朝鮮キネマ株式会社種類株式会社
市場情報消滅
本社所在地 大日本帝国 朝鮮
釜山府本町5丁目19番地
(現在の釜山広域市中区東光洞5街)
設立1924年7月11日
事業内容映画の製作・配給
代表者名出音一
朝鮮キネマ株式会社(ちょうせんキネマ-、1924年7月11日 設立 - 1927年 倒産)は、かつて存在した日本統治時代の朝鮮(現在の大韓民国)の映画会社である。 1924年(大正13年)7月11日、当時日本が統治していた朝鮮・釜山府本町5丁目19番地(現在の釜山広域市中区東光洞5街)に設立される[1]。同府内・西町二丁目12(現在の中区新昌洞2街12 )に存在した日蓮宗妙覚寺の別院・日蓮宗妙覚寺[2]の婿養子に入った高佐貫長(のちの高佐日煌
目次
1 略歴・概要
2 おもなフィルモグラフィ
3 Chosun Kinema
4 関連事項
5 註
6 外部リンク
略歴・概要
取締役に就任した高佐は、撮影所を統括し、「王必烈」のペンネームで脚本を書き、映画を監督した[1]。高佐の映画製作に関する素養は、横浜の大正活映でトーマス・栗原に薫陶を受けたものとされる[1]。同年、設立第1作として『海の秘曲』を日活と提携製作、同年11月24日に東京・浅草公園六区の三友館等で劇場公開された[4]。
1926年(昭和元年)に製作した『アリラン』は同年10月1日に公開され[1]、本土の上映は、当時メトロ・ゴールドウィン・メイヤー(MGM)の輸入代理店であったヤマニ洋行が行うべく、同年12月22日に検閲を受けた記録がある[5]。
1927年(昭和2年)、倒産する。高佐は釜山・妙覚寺を去って本土に戻り、『日宗新報』の主筆となるが同志は同年廃刊となっている[3]。
Internet Movie Databaseの Chosun Kinema の項に掲載されている1935年(昭和35年)以降の作品[6]との関係は#Chosun Kinemaの節に詳述する。 中田久人 Internet Movie Databaseの Chosun Kinema の項には、朝鮮キネマ株式会社が製作した作品である『アリラン』(Arirang
おもなフィルモグラフィ
『海の秘曲』 : 監督尹白南、脚本王必烈(高佐貫長)、1924年11月24日
『寵姫の恋』 : 監督・脚本尹白南、1925年1月17日
『一神の装い』 : 監督李慶孫、脚本王必烈、1925年3月28日
『村の英雄』 : 監督・脚本王必烈、1925年10月19日
『闇光』 : 監督王必烈、1925年[8]
『籠の中の鳥』 : 監督李圭?、脚本津村秀一(羅雲奎)、1926年6月19日
『アリラン』 : 監督・脚本羅雲奎、1926年10月1日
『風雲児』 : 監督羅雲奎、脚本五奎女史、1926年11月1日(12月18日とも[9])
『仮面踊り』 : 監督羅雲奎、脚本沈薫、1927年
『野鼠』 : 監督・脚本羅雲奎、1927年4月14日
『金魚』 : 監督羅雲奎、脚本金容国、1927年8月6日
『角のとれた飴牛』 : 監督金兌鎮、脚本金兌鎮、1927年11月5日
Chosun Kinema
なかでも1943年(昭和18年) - 1944年(昭和19年)の時期の作品群、Portrait of Youth, Geogyeong jeon, Byeong jeongnim はそれぞれ、『若き姿』(1943年、監督豊田四郎)、『巨鯨伝』(1944年、監督方漢駿)、『兵隊さん』(同)であり、これらは1942年(昭和17年)9月に日本が朝鮮に設立した国策映画会社「朝鮮映画製作株式会社」の作品が、混同されているものである[10]。
1935年(昭和10年) - 1936年(昭和11年)の時期の作品群、Salsucha, Fig Tree, Shadow, Incident of the 7th Bamboo Flute の4作は、それぞれ『撒水車』(1935年、監督方漢駿)、『無花果』(同年、監督羅雲奎)、『影』(同)、『七番通小事件』(1936年、同)であるが[6]、製作会社については不明である。上記国策会社とも異なる「朝鮮映画株式会社」が設立されたのは、1937年であるので、これには当たらない[11]。
残る1作 The Nature of Cheju Island (Chejudo pungtoki, 済州島風土記)は、日本統治後の1946年4月15日に公開されているが[12]、製作がいずれの企業によるものかは不明である。
関連事項
日本統治時代の朝鮮の映画作品の一覧
註^ a b c d e f g 朝鮮キネマ株式会社、釜山でお昼を、2010年7月1日閲覧。
^ ⇒日蓮宗妙覚寺、釜山でお昼を、2010年7月1日閲覧。
^ a b c ⇒高佐日煌の教学、澁澤光紀、日蓮宗現代宗教研究所、2010年7月1日閲覧。
^ ⇒海の秘曲、日本映画データベース、2010年7月1日閲覧。
^ ⇒アリラン、日本映画データベース、2010年7月1日閲覧。
^ a b c d Chosun Kinema, Internet Movie Database (英語), 2010年7月1日閲覧。
^ ⇒朝鮮キネマ、日本映画データベース、2010年7月1日閲覧。
^ ⇒闇光、日本映画データベース、2010年7月1日閲覧。