本放送では「罪を犯した登場人物が未成年であるにもかかわらず容疑者として実名・顔写真がニュースで公開される部分」を、ビデオ・DVD版では別のカットに差し替えている[注 1][注 2]

後年、中居正広は本作を「慎吾が出てたドラマの中で一番好き」と絶賛している[2]。但し、2015年6月27日に放送された『音楽の日』にSMAPとして出演した時、SMAPメンバー主演のドラマ特集と称し、本作品の映像が流れた際に香取演じる室岡仁の愛称の「デク」を、同じく香取が主演を務めたドラマ『ドク』と言い間違えるハプニングがあり、司会の安住紳一郎(TBSアナウンサー)から「『ドク』は他局です!」とツッコまれる一幕がある。

主題歌や挿入歌にはカーペンターズが使用され、ベスト盤の売り上げも好調で、再びスポットが当たるきっかけとなった。また、第1回の放送では、当時結成されたばかりのTHE HIGH-LOWSのライブ会場でロケが行なわれた。
登場人物

本作は過去の野島作品出演者が多数出演している。

また、新村萌香役の桜井幸子は、野島三部作全作に出演している。
主要人物
戸川博人(とがわ ひろと)
演 -
いしだ壱成主人公。通称ヒロ。18歳。東京開叡高校の3年D組[3]の生徒。出来のいい兄とは表向き仲は良さそうだが、内心コンプレックスを抱いている。また長年父から兄と比べられてきたことが影響して、現在は何事にも無気力で世の中を冷めた目で見ている。友達思いだが喜怒哀楽のはっきりした性格で、怒ったかと思えば直後に涙するなど感情の落差が激しい所がある。萌香に出会った直後に恋心を抱き、その後彼女が兄の恋人と知るが片思いを続ける。インディ・ジョーンズ考古学が好きで、自室には同作の映画ポスターやはにわを模した置物も飾っている。デクの事件後、仲間と共に金山町(福島県)[4]にある廃校で逃亡生活を送る。最終回で萌香を失う。
室岡仁(むろおか じん)
演 -
香取慎吾通称デク[注 3]。18歳。幼い頃、頭に深い傷を負った知的障害者。動物好きで陽気で心優しい性格。好奇心旺盛なことに加え良くも悪くも行動力があるため、仲間との行動時にフラッとどこかへ行くこともしばしば。学校には行っていない。知的レベルは小学校低学年ぐらい[5]で、普段は短い単語やジェスチャーで周りの人と会話している。ゲーム パチンコが得意。『オバケのQ太郎』のキャラクター・O次郎(Q太郎の弟)の絵が大きく描かれたTシャツと、SCARED GUY(スケアード・ガイ)のTシャツがトレードマーク。また、おもちゃの腕時計とカメラ[注 4]を携帯している。物語の冒頭で、格闘ゲーム機で偶然ヒロと対戦して親しくなり、彼の高校の敷地内で放課後近くになると待ち伏せするようになる。子ども達がカメに爆竹を付けて爆発させようとした所を間一髪で飛び込みその亀を助けたことが原因で、それ以降いじめのターゲットとされ、石を投げつけられたり万引きを強要されたりする。この時のカメをペットとして飼い始め、竜宮城に憧れるようになる[注 5]。第8話で五郎からもらった拳銃で銀行強盗傷害事件を起こす。
坂詰五郎(さかづめ ごろう)
演 -
反町隆史通称ゴロ。18歳。ヒロの中学時代の同級生で暴力団の構成員。それゆえに口より先に手が出ることもあるが、義理人情に厚く、嘘や曲がったことが大嫌い。中学時代、学校で濡れ衣を着せられた時にヒロが庇ってくれた事から、ヒロには強い恩義と信頼を寄せている。またこの頃、傷害事件を起こして少年院に入っていた。ソープ嬢のアリサと同棲し、近いうちに堅気になることを考えている。学校にほとんど通っていないためか、漢字が読めない欠点もあり、就職活動では苦労する。後日、花の配送センター「アイリーフラワーセンター」で働き始める。子供の頃の将来の夢は、漁師。アリサの写真入りロケットペンダントを身に着けている。堅気の仕事を始めた後、職場に刑事が来るようになったことと、同僚に背中の刺青を見られたことで職場に居づらくなり、ヒロたちの逃亡に加わる。10話のラストで警察官に撃たれ死去したと思われていたが、11話のラストシーンで、実は生きていたことが発覚。[注 6]
神谷勤(かみや つとむ)
演 -
河相我聞通称・優等生[注 7]。18歳。有名進学校に通う高校3年生。かなり成績優秀で、東京大学理科一類の模試でA判定を取っている。自身の痴漢騒動でヒロが巻き込まれた[注 8]ことで知り合い、恋心を抱く瞳との交際に協力してもらったことで親しくなる。理屈っぽい性格でプライドが高いが、母親の前ではいい子を演じている。趣味はクロッキーで、作中では主に瞳を描いている。子供の頃の将来の夢は、バスの運転手。母親からの過剰な期待と溺愛にがんじがらめになり、葛藤する。瞳と恋人関係になるが、彼女から妊娠の話を聞いて悩み始める。以前から現代社会が抱える問題などについて深く考えているが、逃亡生活する中で徐々に社会への不満を募らせていく。(その影響で五郎に発砲したことがある。)
田辺順平(たなべ じゅんぺい)
演 -
北原雅樹通称インポ[注 9]。18歳。ヒロのクラスメイトで野球部所属。お調子者でスケベで鈍くさいが、臆病な性格なことから卑怯な行動を取ることがある。野球部の練習で大変なのか、授業中は早弁や居眠りをしていることが多い。野球部の練習に熱心だが補欠で、夏の甲子園の地区大会前にベンチ入りとなる。高校1年生の頃から加代子に片想いしているが、基本的に女好きで他の若い女性やエッチな写真を見るたびに興奮している。(4話など)実家は精肉店で、将来は店を継ぐ予定。その後ヒロとの友情と加代子への愛情との狭間で気持ちが揺れ動く。部屋には女性の裸体のポスターが張ってある。
新村萌香(にいむら もか)
演 -
桜井幸子ヒロイン。通称モカ。21歳。同光大学文学部心理学科の大学2年生。ひょんなことからヒロと知り合うが、後日辰巳の恋人と判明する。ヒロの家庭教師を頼まれて、週3日戸川家に訪れるようになる。先天性の心臓病を抱え、胸には手術の痕が残る。中学1年生で心臓の手術を受けた後、療養所で生活したため高校に行けず大学検定合格を経て大学生となった。病気の影響で、冒頭では辰巳とはキスまでの関係。現在は恋人の辰巳にも病気のことを隠しながら、定期的に病院で検査や薬物治療を受けている。大らかで母性的な性格であるが、根は頼もしく、デクをいじめていた小学生をドスの利いた言葉で一喝した。障害があるデクに対し、「私と同じく大きな傷がある」として共感している。主治医・見城からは「とても純粋で頑張り屋な性格」と評されている。自身の境遇から「冒険」を夢見る。子供の頃の将来の夢は、アシスタント。その後色褪せた人生を送りたくないとの思いや、ヒロを愛する気持ちに気づいたことから彼の逃亡生活に加わる。11話で心臓病で死去したという描写[注 10]はあるものの、ラストシーンでカメラで5人を撮影するシーンがある(幽霊的描写)
安西加代子(あんざい かよこ)
演 -
遠野凪子通称カー子。18歳。ヒロと順平のクラスメイトで、彼らとは高校3年間同じクラスに所属してきた。高校卒業後は一人暮らしするため、ファストフードでバイトをしている。男にだらしのない母に苛立つが、学校に内緒で自身も売春に手を出し女子大生と偽って[注 11]デリヘルでバイトをしている。ヒロに行き過ぎた片想いをしており、一方的に萌香をライバル視したり、彼の気を引く為に順平などを利用し始める。
アリサ(ありさ)
演 -
朝岡実嶺21歳。五郎の恋人でソープ嬢。「みやこ荘」という安アパートで五郎と質素な生活を送っている。思いやりのある性格で恋愛に関しては一途で、五郎の身を常に案じている。五郎を好きになった理由は本人も分からないとのことだが、「五郎ちゃんといるだけで幸せ」と感じている。ヒロや順平に恋愛の相談に乗り、一人の女性として色々と助言する。五郎がヤクザから足を洗った後、婚約する。7話で五郎が刺されそうになったのを庇って死去した。(享年21)。
田畑瞳(たばた ひとみ)
演 -
浜アあゆみ通称ひとみ。18歳。有名女子校に通う令嬢。勤と恋人関係となった直後、以前勉強を教わっていた家庭教師との間に出来た子供[注 12]を身篭っていることが判明する。バレエ教室に通っている。政治家としての体裁を気にする洋造に反発し、自分の考えを主張するなど強気な所もある。その後勤と自身の親から交際を快く思われず、赤ん坊の命の危険も感じたことから彼と共にヒロたちの逃亡生活に加わる。その後冬を迎えた頃に35周目の早産の兆候が現れる。
主要人物の身内
戸川辰巳(とがわ たつみ)
演 -
谷原章介22歳。大学4年生。ヒロの兄で萌香の恋人。萌香と同じく同光大学に通い、ラグビー部主将を務める。弟思いな性格で容姿端麗で勉強もスポーツも優秀な万能人間で、ヒロに対して「やる気を出していないだけで、やればできる」と評している。しかし本性は冷酷で、萌香に隠れて“ゆり”という女子大生とも関係を持っている。冒頭では大学ラグビー部の合宿所で暮らしており、恋人の萌香を家族に紹介するため久しぶりに帰宅する。ポジションは、スタンドオフ。作中では、神戸製鋼所ラグビー部から誘われるほどの実力がある。大学卒業後もラグビーを続ける予定で、萌香にアスリートの妻として食事の管理や精神的支えとなってくれるようプロポーズする。
戸川芳史(とがわ よしふみ)
演 - 西岡徳馬55歳。ヒロと辰巳の父。妻と離婚しており、現在は食事の世話などは家政婦にしてもらっている。大学時代ラグビーの日本代表選手に選ばれたことがあり、現在はラグビー連盟の理事を務める。出来のいい辰巳に目をかけ、ヒロを歯痒く思っている。ヒロについて「いつも何かに不満そうな顔が、別れた妻にそっくり」と快く思っていない。ヒロによると「時々ネチネチと嫌味ったらしく小言を言ってくる」とのこと。
新村武郎(にいむら たけお)
演 - 宇梶剛士萌香の兄。警視庁富士見警察署刑事。アパートの202号室で萌香と二人暮らししている。刑事だった父親がヤクザ同士の争いに巻き込まれて殉職したため、ヤクザを強く憎んでいる。特に五郎に対しては敵対心を抱き、作中で彼が傷害事件を起こしてから目をつけ始める。萌香を大事に思っているが仕事では暴力も辞さない人物で、容疑者の取り調べでは恫喝したり眠らせないなどの手荒い方法を使う。また、「一度罪を犯した者は罪悪感が薄れて同じ犯罪を繰り返す」という考えを持つ。ヒロたちの逃亡生活では、“萌香が彼らに無理やり人質として連れて行かれた”と疑い、捜査にあたる。
神谷真紀子(かみや まきこ)
演 - 高林由紀子勤の母親。夫は海外に単身赴任しており、勤と都内のタワーマンションで暮らしている。勤に対して非常に過保護で、息子を“さん”付けで呼んだり「私がいないと何にもできない」と思っている。勤が東大に合格することを生きがいにしている。夫に愛人がおり夫婦仲は冷え切っている[6]。物語の前半で勤と親しくする女性(瞳)の存在に気づくが、自身と息子との生活にとって邪魔な存在と認識する。言葉遣いは上品で一見すると穏やかだが、勤に期待するあまり徐々に常軌を逸した行動を取り始める。(瞳の子供を殺害しようとするなど)
室岡邦博(むろおか くにひろ)
演 - 六平直政デクの父親。自宅で小さな町工場「室岡製作所」を営むが、現在は不景気で業績が悪く借金に苦しんでいる。数年前の景気が良かった頃は従業員が6人いたが、現在は自身と1人の外国人労働者で作業をしている。優しい性格のデクを可愛がっている。ちなみに自宅1階には、「クロード」と「ピヨ吉」と名付けた2羽のヒヨコを飼っている。
室岡貴子(むろおか たかこ)
演 - 山本道子デクの母親。専業主婦。日常の家事に加えて、毎日外出するデクのために弁当を作って持たせている。夫の工場に融資の返済の目処を聞きにやって来る銀行員への気苦労が絶えない。悪い人ではないが、現在は上記のお金のことや今後の生活への不安などから、夫やデクに対してつい語調がきつくなることがある。
田辺健(たなべ けん)
演 - 阿南健治順平の父親。夫婦で肉屋を営んでいる。江戸っ子気質な性格。妻から順平が店を継ぐつもりらしいという話を聞いて喜ぶ。事件後の親たちの集まりでは、事件を起こした順平のことを嘆き、主犯とされるデクの父・邦博に厳しい言葉をぶつける。
田辺波子(たなべなみこ)
演 - 大井小町順平の母親。
田畑洋造(たばた ようぞう)
演 - 勝部演之瞳の父親で、国会議員。議員としての地位を大事にしており、イメージダウンを恐れている。物語の中盤で知らぬ間に瞳が妊娠していたことを知り激昂する。翌年に選挙を控えている。瞳から「保身のためなら何でもする人」と評されている。娘のことを可愛がってはいるが、父親より政治家としての判断を優先することがある。プライドが高く一般人に対して横柄な態度を取り、見下すような発言をしている。
田畑裕子(たばた ゆうこ)
演 - 田島令子瞳の母親。裕福な生活をしており家事は雇っている家政婦に任せている。揉め事や暴力行為は嫌いで、瞳の妊娠を知って立腹する洋造とそれに反発する娘との間でうろたえる。政治家の妻として洋造を支持する立場を取り、瞳のことよりまず田畑家の将来を心配する。
安西真理子(あんざい まりこ)
演 - 高沢順子加代子の母親。自宅の1階でスナック「来夢」(らいむ)を経営し、バーテンと2人で店を切り盛りしている。素行の悪そうな中年男と付き合っており、時々客として訪れる彼と2階の自室で男女の関係を持っている。また彼の気持ちを離さないため、以前加代子を抱かせたこともある。加代子からは「化粧で若作りしてるけど結構年いってる」とのこと。男にだらしないことから加代子に嫌われており、第三者の前では「あの人」呼ばわりされている。
その他
見城雅宏(けんじょう まさひろ)
演 -
小木茂光心臓外科医。萌香の主治医。幼い頃から目をかけ、萌香が中学1年生の頃に心臓に人工弁を付ける手術を担当し、10代の頃に情操教育を施し、現在も彼女の診察や体調面での相談に乗っている。数年前の事故により先立たれた妻との間に、来年幼稚園に入園予定の娘がいる。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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