この記事には複数の問題があります。改善
やノートページでの議論にご協力ください。朝鮮語の音韻(ちょうせんごのおんいん)では、韓国語・朝鮮語のうち大韓民国の標準語(以下「南の標準語」)の音韻に関して記述する。必要に応じて朝鮮民主主義人民共和国の標準語(「文化語」、以下「北の標準語」)の音韻に関して補う。
標準語の発音は南北ともに条文化された規範によって規定されている。その意味では、標準語の発音とは手本となるべき一種の「理想音」と言うことができる。しかしながら、実質的には南の標準語の発音はソウルの発音に基づき、北の標準語の発音は平壌の発音に基づいている。
音素
母音
単母音【図1】朝鮮語の母音音素と実際の音声。???(1996)に基づく。
標準語における単母音の音素は以下の10種類である。
音素代表的な音声例
? /a/[a]?? /ai/ [ai] (子ども)
? /?/[?/?]?? /?di/ [?di] (どこ)
? /o/[o]?? /oi/ [oi] (きゅうり)
? /u/[u]?? /uri/ [u?i] (我々)
? /?/[?]? /g?/ [k?] (その)
? /i/[i]?? /ima/ [ima] (ひたい)
? /?/[?]? /h?/ [h?] (太陽)
? /e/[e]?? /nue/ [nue] (蚕)
? /o/[o]? /so/ [so] (鉄)
? /u/[y]? /u/ [y] (上)
【注】/ / は音素表記、[ ] は国際音声記号による音声表記を表す(以下同じ)。なお、音素表記は本項目独自のものであるため必ずしも一般的ではない。
それぞれの音素について、より厳密には以下の通りである。
/a/ は中舌寄りの [?] である。
/?/ はソウル方言では唇の丸めがより弱い [?] であり、平壌方言では唇の丸めがより強い [?] である。
韓国ではほぼ全域において、老年層を除き /?/(広い「エ」)と /e/(狭い「エ」)の区別が失われ、ともに同一の音で発音される。その音声は [?] と [e] の中間音で、日本語の /e/ (エ)に近い(【図1】の「1」参照)。また、ソウル方言、平壌方言ともに /o/、/u/ が存在しない。これらの方言では通常、/o/ は [we] (平壌方言では [w?])で現れ、/u/ は [wi] で現れる。従って、現代の非老年層におけるソウル方言では、単母音は最も少ない話者で7種類(/a,?,o,u,?,i,e/)となっている。 長母音は単語の第1音節にのみ現れる。ソウル方言の場合、老年層は母音の長短によって単語の意味を区別しうるが、非老年層は母音の長短の区別がなく、おしなべて短母音で現れる。 なお、老年層におけるソウル方言の場合、/?/ の長母音の音声は [??] で現れ、短母音の場合と異なる音声で現れるのが特徴である(【図1】の「2」参照)。 朝鮮語には /y/ [j] と /w/ [w] 2つの半母音がある。研究者によっては半母音を認めず、半母音と単母音の結合を二重母音(上昇二重母音)と見なす場合もある。 単母音? /?i/ という音の連続は「半母音+単母音」と見ず、二重母音と見なす見解が一般的である。しかしながら、/?i/ はソウル方言では単母音化して /?/(語頭で) あるいは /i/(非語頭で) と現れる場合が多い。
長母音
? /nun/ (目) ― ? /nu?n/ (雪)
? /s?/ (新しい) ― ? /s??/ (鳥)
? /pam/ (夜) ― ? /pa?m/ (栗)
? /pal/ (足) ― ? /pa?l/ (簾)
? /mal/ (馬または枡、斗) ― ? /ma?l/ (言葉、言語)
?? /t??k?t'a/ (書く) ― ?? /t???k?t'a/ (少ない)
?? /?isa/ (議事または医師) ― ?? /?i?sa/ (意思または義士)
?? /??r?n/ [????n] (大人)
半母音と二重母音
/a/?
/?/?
/o/?
/u/?
/?/?
/i/?
/?/?
/e/?
/o/?
/u/
/y/+母音?
/ya/?
/y?/?
/yo/?
/yu/?
/y?/?
/ye/
/w/+母音?
/wa/?
/w?/(?)
(/wi/)?
/w?/?
/we/
?? /?isa/ (医者)― ソウル方言 /?sa/
?? /ye?i/ (礼儀)― ソウル方言 /yei/