朝霞市内循環バス
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朝霞市内循環バス「わくわく号」の西武バス所属車 (A7-114)

朝霞市内循環バス(あさかしないじゅんかんバス)は、埼玉県朝霞市を走るコミュニティバスである。

1994年(平成6年)7月21日[1][2]に「朝霞市内循環バス」として運行開始し、2004年(平成16年)10月1日の路線再編時に公募によって「わくわく号」の愛称が与えられた。2024年(令和6年)4月現在は西武バス新座営業所東武バスウエスト新座営業事務所・昭和交通株式会社の3社が運行を受託している。
沿革
運行開始まで

朝霞市内循環バスは1990年代前半に運行を開始したコミュニティバスで、首都圏でも早い時期の開業である。多数存在する埼玉県内のコミュニティバスの運行を受託している3社にとっても最初期、とりわけ国際興業バスにとっては初のコミュニティバスの運行受託で、朝霞市のコミュニティバスに対する意欲的な取り組みは2000年代前後に多数の路線が誕生した県内のコミュニティバスの嚆矢ともなった。国際興業バスではこれ以降、浦和市日高市と続く[3][4]ほか、西武バスでは1991年(平成3年)の旧・練馬区シャトルバス(現・みどりバス)に続く2番目、埼玉県内では初の運行受託である。東武バスは運行開始当初が東武鉄道の直営で、1989年(平成元年)の岩槻市公共施設循環バス(さいたま市への合併により路線廃止)、1993年(平成5年)の和光市無料循環バス以降は県内で多数の無料福祉バスやコミュニティバスを受託しているが、この朝霞市内循環バスも最初期の一つにあたる[5][6]

運行開始直前当時の朝霞市内はいわゆる幹線道路が多くなく、従来の一般路線バスが運行されている地域以外は「交通空白地帯」が多く存在した。その後、沿線の宅地化が進みベッドタウンとして市の人口が増え、駅前の放置自転車が問題視されたこともあって交通空白地帯の住民が最寄り駅や市役所へ向かう際の便宜を図ろうと、市がコミュニティバスの運行を計画した。市は朝霞市内に路線網を持つ東武鉄道(東武バス)・西武バス国際興業バスの3社へ運行委託を依頼して承認され、1994年(平成6年)7月21日に「朝霞市内循環バス」の運行が開始された[1][7]。路線網は温水プール温浴施設トレーニングジムなどを備えた市営の総合健康増進施設「朝霞市健康増進センター わくわくどーむ」を中心として広げ、後年に公募を経て採用された「わくわく号」という愛称もそれに因んで命名された。開業時の運賃は1区間170円で、2区間以上では190円(いずれも大人運賃)で現金または専用の紙式回数券が使用可能な後払い方式だった。
運行形態と車両の変化2代目の車両(西武バス)(A3-950)

朝霞市内循環バスは順調に利用者が増え、その度に路線の経路変更や車両の代替などで様々な手が加えられていく。開業当初に3社で用意された車両は車種がいずれも異なっていたが、全車が2003年(平成15年)頃に代替時期を迎え、経路も路線網の拡大などで朝霞市内を一巡する形となり、運賃も初乗り170円の一般路線バスに準じた多区間制運賃へ変更された。

初代の車両は3社とも2003年(平成15年)10月1日に代替された。2代目の車両は小型ノンステップバス「日野・レインボーHR」が導入された。この車両は環境に配慮したCNG車となり、ここで車種が3社で統一された。導入からちょうど1年後の2004年(平成16年)10月1日に路線再編が行われ、武蔵野線北朝霞駅と宮戸地区を巡回する「宮戸線」、北朝霞駅から内間木地区を結ぶ「内間木線」が追加され、4路線となった。この際に朝霞市内循環バスの愛称が公募の結果「わくわく号」に決まり、前年に導入された2代目専用車には新デザインの専用ラッピングが施された。

わくわく号は2017年(平成29年)10月1日に大規模な路線再編とダイヤ改正が行われた。朝霞市の検討委員会がまとめた「運行見直し方針[8]」によるもので、同時にCNG車の老朽化による車両の代替と車両デザインの変更も行われた。見直しのための調査したところ、乗客の主目的は鉄道駅のアクセスであることと、わくわくどーむの利用者の大半が自家用車での来館(わくわくどーむは200台が収容可能な無料駐車場がある[9])であることから、運行開始当初のわくわくどーむを中心とした路線網を再考するに至った[8]。その結果、膝折・溝沼線および内間木線のわくわくどーむ乗り入れが終了となった[8]。その一方で市民からは増便を求める声も多いことから利用者が低迷している区間に大鉈を振るい、輸送力が逼迫している区間を増便してサービス向上を図る方針が決まった[8]。利便性の低下と利用者減少が続く内間木線については幹線路線と支線路線に分割して幹線を減便させ、それを補う支線路線を新設して社会実験を開始した[8]。その結果、2018年(平成30年)5月16日に経路変更とダイヤ改正を実施した。根岸台線・内間木線(幹線系路線)では同年1月1日に移転・新築したTMGあさか医療センター(旧・朝霞台中央総合病院)への乗り入れを開始し[10]し、内間木線(循環路線)の社会実験では、利用者の低迷を受けて経路変更および減便が実施された(後述)。

2023年7月1日に運賃が改定され、大人180円・小児90円、障害者手帳提示の場合は大人90円・小児50円に変更された[11]
年表

1994年(平成6年)
7月21日 - 「朝霞市内循環バス」として、わくわくどーむ発着および朝霞市役所発着の循環2路線で運行を開始。

1997年(平成9年)
2月 - 膝折・溝沼経由を浄水場裏を迂回する経路へ変更する。

2003年(平成15年)
10月1日 - 2代目の専用車両(日野・レインボーHRのCNG車)が導入され、初代車両が引退。

2004年(平成16年)
10月1日 - 大規模ダイヤ改正によって宮戸線・内間木線が新設されて4路線となる。愛称が公募により「わくわく号」となり、車両に専用ラッピングが施工される。

2006年(平成18年)
月日不明 - 多区間運賃から均一運賃(大人150円・小児80円)に変更。

2010年(平成22年)
4月1日 - 乗継券(大人50円、小児30円)による乗継制度が開始。

2011年(平成23年)
4月1日 - 市内在住の障害者へ無料特別乗車証の交付を開始。

2013年(平成25年)
4月1日 - 3種類の障害者手帳割引を開始し、市外在住の障害者に対する半額乗車証の交付を終了。

2015年(平成27年)
3月1日 - 朝霞市より循環バスの運行見直し方針が提言され、わくわくどーむへの乗り入れ路線の変更方針が示される。

2017年(平成29年)
10月1日 - 路線再編および3代目の専用車両(日野・ポンチョ)が導入される。膝折・溝沼線および内間木線のわくわくどーむ乗り入れが終了し、内間木線は減便と同時に循環系統を新設してワンボックスカー使用による社会実験を開始。12月1日 - 膝折・溝沼線および根岸台線の車両の登録番号がオリンピックナンバーに変更される。

2018年(平成30年)
5月 - 内間木線(幹線系統)に新車を導入し、2代目車両が全車引退する。5月16日 - ダイヤ改正を実施し、内間木線・根岸台線でTMGあさか医療センターへの乗り入れ開始。

2023年(令和5年)
7月1日 - 運賃が大人180円・小児90円に改定される[11]。7月24日 - 膝折・溝沼線、根岸台線、宮戸線にバスロケーションシステムを導入[12]。なお内間木線については、国際興業の一般路線と同様のシステムが以前より稼働している。
現行路線

「わくわく号」は全路線がJR武蔵野線北朝霞駅を発着するが、隣接する東武東上線朝霞台駅も利用可能である。


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